ニュージーランドの日刊新聞『ニュージーランド・ヘラルド』より

ワールドラグビーが日本で開催されるラグビーワールドカップ2019に参加するチームに現地滞在中はタトゥーを隠すようにと忠告、日本人の感情を害することを避けるため

World Rugby advise teams to cover up tattoos at Rugby World Cup in Japan to avoid causing offence - 20 Sep, 2018


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ラグビーの国際統括団体でラグビーワールドカップを主催するワールドラグビーは2019年大会に参加する20か国のチームとそのイベントに出席するサポーターに日本人の感情を害する可能性があるため公共の場ではあらゆるタトゥーを隠す必要があると忠告した。同国では肉体に施された入れ墨はヤクザと呼ばれる日本のマフィアと関連付けられているためだという。



「我々は選手らが利用する施設の周辺の(日本人の)方々に、ラグビーワールドカップの関係者やサポーターに入れ墨をした人々がいても彼らは日本のマフィアであるヤクザとは全く関係がないということを周知していくつもりです。」

ラグビーワールドカップの統括責任者であるアラン・ギルピン氏はそう語った。

「それは問題を誘発する要因です。私たちはここ一年ほど各国のチームにそのことを理解してもらうよう努めてきました。当初はそれにより選手らから不満やいら立ちといった反応が返ってくることを覚悟していましたがそのようなことは全くありませんでした。このラグビーというスポーツ、そしてラグビー選手らの精神のたまものと言えると思います。」
「彼等はまた日本の文化を尊重しプールやジムなどではラッシュガードを着用するという考えにも賛同してくれました。そのため公共のプールなどではタトゥーのある者はそれらを使い隠すことになります。また日本では屋内と屋外では別々の運動靴を履かなければならないということも伝えてあります。」
ラッシュガード :ポリウレタンやポリエステルなどの生地で作られる水着の上に着る薄手のウェア、サーファーが擦り傷などのケガから身を守るために着るのが一般的だが紫外線対策としても着られる。




Embed from Getty Images (NZ代表オールブラックスのアーロン・スミス)

「これらはすべて強制ではありません、選手たちやそのチームの判断に任せています。ですが彼らはそれらに積極的です、自分たちは日本という国に敬意を払っている、そう思ってもらいたいからです。」

「スコットランドのチームもアイルランドのチームも、ウェールズ、イタリア、それがどこの国であっても最近日本を訪れたチームはそれを理解し本当に実行してくれています。」

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海外の反応

reddit.comのコメント欄より: ソース


Daveegee100 イギリスで開催された前回のラグビーワールドカップ2015でも選手らは忠告されたのだろうか、"毎朝目を覚ましたらこの国の天気の酷さを嘆き文句を言いましょう" とか。なんか色んなところからそんな不満が聞こえたんだけど。

dwyfor16 ぶっちゃけ現地人も同じことを日々口にしている。なので各国の選手らがイギリス文化に敬意を表してくれた結果なのです。

ThaFuck ニュージーランドのオークランドで開催されたラグビーワールドカップ2011でもほとんど全ての関係者がこの都市の公共交通機関をこきおろしてくれたっけか。皆が揃って敬意を表す様に涙がちょちょぎれたぜ。

MorePunsRequired 私の知る限り日本では基本的にタトゥーはヤクザがするもの、我々の国のようにどこにでもいる一般人が気軽にするものではない。

日本でタトゥーをするということはたぶんヘルズ・エンジェルス(アメリカ合衆国で誕生した国際的バイカーギャング)のジャケットやギャングパッチ(ニュージーランドでストリートギャング一員であることを表す記章)を着用することに近いんだろう。世界のほとんどの場所では問題はないが彼らが活発に活動する地域では誤解を招く可能性があるのと同じように。

まぁ仮に選手や関係者がワールドラグビーの忠告を無視したとしても日本人の礼儀正しさは窮まるところを知らないから反発を受けることはほとんどないだろうけど。ただタトゥーは単にファッションではなく特定の国の文化に深く根差したものだったりもするから難しい所だ。

何にせよこのニュースは皆が思うより狂った話ってわけじゃない。またポリコレが暴走してる~的な話ではないよ。

Grendel491 日本の文化の状況について初めてまともに(そして唯一正しく)反応してくれてありがとう。

日本人は他国の事情に関してまったくの無知ではないし他の文化が存在することを当然理解している。日本で外国人がタトゥーをしていることを問題視する若者に出会ったことは全くない。年配の人の中には今もタトゥー=ヤクザと自動的に考える人がいるがそういった人は少ないしそもそも近寄ろうとしてこないから問題も起きない。

日本人は(平均的に)とてもフレンドリーでほとんどの人は海外から来た人間を歓迎してくれる。

3年間日本に住み、タトゥーをしながらラグビーをしていた男としての意見だ。

AucklandBlues まともな日本人ならラグビー選手や観光客がタトゥーをしていてもそれをヤクザとは結び付けないと思うんだが。

ChicagoPrim 日本人がタトゥー=ヤクザって認識を持っていたとしても彼等をヤクザの一員とは誰も思わないだろ。馬鹿げた話だ。

exsnakecharmer 不要な対策だと思うがねぇ。

Dahnhilla "我々は選手らが利用する施設の周辺の(日本人の)方々に、ラグビーワールドカップの関係者やサポーターに入れ墨をした人々がいても彼らは日本のマフィアであるヤクザとは全く関係がないということを周知していくつもりです。"
私がもし日本人だったとしたらこんなことを言われた方が感情を害する、ちょっと日本人を馬鹿にし過ぎじゃね?

BigDickBandit89 別にそこまでしなくても。

FKJVMMP 馬鹿な話だ。日本人だって他の国では違った価値基準があることを理解しているだろ。

guyanese_gangster その国の文化に配慮するのは当然のことだが、我々の国の文化に対する配慮も求めるべきではなかろうか。

deadlysyntax 誰かこのワールドラグビーの行動が馬鹿げたものではない理由を説明してくれ。

LordHussyPants 誰かの家を訪れるときにはその家のルールを守るものだ、自分がゲストとしてそこにいることを受け入れるものだ。同じ原則が他の国を訪れる際にも適用される、例えその文化的な側面が自分にとって奇妙に思えても地元の人々には道理にかなっていたりする。

今回のケースだが、日本では入れ墨は伝統的にヤクザと結びつけられており他の国の様にカジュアルなイメージはない。日本の人口は1億2,700万人だがラグビー人口は12.7万人ほどと言われておりラグビーやその文化に対する理解は高いとは言えないのが実情だ。日本でのラグビーに対する認知度、人気を高めたいと考える統括団体としては日本人と間に起こり得る問題を最小限に抑えたいと思っているのだろう。

deadlysyntax 郷に入っては郷に従えという考えには同意するが君の提示した例をタトゥーを隠さなければならない件と同等に考えるべきではない。

ラグビーニュージーランド代表のアーロン・スミスなどが腕にしている『モコ』と呼ばれる入れ墨はマオリである彼にとってとても神聖な意味を持っている。それは文字を持たない文化だったマオリが自分たちの歴史や血のつながりを形として残す手段として用いられてきたものだ。

それが明らかに自分たちに危害を与えるものではないと知っていながら、自分たちの文化では反社会的なものと結びつけられるから悪いものだと決めつけるのは、他の国を訪れるときにその国の文化に配慮をしないことと同じくらい失礼な行為ではなかろうか。

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