スティーブン(白人・メガネ):
それで、今日はいったい何をするつもりなんだい?

キース(アジア系・白髪):
これから3軒のお寿司屋さんに行って食べ比べをしようと思ってる。 それぞれのお店はかなり価格帯が違っていてる。 それでどの店がベストかを決めるんだ。

スティーブン:
そりゃ一番高いお店がベストなんじゃないの?

キース:
判断基準は味だけじゃない。価格やお店の雰囲気なんかも考慮に入れて決めるんだ。 じゃあまずは一皿3ドルのお店に行こう。

スティーブン:
そこは美味しいの?

キース:
そうだ、信じられないくらいにね。

スティーブン:
そのお店に実際に行ったことは...?

キース:
ない!

スティーブン&キース:
Ha Ha Ha!!!

キース:
でもものすごく評判がいいんだ。信じてよ。

Sushi Stop ロサンゼルス店

アメリカ国内に6店舗あるフランチャイズ寿司屋
一皿の平均価格:2.95ドル~6ドル


クリス・キムラ:
やぁ、ようこそSushi Stopへ。 さっそくだがシェフに会いに行くかい?

スティーブン&キース:
是非とも!



クリス・キムラ:
うちに父は毎朝4時に起きてダウンタウンにある市場に直接買出しに行ってるんだ。 一つ一つ目を利かせて新鮮な魚や野菜を選んでいるんだよ。 荷物を運ぶのだって自分でやってる。

キース:
荷物もかい!? 普通下っ端の人間にやらせるのに凄いな。

クリス・キムラ:
そういう努力をすることでお店で出す料理の価格を抑えているんだ。 それと同時に提供される魚の品質を落とさないようにね。 さぁ君達、食べる用意はできてるかな?


マグロの握り

価格:4ドル(2貫)

クリス・キムラ:
まずはBluefin tuna(タイセイヨウ・クロマグロ)から召し上がってください。

キース:
見るからに柔らかそうだ。 脂が乗っていて身がもう離れそうだ。

スティーブン:
Holy smokes!!! うわっ!!! 物凄く新鮮だね!

キース:
これが4ドルだなんて信じられない。

スティーブン:
ねぇクリス、美味しいお寿司を構成するものはなんだい?

クリス・キムラ:
新鮮さはとても重要だ。 新鮮な魚には魚臭さがないんだ、それに時間が経った魚の身はだらしなくなってしまうけど 新鮮なものはその形をきちんと保てる程度のハリがあり、それでいて口に入れると蕩けていく。


スパイシー・スキャロップ・ロール(ホタテ)

価格:2.95ドル(店舗によっては4ドル)

クリス・キムラ:
さぁ今度はスパイシー・スキャロップ・ロールだ。

スティーブン:
君は生のホタテを食べたことある?

キース:
いや、たぶんないんじゃないかなぁ。

スティーブン:
凄く美味しいよ。 味は... そうだな、普段食べてる火を通したホタテに生っぽい食感を加えた感じかな?

キース:
そのまんまだね、まぁ食べてみよう。 ンーッ! 食感がとてもいいね! これでいくらだって?

クリス・キムラ:
2.95ドルだよ。



スティーブン&キース:
2.95ドル!?

スティーブン:
みんな聞いたか!? これで2.95ドルだってよ!


サワラのお造り

価格:6ドル

クリス・キムラ:
これが最後の料理だ。 この時期最高の旬を迎えたサワラのお造り、日本から空輸してきたものだ。

スティーブン:
この料理は僕の人生で見たものの中で2番目に美しい。 1番は僕の彼女だから。 そう言わないと後が怖い。

キース:
WOW!!! これも凄く美味しい。 本当にこのお店では素晴らしい体験ができ... あれ? まだ料理を持ってくるの?


甘エビの握り

価格:2.95ドル

クリス・キムラ:
まずこのお皿に乗った お寿司にする前の状態の甘エビを見てくれ。 まだ生きてる状態だ。

そして調理されたものがこちらだ。

キース:
スティーブン、君は食べ方が雑だな...
うん、美味い! パーフェクトだ。

これだけ美味しい料理たちをこんな価格で食べたことなんて一度もない。 素晴らしい体験だった。なぁスティー... oh God...




(移動中)
キース:
君の言っていた通りだスティーブン、あのお店が称賛されるのも納得だ。 これから向かう中価格帯のお店も評判がいいんだろ? 今食べたものよりもさらに美味しいと願っているよ。いや、そうじゃないといけない。

浜作 Hamasaku

ロサンゼルスにある寿司屋
一皿の平均価格:10ドル~25ドル


キース:
こんにちわシェフ、あなたは何年くらい寿司を握ってきたのですか?

ヨウヤ・タカハシ(オーナーシェフ):
だいたい16年くらいになりますね。

スティーブン:
寿司の値段はどうやって決めているんですか?

ヨウヤ・タカハシ:
一般の人は魚の値段だけで決めていると思われてるでしょう。もちろん新鮮で質のいい魚は重要ですが 私たちはシャリに胚芽米を使ったり赤酢を使ったりと様々な工夫をしています。 後は私たち職人の技術料ですね。

キース:
なるほど、じゃあさっそくその技術を見せてもらいますか。

キース:
このお店で出される料理のプレゼンテーションは際立っているね。 とても食欲をそそる。楽しみだ。


金目鯛の刺身・白ポン酢合え

価格:18ドル

ヨウヤ・タカハシ:
こちらは金目鯛のお刺身ににんにくを効かせた白ポン酢を合えたものです。

スティーブン:
O~h、Yeah...

キース:
舌がセクシーなソルトバスに浸かっているかの様だ

スティーブン:
個人的にこの値段に見合うものなのか分からないなぁ。

キース:
そうかな? とても美味しいし十分価値があると思うぞ。


寿司・おまかせセット(マグロ・ヒラメ・サワラ・タイ・イカ)

価格:18ドル

キース:
炙ったやつから食べてみようか?

ヨウヤ・タカハシ:
マグロから始めることをオススメするよ。

キース:
ああ、食べる順番にもこだわりがあるんだ。

スティーブン:
そうだね、第1幕、第2幕、第3幕といった感じに。 そうした方がより味わいを楽しめるんだろうね。

キース:
うん、とても風味豊かで美味しい。 それぞれとても個性があって噛むごとに旨味が波の様に強弱をつけて襲ってくる。

スティーブン:
それも突然、一気に来るね。 一噛み、二噛み、そして急に




ケイジャンクラブ・ロール

価格:18ドル

キース:
こいつを見かけた時からずっと気になってた。 このソフトシェル・クラブ・ロールを。(脱皮直後のカニ、殻ごと食べられる)

ヨウヤ・タカハシ:
私たちはケイジャンクラブと呼んでいます、 ケイジャンスパイスを使っているので。 (パプリカ・カイエンペッパー・黒故障・ガーリックパウダー・オレガノ・タイム・塩などを混ぜ合わせたもの。)

スティーブン:
これは所謂伝統的なスタイルとは違うもの?

ヨウヤ・タカハシ:
だいぶ違いますね。

スティーブン:
でも美味そうだ。 まぁここはアメリカだしね。



キース:
ん~ 凄くいい香りがする...

スティーブン:
ピクルスも入ってる。 あぁ... ケイジャンスパイスがとても効いてる。 このスパイスはまるでドラッグだ。

キース:
とても細やかな仕事をしているからこれだけレベルの高いものが出来上がるんだろうねぇ。

彼女や彼氏、大切な友達を連れて是非この素晴らしい料理を食べにきてくれ。オススメする。

スティーブン:
"大切な友達"? 誰のことかな?

キース:
はいはい、君です。スティーブンです。これでいいか?

スティーブン:
よろしい。


(移動中)
キース:
もうお腹一杯だよ...

スティーブン:
これから向かうのは最後のお店、最高価格帯のお店で料理は全て"お任せ"だ。

キース:
もうこれ以上美味しいのなんて想像も出来ないよ...

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笹船 Sasabune

ロサンゼルス・グレンデールにある高級寿司屋、料理は全てお任せ
価格:時価(今回は250ドル、酒込み)


ノビ・クスハラ(オーナーシェフ・右):
2人ともこんにちわ、私はオーナーシェフのノビ、彼はヘッドシェフのヒロキでもうこの店で20年働いてくれています。

スティーブン&キース:
20年も!? WOW!!!

ノビ・クスハラ:
彼は熟練の寿司職人ですから今日は全て彼に任せます。

スティーブン:
僕の友達、このキースは"お任せ"を食べたことがないんです。彼のために説明してくれます?

ノビ・クスハラ:
"お任せ"とはシェフに何を食べるかを全て委託するスタイルで一般的にコースになっています。 料金は食べ終わった後に分かります。私たち料理人を信頼して頂き私たちはそれに全力でお答えします。

キース:
なるほど、興奮してきた。 じゃあさっそく体験させてもらえますか?

(スローモーションの映像に優雅な音楽が流れています)


ノビ・クスハラ:
ハボウキガイとビンチョウマグロのお刺身です。 マグロは表面だけ火を通したタタキで貝はレモンをかけています。

スティーブン:
口が絶頂している... こんな体験は初めてだ。



ノビ・クスハラ:
メキシコ北部バハ・カリフォルニア産のヨコワのお刺身です。(クロマグロの幼魚)

キース:
どんな魚なのかまったく分からないが凄く、凄く美味い。



ノビ・クスハラ:
スペイン産のタイセイヨウ・クロマグロの握り、赤みとトロです。

キース:
もうどうやって説明したらいいか分からない。 あまりにも美味しすぎて本当に涙がうっすら出てきた。 それほど感動的な美味さだ。



ノビ・クスハラ:
ハマチとサーモンの握りです。

スティーブン:
...とても味が濃い。すごい。もう訳が分からなくなってきた。



ノビ・クスハラ:
日本産のヒラメと鯛の握りです。

ノビ・クスハラ:
焼き貝です。ワシントン産の牡蠣、ホタテとしいたけをグリルしたもの。

ノビ・クスハラ:
カリフォルニア州南部サンタバーバラ産の甘エビの握りです。

ノビ・クスハラ:
金目鯛、アンコウの肝、ウナギ、カレイ、イボダイ、カンパチ。 (映像には出てきませんがたぶん握りです)



ノビ・クスハラ:
ウニとイクラの軍艦巻きです。イクラはカナダ産のものを使っています。

キース:
これが今日出されたものの中では一番だ。素晴らしい。


ノビ・クスハラ:
これがコースの締めになります。 この店一番人気のブルークラブの手巻き寿司です。(暗青緑色の甲羅をした蟹、脱皮直後をソフトシェルクラブと呼ぶ) 直接手渡しいたします。すぐに食べないといけませんので。

(スローモーションの映像にとても穏やかで優雅な音楽が流れています)



スティーブン:
(モゴモゴしながら)驚きだ、とてもアメージングだ!

スティーブン:
このお店に来る途中、車の中でキースと「さっき食べた寿司以上のものなんて本当にあるのかね?」みたいな事を 話してたんですが想像の遥か上を行きましたよ。

キース:
お姫様のように扱われなきゃ納得しないよ」とも言ってた、でもまさにその様な体験をさせてくれたね。


(帰宅中)
スティーブン:
さぁ、結論を出そう。どのお店が勝ったと思う?

キース:
僕は最初の低価格のお店、Sushi Stopを選ぶね。 なぜなら僕があの店に通う姿が見えるからだ。 何度も通うことになるだろうね。 君はどうだい?

スティーブン:
僕の中の食通が叫び続けているんだ、最後の高価格のお店、Sasabuneの名前をね。 あんな体験は初めてだった。

キース:
でもあのケイジャンクラブ・ロールも忘れがたい。 あれもアメージングだった。

スティーブン:
確かに。

キース:
こんなこと言うのは癪だけど最後のお店で食べれたのは君のおかげだ、ありがとう。 君は確かに"大切な友達"だ。

スティーブン:
Ha Ha HA!



(最初の低価格のお店にて)
スティーブン:
この価格でこのクオリティは凄いな。
これなら彼女...

デートに使ってもまったく問題ない。領収書を見せなきゃいいんだ。

キース:
なぜ言い返した。

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