日本人交換留学生を受け入れる体験を気まずいものにしないために知っておくべきこと。

How NOT To Host A Japanese Exchange Student :Un-awkwarding your exchange student experience

さて、この記事を読んでいるということはあなたは自分の家に日本人交換留学生をホストしようとしているのでしょう。それは素晴らしい決断です。あなたに拍手を送ります。

私は世界中から多くの留学生を迎え入れてきましたし、私自身も交換留学生として2回海外に行った事がありますが、そのどちらもどれだけ素晴らしい体験だったか言葉にし尽くせません。

交換留学生を迎え入れることで自分とは別の文化をより深く理解できますし、他の人の目から見て自分は人生をどのように生きているかについての興味深い考えを得ることができます。それにうまくやれば生涯の友人を得ることもできます。

しかしこの記事ではその反対のうまく出来ない場合、あなたが間違って行ってしまうかもしれない行動に焦点を当てましょう。

どんな間違った対応をすると交換留学生の人生を永遠に台無しにしてしまうことになるのか、それは言い過ぎかもしれませんが苦い経験を与えてしまう対応について知っておきましょう。

1.相手の文化について全てを知っていると思い込む。

“DSC_3532” by Cosplay Vogue1 is licensed under CC BY 2.0 『 出張で一度日本に訪れた事があり、その体験で日本の文化についてかなり理解できたはずだ。私が相撲や日本の芸術にどれだけ敬意を持っているのかを交換留学生に伝えよう。そして今もなお残っている武士の文化を賞賛しよう。 』

あるいは

夏の間にひたすらアニメを見続けてきた、京都アニメーションから学べる事は全て吸収できたはずだ。 「らき☆すた」も「けいおん!」も「ユーフォニアム」も全て見たしキャラクターの漢字だって書けるし日本の学校生活に対する理解は十分なはず、交換留学生が来たらそのことを伝えよう。

なに!? 見たことがない!? それはもったいない、ぜひ一緒にこの素晴らしいアニメを鑑賞しよう。なに、一日3話のペースで見れば君がこの国にいる間に京アニの全ての作品を網羅できるはずだ、さぁ! 』

彼らは礼儀正しいのでおそらく辞退はしないでしょう。

現実:
日本でかなりの時間を費やさなければ、日本のことを本当に理解することはできません。そして例えあなたが十分な時間を過ごしたとしても、個人の人生または個々の環境は人それぞれであり、どの様な事に関心を持っているかは会って仲を深めるまで知る事が出来ません。

もちろん日本の文化に対する熱意を彼らと共有することは良い事だと思いますがそれに囚われてはいけません。むしろ彼らに質問しましょう、そこから学ぶ事の方が重要だったりするのです。

2.彼らの英語が完璧であると思い込む。

“Here's another shot of Hamburger!” by chichacha is licensed under CC BY 2.0 今日は誰もが英語を話すはず、国際的な言語なんだから! きっと1年後 ここにやってくるRikoさんも英語ができて、今回の交換留学で英語の練習をしたいと思っているんだろう。』

ところが実際にやってきた彼女はあなたが言っていることを何も理解できないことが判明します。通常のコミュニケーションはできません。あなたができることは、手のジェスチャーと基本的な言葉を使ってなんとか意思を伝えることだけです。

『"America, eat hamburger. Hamburger, cow. Kill cow, eat. Fries, potatoes. We go to restaurant now. You, come?"
"アメリカ、ハンバーガーを食べる、ハンバーガー、牛、牛をコロす、食べる、フライドポテト、私たちは今レストランに行く。おまえ、来る?

現実:
誰もが英語を理解するとは限りません、ですが英語を学ぶ事も交換留学生の目的のひとつです。一歩ずつ着実にやっていくよう心がけてください。簡単な単語だけを使い会話のレベルを下げる必要はありません、彼らは正しい文法を聞きたいのですから。

話すスピードも必ずしもゆっくりとする必要はありません。言葉を明瞭に発音したり、繰り返したりは、彼らが一度目で理解できなかった場合のみそうしましょう。

3.気を遣ってアメリカの寿司屋に連れて行く

“Black Dragon Roll @ Mt. Fuji, Uptown Minneapolis” by Joe Bielawa is licensed under CC BY 2.0 『Keikoは見知らぬ外国の私の家で一週間過ごしてきたがその間、馴れない(そして心臓発作を誘発する)外国の食事(あなたがタコベルを食べ物と呼ぶならば)を食べてきた。

きっと彼女は日本の伝統的な食事、そう寿司が恋しくなっているはず...そういえば数マイル離れたところに"サムライ寿司"というレストランがあったな! あそこでドラゴンロールと寿司ピザを食べれば彼女の里心も弱まり助けになるはずだ!

彼女も私の思いやる心を理解してくれるだろう。そして私が「これで少しは故郷を恋しく思う心に安らぎを与えられたかな?」と彼女に尋ねれば、彼女は笑顔で、恥ずかしがりながらうなずいてくれるに違いない。』

現実:
アメリカの寿司は日本の寿司とはまったく違います。 日本の寿司ははるかにシンプルで、揚げ物が入ったりしませんし、ロールやニギリにソースをかけたりしません。

さらに日本人はあなたが考えているほど頻繁に寿司を食べません。日本人の中にもアメリカの寿司が大好きな人もいますが、それを嫌う人もいます。

もっとも日本人からすれば韓国人が経営しメキシコ人シェフが寿司を作る店に行く事は間違いなく興味深い経験ではあります。ただそれが日本人の交換留学生の心の慰めになると期待してはいけせん。

4.交換留学生に子供の世話をさせる

“The Kids” by Jam Smooth is licensed under CC BY 2.0 『子供たちは他の子供と遊ぶのが大好きだよね? 16歳のHiroは6歳の息子の遊び友達として最適じゃないか! きっと息子もHiroに懐き、彼が帰国する頃には離れたくないと訴えてくるに違いない。

なにより隣の生意気な14歳をベビーシッターとして雇う必要がなくなる。これでポテトチップスを食い荒らされることもなくなるぞ!』

現実:
交換留学生に子供の世話をさせようと思ってはいけません。実際小さな子供を持つホストファミリーは多くの交換留学生にとって理想的なホスト先ですが、彼らにあなたの子供と遊ぶ義務を感じさせてはいけません。彼らはベビーシッターではないのです。

5.家族と喧嘩する。

“crying” by Mikaela Pelayes is licensed under CC BY 2.0 交換留学生がやってきて間もない頃に小さな娘が親友の誕生日パーティーに参加したいと言ってきました。「部屋をきちんと掃除したら行ってもいいよ。」そう言い聞かせたのに娘は部屋を掃除せずにパーティーに行ってしまいました。

もちろんその夜は大喧嘩です。留学生がいるにもかかわらず、娘はお母さんに自分でも今まで一度も言うとは思わなかった言葉をすべて解き放ち、テーブルの上のお皿をなぎ払い、ちょっと泣きます。そして自室に戻る娘は階段の上で最後の絶叫をします。かわいいですね。

現実:
交換留学生がいるからといって常に気を遣う必要はありません。ですが見知らぬ他人の家で家族がいがみ合っている所に置かれたら彼らはとても気まずい気持ちになるでしょう。

それと子供が両親を怒鳴りつけるのは日本ではあまり一般的ではありませんので、留学生に強烈なカルチャーショックを与える事になります。

6.買い物などのちょっとした用事があるとき交換留学生を家に残す。

“costco” by Portal Abras is licensed under CC BY 2.0 『ああ! そういえば銀行に行かなければならなかったんだ。あとお婆ちゃんのバースデーカードを手に入れるためにショッピングモールにも行く必要が、それからアーモンドバターを買うためにコストコにも!

Daisuke、君は家にいてくれ。君みたいなティーンエイジャーはそんなつまらない用事に付き合いたくないだろ? 分かってる、自宅にいてテレビを見たいんだろ?』

現実:
交換留学生にとってはそんな日々のつまらない用事が実は本当に楽しい体験かもになるかもしれません。私たちにとって当たり前の銀行、モール、食料雑貨店が新鮮でエキサイティングな光景になることもあるのです。

もしあなたが米国に住んでいるなら必ずコスコまたはウォルマートに連れて行ってください。私は国外から誰かが訪れる度にそこに連れて行きます。彼らは皆"アメリカンサイズ"に驚くはずですから。

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7.食事に毎回お箸を提供する。

『今日はKotoeとSayokoが初めて我が家で食事をする日だ、ここは1つ気合を入れて手作りの料理を提供しよう! ミートローフ、マッシュポテト、マカロニのサラダ、後何がいいかな? ...ちょっと待てよ、2人は日本出身じゃないか!!彼らは箸を使う!

箸をまったく使うことができない私が日本を訪れたとしても、何の躊躇もなくフォークを求めてることができる。だが臆病で恥ずかしがりな彼女たちはフォークを求めることができないかもしれない!

ここは新しい箸を彼女達のために用意しておこう、我ながらなんて思慮深いのだろう!』

現実:
日本人は和食に箸を使用していますが、洋食にはフォーク、ナイフ、スプーンも使用しています。子供の中には弁当箱に箸の代わりにフォークを詰めていることもあります。ですから彼らが箸を求めない限り、彼らはそれらを必要としません。

8.特別ゲストのように交換留学生を扱う

“Princess” by Brian Richardson is licensed under CC BY 2.0 『さぁ、もうすぐMikaがやってくるぞ! 彼女は私たちの大事な、特別なゲストだ。彼女にいかなる雑用もさせてはいけない。何不自由なく過ごしてもらおうじゃないか。 彼女は私たちのお姫さまだ!

現実:
交換留学生は外国の人々の生活がどんなものか知るため、家族の一員になるためにホームステイをしています。あなたが本当に彼らを歓迎したいのであれば、家族の一員であるかのように感じさせてあげましょう。

他の人のように家事をすることは、家族の一員のように感じさせるための良い方法です。彼らは喜んで手伝ってくれるはずです。

9.交換留学生と直接会話するより、他の人との会話を聞かせる方が英語を学ぶ良い方法だと思い込む。

『今しがた空港でKenを拾った所だが、彼の英語はお世辞にも上手とはいえない...彼は英語を学ぶためにここに来たのだ、我々を観察させることが彼の英語力の上達を助ける事になるはず!

ここは彼と会話するよりも、妻や娘との会話を聞かせてあげた方が彼のためになるに決まってる。きっと狂ったように全てを吸収するに違いない! 何を話したらいいか分かんないし!

現実:
言葉がほとんど通じない相手と会話することは大変ですが、あなたが家族と通常のスピードで会話しているのを聞いている間、それは英語の勉強になることはなく、彼にとってはただぼんやりと空想する時間になってしまいます。

彼らの英語力を上達させる最も良い方法は会話することです。だから彼らに簡単で自由な質問をしてください。「君の故郷はどどんな所?」「君の家族について教えて。」「~~は日本でも同じ?」などです。

あなたの国についてどんなイメージを持っているか、何が違い何が同じかを尋ねることから始めるがいいでしょう、自然と他の様々な話題に行くことができます。

10.有名な観光地にしか連れて行かない。

“Multnomah Falls” by Szapucki is licensed under CC BY 2.0 『Toshiがこの町にいられる時間は1週間しかない、どこに連れて行ってあげるべきだろう? やはりここは全米最大級のショッピングモールのモール・オブ・アメリカか? マルトノマ滝の方が有名か? いや、いっそ可能な限り全てを見せてあげるべきじゃないのか?

よし、この周辺にある ありとあらゆるランドマークに行こう。短い滞在だが退屈な時間など1分たりとも感じさせたりしないからな!

現実:
確かに観光地のアトラクションは楽しいです、実際楽しいから人気があるのですから。ですが時に地元での何気ない光景が最も記憶に残ったりするものです。

普通のショッピングモール、あなたの街の好きな通り、公園なんかもいいかもしれません。それらはホームステイでしか体験できないものです。有名な観光地は年をとった後でも訪れることができますから。

まだ交換留学生を受け入れる事に興味がありますか?

いや、興味を持つべきです! この記事が交換留学生をホストしたいという気持ちを衰えさせていないことを願っています。それはとても楽しく多くのことを学べる経験なのですから。

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