kotaku.comより

日本の悪名高いハロウィン電車

Japan's Infamous Halloween Trains by Brian Ashcraft - 2017/10/23

かつて「ハロウィン電車」はハロウィンの衣装を着た外国人が電車の車両を乗っ取りそこを宴会とお祭り騒ぎのための即席の会場とするものであり、それは抗議活動にまで発展するほど迷惑行為だった。だが今それを取り巻く環境は全く違っていた、かつて日本ではハロウィンは外国人が騒ぐ迷惑なイベントだったのにいつの間に日本人に受け入れられるようになったのだろう?

先月、私は大阪の御堂筋線に乗っていたのだがとある広告が目に留まった。かつての光景を知っていた私はそこに書かれた文字を見て驚いた。何度見ても驚かせられる。そこには「地下鉄でハロウィン」と書かれていた。


photo: kotaku.com
大阪地下鉄のウェブサイトによると昨年も同様のイベントが開催され、今年も電車内でコスプレを楽しむ子供用と大人用の2つのハロウィン用の特別な電車を10月28日に走らせるという。

その極めて計画的に行われるイベントはかつてのフラッシュモブ的なハロウィン電車のようなものとは全く異なっていた、大阪と東京の列車内で外国人が周りの迷惑も顧みず衣装を着て酒を飲んで馬鹿騒ぎをしたものとは。



ハロウィン電車は1990年代半ばには既にたけなわだった。

彼らは衣装を着て集まっただけでなく酒を飲み、この1994年の東京・山手線内でのビデオで明らかなように山手線の駅が近づくとその駅名を大声で叫ぶなどの馬鹿騒ぎを起こしていた。



ハロウィンはそれを祝う習慣のない人を含め多くの在日外国人たちの集まり、酒に酔い、大騒ぎをする口実となっていた。 そのハロウィンに電車内で集まるというイベントは早い段階から迷惑行為と認識されていた。今でこそハロウィンは多くの日本人が参加するイベントとなったがそれはつい最近の話なのだ。

小売などもまだこのイベントを大々的に利用する事もなかった、多くの日本人にとって馴染みのなかった時期に、人々が長い一日の仕事の後で電車に乗ると酔っ払った若い外国人達が狭い車内で大騒ぎしているのを見たらどう思うのか想像してみて欲しい。異なる文化のイベントを勝手に持ち出し騒ぐ彼らに対し寛容を持って接する事ができるだろうか? 馬鹿騒ぎの後に残されたゴミを清掃する駅員たちの気持ちを考えてみて欲しい。

年を追うごとに外国人たちによるハロウィン電車はますます乱暴になっていき世間の目も厳しくなり始めた。2000年代に入った時、英語教師をしていた友人たちから彼らの勤める英会話学校がそこで雇っている外国人がハロウィン電車に乗っていることが判明すれば解雇すると通達してきたと、言っていたことを覚えている。


photo: pppllluuummm
2009年には人々の怒りは最高潮に達し、東京の新宿駅に「愚かな外人は日本から出て行け!」や「我々はハロウィンを必要としない!」と書かれたプラカードを持った抗議者たちが集まるといった事態にまで発展した。

これは警察がハロウィンを口実に騒ぐ外国人のために英語の警告標識を持って東京の山手線の駅プラットフォームをパトロールしなければならなくなった後での出来事だった。

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そして取締りの結果ハロウィン電車が過去の物になり始めたのだが、2012年ごろになると日本人の間でもハロウィンが浸透し始めパレードやイベントが全国各地で開催されるようになった。

所謂「トリック・オア・トリート」というアメリカで伝統的に行われているものは無くなったが(ただアメリカでもいつの間にかそう変わってきたように思える)人々はイベントに参加するようになり、東京では渋谷に人が溢れるようになった。

そしてハロウィン電車までもが帰ってきた。だがそれは過去の外国人主導の乱痴気騒ぎとは違い、専用ウェブページやルール、申し込み手続きなどが用意された高度に組織化され管理されたイベントとなっていた。

photo: ハロウィン電車|のせでんブログ|能勢電鉄
かつての悪名高いハロウィン電車を知っている私からするとなんとも奇妙な感じだが、そのような管理こそが街頭で起こっている抑えのきかない混乱を整理し、ハロウィン[万聖節の前夜]というイベントをこの国で当たり前のイベントに変える方法なのかもしれない。

海外の反応

kotaku.comのコメント欄より: ソース


macona 私の知る限り「トリック・オア・トリート」はまだアメリカで一般的に行われていると思うけど...

CrispyLardon 時代遅れと感じる人も少なくないけどね。ただ幸い私の近所ではまだ子供たちが家を戸別に訪問する習慣はあるし、何百もの家がハロウィンの飾りつけをしている。とても素晴らしい光景だ。

Befitzero 日本でハロウィンが中々定着しなかったのもうなずける、こんな風に仕事帰りのラッシュアワーで酒に酔った馬鹿が大騒ぎしていたらハロウィンというものに否定的な感情を持っても仕方がない。私の住むシカゴも家に帰る頃には電車がごった返しているけどそこに酔っ払いの大群が入ってきたら私も怒る。

KingHippo 私が時代遅れの保守的なオッサンだからかもしれないけどあのビデオの光景には怒りが湧く。周囲の迷惑を省みず騒がしい連中が馬鹿みたいに大声を上げることほど嫌悪感を抱く事は無い。

しかも文化の異なる、そのような行動に慣れていない地域でこのようなことをしていることに憤慨を禁じ得ない。

Straw Hat ただ日本人もそんな周囲を気にしない馬鹿騒ぎはするけどね。いつだったか阪神タイガースがいい成績だった時、心斎橋周辺は乱痴気騒ぎになっていた。

Robert Squirrel こんなことをしちゃいけないとは思うし電車内にいた人たちに同情するけど、文化の異なる場所だからこそお祭り騒ぎをしたのではとも思う。

日本に住む外国人たちはそのより秩序ある、礼儀正しい、抑制的な文化に適応しているわけだが、だからこそ彼らが一晩だけでも羽目を外したいと考えても不思議じゃない。

世界中のお祭りは歴史を通して社会の安全弁として機能し、人々の間に溜まった鬱憤をガス抜きするための空間と限られた時間を与えてきた側面もあるし。

Robert Squirrel 確かに世界のほぼすべての文化にそういった社会的に認められた「ガス抜き」があると思うけど全ての人がそれに参加できるわけじゃない。地元に溶け込むことができていない外国人なら尚更かな。

ClaireDee でもどう考えてもこのビデオのはやり過ぎ、ってか日本じゃなくても世界中のどこでも迷惑行為だ。

ArtistAtLarge 日本の鉄道会社がこういった取り組みをするのはとてもいいアイデアだと思う。特に子供と大人を分けたのは彼らにとっても親にとっても安心だろう。

Redcavalier 札幌でもこういった電車イベントをやってくれればいいのに... ここじゃ全然盛り上がってないんでハロウィンのイベントをチェックしようとすら思わないよ。

j-rose 日本の警察が英会話学校に警告するまで10年以上もかかったのか... 2006年のハロウィン直前に私の勤める学校に警告文が送られてきた。間違いなく他の学校も同時期に受け取ったはず。

そこにはハロウィンに電車内でどのようなことが行われたかが書かれていたんだけど私はまったく身に覚えはないし、そんなことが行われていた事すら知らなかった。

mind if I Slytherin? 他所の国で文化が受け入れられ変わっていく様は見ていて面白い。ただ正直日本がハロウィンよりも先にクリスマスを受け入れたのは奇妙だと思う。キリスト教徒でもないのにキリストの降誕を祝う日を先に受け入れ、言ってみれば「堂々とコスプレができる日」であるハロウィンが後回しになったのは。不思議。

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“Cosplay in Japan” by Japanexperterna.se is licensed under CC BY 2.0