日本の若い男性は酒を飲まず、車も持たず、仕事への献身を示さない。彼らは何をしているのだろうか?

Japan’s millennial men don’t drink, don’t drive, don’t worship work – what do they do? By Julian Ryall 4 Feb 2017 South China Morning Post

日本の若者に彼らの父親世代はきっとに失望しているに違いない。

まず若者達は腕時計を買うことを止めた。 戦争の惨禍の後に国を再建した日本の男性にとって それは一人前の大人としての証だった。だが携帯電話、スマートフォンが登場し若者は買わなくなってしまった。

そして若者達は車の購入を止めた。 トヨタの豊田昭夫社長は2013年の演説でこの情勢の変化について、 若者達が彼を困惑させていると不満をあらわにした。彼は若者達は車を持たないのにどうして女性をデートに誘う気になれるのか不思議がっていた。 なぜなら彼の世代では車を持っていなければ女性はデートに乗ってこなかったからだ。

また日本のネクタイ産業は危機的状況にある。 日本の若者の一部はネクタイを会社への隷属のシンボルと見なし避けているのだ。

最近では一部の大手企業の若手社員は他地域への転勤を拒否するそうだ。そう、拒否するのだ。 中央大学大学院戦略経営研究科の新たな調査によれば、驚くべきことに男性の職員の42.7%が「できれば転勤したくない」「絶対に転勤したくない」と考え、転勤に抵抗するため可能な限りすべてをやる、仕事を止めることすら考えるという。

上の世代を驚かせる研究結果はそれだけではない。 ワイン情報サイト「ワインバザール」が飲酒習慣について20歳から70歳の6,638人の日本人の男女にインタビューしたところ、 恐ろしいことに20代の男性の39.8%が「酒を飲まない」ことが判明した。 60歳以上の男性の25%は医師に止められるなどして禁酒をしているが この数字はその禁酒をしている人の数を大幅に上回っている。

29歳のショウ・ホソムラは 「上司や他の同僚と一緒に飲みに行きたいとは思わない、友達と出かけて飲むことはある。」と語る。 ではどのくらいの頻度で飲酒をするかを尋ねたところ彼は「月に1~2度ほど、1晩でチューハイを2~3杯飲みます。」と答えた。

それは1980年代の日本の快楽主義的な日々を過ごした人からしたら考えられない答えだろう。 1980年代から1990年代には若い経営幹部達の間では仕事の後の酒の付き合いは非公式な仕事の一部だと考えられてきた。 だが今日、アルコール消費量は1996年のピークと比べて89%にまで下がっている。

「当時のように大量のアルコールを取る人は私の周りにはいません。 私が思いに若い人達は上司から受けるプレッシャーに対し不満を抱えているのだと思います。 今では上司は若い社員を飲みに誘おうとすらしなくなりました、なぜなら返ってくる答えが分かっているからです。」 とショウ・ホソムラは我々に語った。 ショウ・ホソムラが働く現代の日本株式会社は 彼の父親の頃とはだいぶ様変わりしてしまったようだ。

私は仕事を他の全てのことより優先させるような熱狂的な労働者が日本に存在しなくなったのだと思います。 戦後、日本はすぐに国を再建しなければならず、人々は非常に頑張って働きました。 それは私の祖父の世代の人々で、その思いは私の父の時代にも続きました。 ですが今、その思いはもう存在しません。」

「もし当時のように長時間の残業や休日なしの勤務を強いるような企業があったら 今の人たちは"ブラック企業"と呼ぶでしょう。」

東京大学国際キリスト教大学の国際関係学部助教授Stephen Nagy氏によると、 酒造メーカーの見通しは同様に悲観的だという。

「今日、私が大学にいたときに見た飲酒文化は見られない。 日本社会では飲酒に関して大きな変化が起こったのだ。」と彼は語った。

「様々な理由で仕事の後、家に帰ることが受け入れられるようになった。 近年では父親世代とは異なり、若い男性は子育てに より積極的に関わるようになった。 いつも父親が仕事ばかりして家にあまりいない、そんな家族像を彼らは求めていないのだ。」

ワーク・ライフ・バランスを追求するのも理由の一つだが過去20年間、若年者の賃金が停滞していることも原因だ。 家計を考慮すると飲み会などはその優先順位が下がってしまい、 彼らは代わりに家に帰るのだ。

Stephen Nagy氏はまた男女が平等になってきたことも関係していると指摘する。 「妻は夫に仕事が終わったら家に帰り、家族と時間を過ごすことを求めている。 現代では父親が夜遅くまで働き、その後仲間と飲みに行くという行為は受け入れられなくなってきている。 そしてそのトレンドが変わる気配は全くない。」

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海外の反応

South China Morning Post , reddit.com コメント欄より:

formally formerly これって日本だけじゃなくて世界中のミレニアル世代にも言えることだよな。
(ミレニアル世代:2000年以降に成人になる世代を指す。 始めからネットに慣れ親しんでいるため“デジタルネイティブ”と呼ばれることもある。)

doug888 人々はついに目覚めたんだな。

Alex Shek "日本の若者は酒を飲まず、車も持たず、仕事に情熱を持たない。"
そんな人生つまらないだろ。

Javbw 私には1990年と1996年に生まれた息子がいて、大きい方はダンスのインストラクターをしているが車に興味を持っている。 もう1人は東大に入って今も一生懸命勉強しているが最近はユーチューバーになって日本語を教えるビデオを始めようとしている。

2人ともサラリーマンにはなりたくないらしく 日本でのオフィスワークに耐えられそうもないと言っている。 彼らの語学力があれば海外の企業に入ることも出来ると思うのだが...

ChrysalisStage 日本の企業で働きたくないってのは日本の学生が皆思っていることなのかな?

Tainted-Beef 大抵の若者は 親に日本の企業に入れば雇用保障、定期的な給与の引き上げなど数々のメリットがあると教えられているから日本の企業に入りたがっているよ。 でも私の20代後半の友人の多くが給料が上がらず 絶望的な気持ちになって仕事を辞めてたりしてるし、 彼の2人の子供の反応はこの記事に出てきたような考え方が影響しているんじゃないかな。

LordB8 Youtubeチャンネル始めたら教えてくれ、チャンネル登録するよ :)

rethardus 正直私はこれを肯定的に捉えているよ。 公害も減るし酒も減る、物質的なものより精神的な豊かさを求め、家族との時間を長くする。 問題がどこにある?

[大阪府]Osakaboy 私もいいことだと思う。ようやくこの国の労働文化が変わってくれようとしているからね。

Jorunkun 自動運転やUberのようなサービスも普及していけば自動車を所有する意味なんて薄れてきちゃうと思う。

masonvd 環境や社会のためにはいいんだろうけど私は自動車やバイクを所有することが楽しみだから そんな未来はちょっと寂しいな。車愛好者達の文化が廃れないことを祈るよ。

Umasuki74 無駄な仕事をするのを止めただけだ。 日本での仕事は西洋よりも効率が悪いことがよくある。 何もしないで座っているだけ、上司に何も言えずただ彼の言うことを聞くなんてことがな。

もちろん時には締め切りを守るために大量の残業をしなきゃならんこともあるだろうが 仕事が終わったらさっさと帰してやるべきだ。 若者が仕事のために人生を捨てる必要がないことを理解しているのが分かって嬉しいよ。

miyagidan "彼らは何をしているのだろうか?"
こんなことをしていますよ。




Cheerful_Skeptic こ れ は ひ ど い
と同時に素晴らしい。 未来は"変な"方向に向っているな。

miyagidan "最高な"の間違いだろ。

sjp245 興味深い記事だった。私は英会話の講師として2年間日本に住んでいたが 他の仕事に転職したいと他の日本に長く住む外国人達に話したら 「日本のサラリーマンの宿命を受け入れ、苦しむ準備ができているか?」と言われたよ。 私はそのような環境には適していなかったので止めたが、 日本のミレニアル達がワーク・ライフ・バランスのある生活を望んでいると知れてよかった。