マツダ・アテンザ 2016年バージョンのレビュー

2016 Mazda6 - Review and Road Test by Kelley Blue Book

そのセグメントの中で一番売れている車が最も優れている車かというと必ずしもそうではない。このマツダ・アテンザはその好例だ。北米市場でのアテンザの販売台数は競合するトヨタ・カムリやホンダ・アコード、日産アルティマと比べるとかなり下回っているが、我々Kelley Blue Book からすればこのアテンザは中型セダンの中でその力を正しく評価されていない陰の英雄とも言える車だ。

マツダ・アテンザのインテリア


マツダ・アテンザの持つハイレベルな車とドライバーの一体感(これについては後述するが)、そして洗練されたインテリアは競合ひしめく中型セダン市場の中でこの車に競争力を与えている。インテリアに使われている素材、テクノロジー、全体的なレイアウトは高級車と渡り合う事が可能と思わせるくらい洗練されており、その様な車は大衆車の中では数少ない存在だ。

センターコンソールのカバーにしても、LEDアクセントイルミネーションにしても、しっかりとクッションが詰め込まれたニーパッドにしても、素晴らしく直感的に操作できるインフォテインメントにしても、大衆車と高級車を隔てる磨き上げが そこかしこに感じられる。



インフォテインメントに関してだが、マツダがコマンダーコントロールと呼ぶセンターコンソール上に設置されたコントローラーは我々Kelley Blue Book がテストしてきた車の中で おそらく最も運転を妨げない使い心地になっている。人間工学に基づいたダイヤルやボタンのデザインは目の前の道路から視線をあまり逸らすことなく素早く正確に操作することを可能にしている。スクリーンはタッチパネルにもなっているので手で直接触って操作できるのも好印象だ。

そしてこのような かつてのマツダとは違った高級感のあるインテリアになっていても、そのルーツとも呼べるものは捨て去られていない。

マツダ・アテンザの走行性能


4気筒ターボやV6エンジンなどの選択肢がないにもかかわらずこの車は他の4気筒ターボを搭載した競合車よりも運転していて遥かに速く感じる。さらにステアリング キャリブレーションはほぼ完璧と言っていいだろう。この車の持つ優れたブレーキとハンドリングは、中型セダン市場の中ではあまり体験できない、自信に満ち溢れたドライビングエクスペリエンスを与えてくれる。

マツダ・アテンザの実用性


マツダ・アテンザの力強い走行性能もさることながら、実用性においてもこの車の優秀さを感じる事ができる。トランクの大きさはこのセグメントの平均的な大きさ、15立方フィート(0.42立方メートル)ほどの大きさで、荷台の入り口も他の競合車と同様に比較的低い位置にあり使い易い。

その一方で競合車と違い後部座席を倒した後にトランクの床との間に段差が出来ず平らになり、またトランク内に突き出ている箇所がないのでトランクのスペースを非常に有効に使うことができる。



前席のシートの後方に窪みがあるおかげで後部座席に座っても前席と膝の間には十分な広さがあり、大抵の大人は問題を感じる事はないだろう。シートはしっかりと詰め物がされているしラテラルサポートも十分だ。ただ大きく張り出したサイドボルスターは所謂一般的なアメリカ人の体型からすると窮屈に感じられるかもしれない。

マツダ・アテンザの乗り心地


一般的なアメリカの車道においてもマツダ・アテンザは素晴らしい仕事をこなしており、荒れた路面から来る衝撃をうまく吸収してくれているしキャビンに響く振動はごく僅かだ。トヨタ・カムリやホンダ・アコード、日産アルティマと比べて少し硬いが、正直我々からすればそれらの車が柔らかすぎるのだと思う。

サスペンションやシャシーの改良、そして吸音素材をこれまで以上に使用した事で車内の静粛性は高まっており、2016年バージョンではそれまでのものよりロードノイズや風きり音を25%近く削減できているという。

マツダ・アテンザのエンジン/燃費

静粛性を高める措置は184馬力185lb-ftあるこの2.5L4気筒エンジンのエンジン音も抑えることに繋がっている。トランスミッションはグランドツーリングモデル以外では6速マニュアルが選択可能で6速オートマもスムーズにギアを切り替えられるとても良い出来に仕上がっている。

オートマの燃費はEPA(アメリカ合衆国環境保護庁)によると街中で26mpg、高速道路だと38mpgだが我々がテストした所高速道路で2mpgほど良い燃費だった。マツダの減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」は燃費を2mpgほど良くしてくれるというがそれなしでもかなり優秀な燃費性能だ。ちなみにマニュアルでの燃費は街中で25mpg、高速道路だと37mpgだ

マツダ・アテンザの価格/グレード


中型セダン市場ではヒュンダイ・ソナタ、キア・オプティマ、スバル・レガシーを除きほとんどの車が23,000ドル以上するがこのマツダ・アテンザも例外ではない。ベースグレードのオートマ仕様車は17インチアロイホイール、6:4で倒せる後部座席、横方向の太陽光も遮る事が出来るサンバイザー、電気式パーキングブレーキ、ブルートゥース、バックカメラも使える7インチインフォテインメントスクリーンが付いてくる。



豊富な機能が装備されるグランドツーリング・グレードには雨滴感知式オートワイパー、BOSEプレミアムオーディオ、ヘッドライトとテールライトはLEDに、メモリー付き電動パワーシート、アダプティブクルーズコントロール、衝突回避自動ブレーキ、ダッシュボードの上に設置されたヘッドアップディスプレイが付いてくる。

全てのオプションを追加しても33,000ドルとそれほど高額にはならないのが素晴らしい。

マツダの長期信頼性にはムラがあり一部の人は不安に感じるかもしれないが、新しいマツダ・アテンザはその洗練された品質から中古査定でもそれほど悪くない価格が付けられるはずだ。

最後に


自動車愛好家でなければこのマツダ・アテンザに魅力を感じる事は出来ない などという事はない。この車は実用性、洗練性、中型セダンに求められる機能全てを持ちながら運転する喜びというボーナスまで付いてくる。

もしあなたが普通の車とは違ったものを欲しているのなら、このマツダ・アテンザはそんなあなたにピッタリな車だ。

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海外の反応

Youtubeのコメント欄より: ソース

David マツダがトヨタのレクサスやホンダのアキュラみたいな高級乗用車メインの販売チャネルを作ったらそれはそれは美しい車になるんだろうなぁ。

Eli Smith ま、必要ないと思うけどね。

Cyph18 販売チャネルを増やせないからこそラインナップを美しくしたとも言える。

Luis X 90年代にはマツダも高級乗用車の販売チャネルを設立しようとしてたんだよ。でも財政問題が起きてフォードが資本参入したことで立ち消えちゃった。

G 一応ユーノス・コスモっていう国内向けのはあったけどね。

Luke Hoisington "4気筒ターボやV6エンジンなどの選択肢がないにもかかわらず"
でももしあったらそりゃ楽しい車になっててだろうな。

Moaiz Shahzad そのオプションがあったら年間5万台は北米市場で販売台数が増えてたと思う。

Alan Founcright マツダスピードアテンザはまだですか?

FamusFace マツダCX-9 にターボが搭載されていたからマツダスピードアクセラは期待してもいいのかも。それにもしかしたらマツダスピードアテンザもね。

Kwezzy ターボを載せるってことはそれだけ部品が多くなるわけで、それはつまり故障する可能性が増えるけどな。

M DOSD マツダがこの調子で素晴らしい車を作り続けたらアメリカでもマツダが売れるようになるかな? 正直このマツダ・アテンザよりもキア・オプティマの方が売れているっていう事実が受け入れがたいんだけど。

Luis X あれなんであんなに売れてんだろうね? マツダはいつだって信頼性も良かったし、フォードと提携していた時期以外は。

Bcomes まぁキアは韓国のトヨタみたいなもんだし。

chancy319 キアとマツダじゃ宣伝にかけるお金の桁が違う。キアなんてNBAのスポンサーだしスター選手をCMに起用してる。

Luis X それに販売台数が多い分値下げの余裕があるしな、だからこそアメリカ人が殺到する。

Jason Lopez このレビュー動画を作ったKelly blue book含めて自動車評論サイトがマツダ・アテンザを現在市販されている非高級車の中で最も優れていると賞賛するのも理解できる。滑らかで美しいインテリアも素晴らしいハンドリング性能も全てにおいてクオリティが高い。この車のファンになっちゃったよ。

awanderer フロントのデザインが特に素敵。

bebe4235 もっとパワーが欲しいとかいう人が理解できない。はっきり言ってこの車には十分な馬力がある。加速だって十分だし音だって良い。

Kwezzy ホントだよな。トランスミッションはスムーズだし自分の思うとおりに動いてくれる、特にスポーツモードだとね。この車のルックスからもっとパワーがあるはずだとか思われてんのかな?

AnthonyMendezVO V6エンジンとか必要ない。家族5人乗っても、上り坂でも十分なトルクがこの車にはある、RPMが馬鹿みたいに高くなるなんてことなしにね。それこそがスカイアクティブエンジンの魅力なのに。

Kwezzy たぶんトランスミッションがいいおかげだな、実際の馬力やトルク以上の性能があるように思わせてくれるのは。

AnthonyMendezVO それよそれ、素晴らしいトランスミッション、それにこの車の重量が軽いことも数字以上のパワーがあるように感じさせてくれる秘密だと思う。

Kwezzy ハンドリング性能もトランスミッションも一流なのは認める。でも購入して1年経ってやっぱりもうちょっとだけパワーがあればいいなって思っちゃってる。

Kwezzy この車をとても気に入ってる。速い車な訳ではないがシャープなハンドリングと品のあるインテリアは中型セダン市場の中で際立ってる。

mkkeable フォード・フュージョンなんかも同じ2.5L4気筒エンジンのがあるけどアテンザの方が遥かに洗練されているし燃費もパワーも優れているしな。

Tous Shong フュージョンはエンジンとトランスミッションが微妙なんだよなぁ。でも乗り心地とルックスはかなり好みだ。

tom11zz884 非力なエンジンなんて車の魅力を損なうだけだ。近年のマツダの燃費効率に力を入れる姿勢が嫌いだ。

sic22l 25%静粛性向上ね、良いことだ。今までのはかなり車内が五月蝿かったからそのせいで敬遠する人がかなりいたからね。

Hermit527 動画中にペットボトルが何度も出てくるのは何でだ? 笑っちゃったけどさ。

weinerschnitzelboy Kelley Blue Bookはいつも動画に何かしらの遊び心を入れているのさ。撮影クルーとレビュアーがお互いを混乱させようとするのはよくある事なんだよ。

KentB27 現行の中型セダンって皆このアテンザと比べるとガッカリなルックスに見えてしまう。

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