トヨタ・スープラ ターボ仕様 (A80型) 1993年当時のレビュー

Retro Review: '93 Toyota Supra Turbo by MotorWeek
この動画は米国の公共放送(PBS)で放送されている長寿自動車番組「MotorWeek」が1993年にトヨタ80スープラターボをレビューした動画を、番組のYoutubeチャンネルにて2014/11/17に公開したものです。ですのでレビューは93年当時のものですが動画に対するコメントは2014年以降のものになっています。


トヨタ・スープラ
MotorWeek93をご覧の皆さんこんにちは。自動車技術がますます発展する中、各自動車メーカーは特定のモデルを生き残らせるために思い切った措置を講じてきている。この新型トヨタ・スープラはそのいい例だ。かつてはスポーツカーというよりGTカーだったこのスープラも、この4代目(日本国内においては2代目)では体重を減らし本物の筋肉をつけ生まれ変わることを余儀なくされた。そしてその仕上がりはかつての人気を取り戻すことを、いや、それ以上のものを期待させてくれる。

トヨタ・スープラのスタイリング

トヨタ・スープラ
生まれ変わったこのスープラが持つ流線形のボディラインは先代モデルの角ばったスタイルとは大違いだ。レクサス(※)で証明された優れたスポーツクーペシャシーを採用しており、ボディスタイルは屋根部分を手動で外せるエアロトップと今回用意したクーペの2つから選択できるようになっている。(※スポーツラグジュアリークーペのソアラ。レクサスブランドが日本国内で展開したのは2005年から。)

トヨタ・スープラ
新型スープラが持つ流れるような流線型のカーブはこの車を実際のサイズ以上の大きさに見せる、それは近くに寄ってもそう感じられるとても迫力あるエクステリアデザインだ。だが実際には横幅以外すべてが先代モデルよりも小さくなっている。車幅は約3インチ大きく、逆にホイールベースは2インチ短くなり100.4インチ(2,550 mm)になった。

スポーツカーとしては大きめなこの車のボディーは17インチタイヤを小さく見せるが、徹底的な軽量化が施されたこの新型は先代モデルよりも310ポンド(約140kg)も軽くなっている。


トヨタ・スープラトヨタ・スープラトヨタ・スープラ
今回用意したターボ仕様車はリアウィングが選択可能でそれは極めて重要な空力特性を発揮する。車のフロント部は巨大なエアインテークが特徴的だ。ただ我々としてはそれを保護するような何かしらの工夫を施したグリルにする事ができたのではないかと考えている、その程度ならそれほど重量は増加しないはずだ。

トヨタ・スープラのパワートレイン/走行性能

トヨタ・スープラ
新型スープラの車の体積は減ったが価格は増加した。スタート価格は33,900ドル(約402万円)で先代モデルよりも8,000ドル近く上昇した。(※1993年のドル円為替レートは始値125.417 終値111.635なので間を取って118.526で計算ました)

横幅が拡張されたボンネットの下のパワートレインはより正統なスポーツカーとして生まれ変わったこの新型スープラの核心部だ。

レクサスに搭載されていた3.0L 24バルブ 直6エンジンを強化したこの新型のエンジンはNA仕様が最高出力220馬力(225PS)と先代モデルのターボ仕様なみにパワフルになり、ターボ仕様は2つのシーケンシャル方式ターボチャージャーとインタークーラーが追加されたことで最高出力は320馬力(324PS。日本仕様は280PS。)で最大トルクは315 lb·ft (427 N·m)にもなっている。

そのパワーは新型の6速マニュアルトランスミッションと電気式トラクションコントロールシステムを通して後輪に伝えられる。


トヨタ・スープラトヨタ・スープラ
0-60mph(約0-100km/h)の加速時間は5.1秒と前回レビューしたコルベットLT1よりも速く、0-1/4マイル(402m)の加速時間は14.0秒で時速104マイル(167.4km/h)まで加速していた。動力伝達は途切れなく非常にスムーズだが4,000rpmで僅かにターボラグが感じられる。


トヨタ・スープラ
6速マニュアルのシフトのストロークは短めで気持ち良く切り替わり、4速以外は非常に精密だ。 コーナリング時には非常にしっかりとしたグリップ力を発揮しダブルウィッシュボーン方式サスペンションの効果を実感できる。アンダーステアとボディーロールは最小限に抑えられ、車両重量が3,500ポンド(1,510kg)と軽い事から想像以上の非常に軽快な反応をドライバーに伝える。


トヨタ・スープラ
スープラ ターボ仕様の(走行性能の)許容限界はコルベットほどではないが、レーストラック以外でそれを感じる事はないだろう。

だがABSの付いた巨大な大径ブレーキに関してはこの車以外を運転しているドライバーから羨望のまなざしで見られる事になるだろう。60mph(約100km/h)から停止までの制動距離は105フィート(32m)となっている。

トヨタ・スープラ
レーストラックや自動車テスト場の外の道路では硬めだが快適性を損なっていない乗り心地を体験できるはずだ。燃費性能はEPA(アメリカ合衆国環境保護庁)の発表によると街中で18mpg(7.65km/L)、高速道路で23mpg(9.78km/L)となっているが我々がテストしたところ平均で18mpg(7.65km/L)だった。

トヨタ・スープラのインテリア

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スープラのコックピットは驚くほどに質実剛健で先代モデルのラグジュアリーさを意識した内装と大違いだ。ドライバーを包むような形の単調なダッシュボードは確かに効率が良い。だが必要な機能が欠如しており、例えばインパネのゲージが少なくパフォーマンスカーでありながらオイルプレッシャーゲージすらないのは問題だ。


トヨタ・スープラ
だがその一方でトヨタ車としては初めて助手席側にもエアバッグが搭載された、これは手放しで褒められる。


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運転席は電動シートになっているが位置調整の可能な箇所は期待していたよりも少ない。この価格帯ならばシートヒーターが付いていても良かっただろう。だがオプションのレザーバケットシートは身体をしっかりとサポートしながら快適な座り心地を提供してくれる。


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フルオートエアコンが標準で装備されており、その使い勝手は我々が今までテストしてきた車の中で最も使いやすい。オプションの7スピーカーサウンドシステムはカセットとCD両方が使え、コントロールスイッチは綺麗に纏まっており鮮明な音を味わえる。


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他のスポーツクーペ同様にこの新型スープラの後部座席は名前だけのものであり、実際には席を倒してトランクを大きくするといった使い方しかできないだろう。トランク自体の大きさは小さいのでそう使うことが多いはずだ。


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トランクの床下に損傷しやすい発砲素材のものを使っているのは行き過ぎた軽量化への追求と言えるかもしれない。

トヨタ・スープラの評価

スタート価格は33,900ドル(約402万円)、オプションなどを選択すると最高で42,160ドル(約500万円)になる。

トヨタ・スープラの良い点
  • 新しい魅力的なスタイリング
  • 強力なエンジン
  • 精密なシフト
  • 優れたハンドリング
  • 卓越したブレーキ性能
  • 快適な乗り心地
  • 効率的なレイアウトのダッシュボード
トヨタ・スープラの悪い点
  • 大幅な価格上昇
  • インパネのゲージが少ない
  • 最小限しかないトランクのスペース
  • 重量軽量化のためにフロントグリルとトランクの一部が簡素化されている
先代のスープラを気に入っていた人はこの軽量化されよりシリアスな車に生まれ変わった新型をどう判断してよいか戸惑うかもしれない。 トヨタはグランドツーリングカー寄りの柔らかいスポーツクーペ路線から脱却しようと試みたが間違いなくその挑戦は成功したといえる。この新型トヨタ・スープラはどのような人物においてもピュア・スポーツカーと定義されるだろう。変革の時を迎えたこの車は間違いなく良い方向へ向かったと言える。

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海外の反応

Youtubeのコメント欄より: ソース

Acc0rd79 発売から20数年経ってもなお、これ以上ないくらいにセクシーだ。今でもこの車が道を走ればたくさんの人が振り向く。トヨタやホンダはこの車を発売した90年代が黄金期でそれはもうたくさんの楽しいスポーツカーを世に送り出してくれた。だがそんな時代は残念ながら過去のものとなってしまった。

日本のメーカーがかつてのような楽しい車を再び作ってくれることを願って止まないが、それも投資家の顔をうかがい利益を追求することを至上としている現在の状況からは難しいだろう。バイヤーをブランドに引きつける会社のアイコンはなくなった。若者がかつての我々のように、いつかスープラのようなトヨタ車を所有することを夢見る、そんなことができなくなってしまったのが悲しいね。

flappy188 んなことない。私の2007年製アキュラ・TL Type Sはこんな古い車よりもあらゆる面で優れている。

Acc0rd79 ↑そいつじゃ0-60mphを5.1秒で加速する事できないだろ。20年以上前の車の方が速いんだよ。

Rukus Cage これこそ"車"って感じだよな。今のトヨタは好きになれん。

Luis X まぁそれでも人々のブランドに対する忠誠心と認識がトヨタを支えているよ。コンパクトカーと聞いて大抵の人が真っ先に思い浮かべるのはカローラだ。

John Locke それと信頼性と価格に対する価値においてトヨタの右に出る会社はないからな。

Scott Witkowski スープラは時代の先を行っていたよね。

Molineux88 個性に溢れ、信頼性があり、優れたパフォーマンスと目を奪われるようなスタイルを持っていた名車だ。最近のポンコツ車と違って。

CoinHuntingDrew 90年代に発売されていた当時よりも現在購入する方が高価である数少ない車の1つだ。

andrenegwer それに当時の40,000ドルって今よりももっと価値があったでしょ。

Tuppoo94 93年当時の40,000ドルは現在の価値に換算すると66,000ドルである。

selerim 当時から現在のインフレ具合を考えるとそんな感じだろうな。

Tuppoo94 今でも投資の対象として優れた商品でもある。

alexander1485 ただし無改造に限る。

malmstring スープラのデザインは当時の車としては信じられないくらいに美しい。今見てもその魅力は損なわれていないと感じられる。

Viren vs 0-60を5,1秒って当時としては物凄く速かったんじゃない?

Meng Supraman Car and Driver(米国の自動車雑誌)が93年にテストした時は0-60で4.6秒、1/4マイルで13.1秒をたたき出してたんだぞ。

Tim Beck 94年の三菱3000GT VR-4(三菱・GTO)も0-60で4.9秒とかだったよ。

unknown 90年代のシボレー・コルベットZR1は4.1秒だった。

Viren vs 新型のスープラが開発中だけど... まぁ人々の期待に応えるのは大変そうだな。

Prince David 素晴らしい車だ。でもこんなに高額だったんだね。

Jack Allen そうだね。A70型を所有していたけど87年当時で33,000ドルもしていたよ。あの頃は確か同じお金でポルシェが買えたはず。

Nick Briard この車が発売された当時の事を覚えてる。320馬力もあると聞いて皆ぶったまげてた。93年当時は物凄いパワーだったんだ。今見ても素晴らしい、本物の名車だよ。

Steffen Flindt デザインも当時は皆ぶったまげてた。

icantw8 実際このA80型は2002年まで製造されていたくらいだしね。それだけ時代遅れに感じない魅力が詰まっていた。

James Foster そりゃ日本の話だ。アメリカじゃスープラは98年に新車市場から消えてしまったよ。

HF Daydreamer スープラターボはまさにJDMの頂点に立つ存在だ。その価値は今でも落ちず30,000ドルはする、NA仕様でさえ高価なままだ。最近はワイルド・スピードシリーズのおかげでJDMに注目が集まっているけど私はそれより前から、子供の頃からこの車に憧れていた。私にとってはフェラーリやランボルギーニよりも所有したいと思える車だ。

Leeroy Jones スープラのコックピットいいよね。戦闘機みたいにドライバーを囲むあの感じが。

04dram04 なんかアレを嫌いだとか言うコメントが散見されてちょっと凹む。なんでや。

Prisoner Alex エクステリアは90年代の車の中で1番だけどインテリアは嫌い。

Hot80s やっぱ改造される前の素の状態が一番美しいわ。

DJVADO17 まさか24年経った今でも人気があるとは誰も思ってなかっただろうな...

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