ドイツ連邦共和国の公的国際放送事業体『ドイチェ・ヴェレ（DW）』より

ドイツ、イスラム教徒を対象にした『モスク税』の導入を検討

Germany mulls introducing 'mosque tax' for Muslims - 26.12.2018

水曜、ドイツの大連立政権に属する議員らは "国内のキリスト教徒が支払う『教会税』" と同タイプの "国内のイスラム教徒が支払う『モスク税』" の導入を検討していると発表した。

メルケル首相率いるドイツ連邦議会第1党のキリスト教民主・社会同盟のThorsten Frei議員はドイツの日刊新聞ディ・ヴェルトの取材に対し、 モスク税は「ドイツのイスラム教徒が外国から解放されることを可能にする」重要なステップであると語った。

ドイツでは教会に活動資金を提供することを目的とした教会税というものがあり、これはカトリック教徒とプロテスタントらから徴収される。国家によって集められた教会税はドイツ福音主義教会など国内の教会を統括する連合組織に渡される仕組みだ。
教会税とは：
教会税とは端的に言えば教会の運営資金を賄うためにキリスト教徒に課せられる税金、つまり『国家による宗教献金の強制徴収』制度のこと。

公に認められた法人たるキリスト教の教会が国家の承認により教会の経費を賄うために教会員に対して一律に課する税金であり、ドイツの他にもアイスランドやオーストリア、スイスやスウェーデンなどの諸国がこうした制度を保持している。

ドイツでは税金申告書や住民登録書に必ず「宗教・宗派」を記入する欄があり、カトリックやプロテスタント、ユダヤ教徒であると登録したドイツ市民は所得税の 8 〜 9 %に相当する金額が教会税として源泉徴収される。

ドイツ国内の教会に入る教会税は2010年時点で約92億ユーロ（約1兆1,617億）に達し教会の収入の約70％がこの教会税から来ている。 （ソース）

近年は教会税を避けるために教会を離脱したと申告する者が相次いでいることから2012年9月20日にはローマ教皇庁の承認の下、ドイツ・カトリック司教協議会は教会税を納入しない信徒は秘跡を受けられず、教会の諸活動に参加出来ない、という指令・司牧書簡を発表した。（ソース）

なおドイツ国内の正式に登録されたキリスト教徒の数は宗教離れや非キリスト教国からの移民の増加などから、2006年の5,580万人から2016年の4,550万人に減少している。（ソース）




ドイツ国内の教会はこの教会税により運営資金を賄っているが同様の税金がないドイツ国内のモスクは寄付に頼っている、そのため外国の組織や政府から資金を調達することへの懸念が高まっている、それらの組織が原理主義的イデオロギーを持つ集団である可能性もあるからだ。

 例えばトルコ宗務庁の在外機関とみなされているドイツに本拠を置くトルコ・イスラム連合（DITIB）の影響に対する懸念が近年高まっている。
関連記事：ウォールストリートジャーナルより
『ドイツ、トルコ政治対立の国内波及を懸念 - WSJ』

ドイツのいくつかの州はここ数週間、トルコ政府から十分に独立していないとの懸念から、 学校での宗教教育をめぐるDitibとの協力関係を凍結している。
メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟と連立を組む社会民主党(SPD)のブルクハルト・リシュカ議員らも『モスク税』がドイツのイスラム教の独立性を促進する助けになる可能性がある、「議論に値する」トピックであるとこれに同意した。

ドイツ初の “リベラルな” モスク(※)の創設者でトルコ系移民/著名な女性の権利活動家であるセイラン・アテシュはディ・ヴェルトの取材に対し「将来的にはそのコミュニティが必要とするものは全てそこに属する者たちによって賄われるべき」と述べこのモスク税の考えを支持した。
イブン・ルシュド・ゲーテ・モスク： イスラム教スンニ派もシーア派も、男性も女性も、さらには同性愛者も共に礼拝することを許しブルカを着ることを禁じる2017年にドイツの首都ベルリンに開設されたモスク




ただし教会税は強制的にキリスト教徒から献金を徴収するものであるとの批判や、教会に代わり政府が徴収するなど政治と宗教、あるいは政府と教会が強く結びつくことを問題視する声も聞こえている。

なおドイツ当局はドイツ国内のイスラム教徒の数を440万人から470万人と見積もっている。

スポンサードリンク

海外の反応

reddit.comのコメント欄より: ソース


Globula 総員警戒せよ、記事を読まずにタイトルだけ見てコメントするアメリカ人の大群が来るぞ！

whitecrow69 良い考えだ。すべての宗教にこれを適用してどんな非課税特権も取り除くべき。

dsdsds 違う、モスクに通う信者に課税するんだ。

Project_R808 どの宗教であれきっちり税金は取るべき。

randName これは宗教団体に課税するって話ではなく、信者に課税してそれを教会に与えることを検討しているのよ。

green_flash ドイツの『教会税』というものに馴染みのない人が多いだろうから改めて説明すると、これはキリスト教徒であると登録したドイツ市民から国家が徴収する税金であって最終的に教会の運営資金として使うためにドイツ国内の教会を統括する社団に与えられる。

その人が宗教団体のメンバーであるかないかは連邦税務署のデータベースに保存される。そして雇用主は源泉徴収、年間の所得にかかる税金を給与からあらかじめ差し引くためにそのデータの抜粋を受け取ることができる仕組みになっている。

キリスト教徒であると登録した人だけが対象であってそうでない人には課せられない税金だ。

bGFkZjtsa2phZGtsO2Zq つまり自分がどの宗教に所属しているかを政府は公式に記録しており、雇用する側の人間はその情報にアクセスできる？

fjhvalent YES。ただ雇用主が得られる情報は限られているはず。

Rexan02 な～に、心配する必要なんてないさ。そういった "特定の宗教に属する人間を識別できる情報" を過去にドイツが極悪非道な目的のために悪用したことなんてあったか、って話ですよ。

2xFury このシステムはナチスドイツが台頭したときには存在しなかった。君は本当にこの情報が現代ドイツの少数派の差別のために乱用される可能性があると思うのか？

Nouse4livE いわゆる現代的なデータベースは存在しなかったが『教会税』そのものは当時からあった。他にも DWのこの記事に書かれているが 1933年にナチスが可決した公務員法は役人から特定のグループを締め出すためにアーリア人証明書の提出を義務付けておりその際に教会の持つデータが使われた。

市民登録登記簿の制度は1874-75年に初めて導入されたためそれ以前のデータ、生年月日、バプテスマ(洗礼)の日付、両親や祖父母に関する詳細な個人データを記録していたのは教会だけだった。そして祖父母のうちの3人がユダヤ人であったらアーリア人証明書は発行されず、それを持たない役人は退職させられた。後に同様の制度が医師、弁護士、作家、ジャーナリストなどにも適用された。

当時 "特定の宗教に属する人間を識別できる情報" がホロコーストに使われたのは間違いない。もちろん現代のドイツがこのデータを収集することが他の国がそうするより危険だなんてことはないけどね。

monitorsaw オランダも同様、ユダヤ人を見つけるために教会の持つ情報が使われた。

TakeTimeAway ドイツで働いたときに税務書類の一部でどの宗教に属しているかを書かされたわ。 ただ私が出会った同年代の人間のほとんどはその教会税を避けるために "Church Affiliation (属している教会)" で所属を放棄に記入、無神論者ってことにしてた。

TakeTimeAway まぁ誰もが敬虔な信者って時代でもないし、教会に通わない人間が教会を支えるってのも変な話だし、フェアっちゃフェアなんじゃなかろうか。

bustedbulla その教会税を払わないと何か問題があったりするのかね？

theeconomis7 教会税を払わないと結婚式や洗礼のような教会でのイベントを開くことができなくなる。もちろん法律上の結婚はできる。あと参加者にこっそり混じることも。

Zaldizald 教会税を払っているキリスト教徒と教会税を払っていない自称無神論者が結婚した場合は教会で式を挙げられるのだろうか？

zbrew 無神論者は教会で主催者になることはできない、なので結婚式はビデオ会議方式で参加だな。

unidan_was_right カトリックでは初夜の完了によって結婚が完了すると見なされていたはず、なので床入りもスカイプを通してやってもらいます。

sqgl ワッハーブ派のサウジアラビアは欧米のモスクに寄付しまくっているしな、国内のモスクがサウジの金に染まっているなんて気持ちよくはないわな。

balgruffivancrone サウジは欧米のモスクだけでなく東南アジア、特にマレーシアとインドネシアでもかなりおせっかいを焼いている。

SirTaherShah パキスタンもそうやで。

GoatBass バングラデシュも。

outofthehood スリランカだとど田舎の中のど田舎みたいな場所に真新しい巨大なモスクが建ってたりするが．．．
どう考えても現地の人間の手によるものじゃない。

thebadscientist 世界中でイスラム教がより保守的になっている、その最大の理由がサウジの存在であることは間違いない。

green_flash ドイツにあるスンニ派のモスクのほとんどはトルコ宗務庁の在外機関とみなされているトルコ・イスラム連合によって資金供給されている。ドイツ国内のモスク建設/支援に関してはサウジはメインプレーヤーではないな。

ZealousVisionary ドイツのイスラム教徒の大半はトルコ系の人たちだからだろう。

planet_rose 海外の勢力から干渉され続けるモスクがヨーロッパに移住した人間の過激主義を助長しているってのはあるかもな。このモスク税導入は英断かもしれん。

dffflllq 学校もだよ。 ３～18歳の子供にイスラム教をベースにした教育を行うイギリスのロンドンにある King Fahad Academyでは 2007年に校長が逮捕されるという事件 があった、「クリスチャンとユダヤ教徒は猿であり豚である」と書かれたサウジアラビアの公式の教科書を使用した問題でな。

e1k3 モスク税に賛成だし実際に成立してほしい。ドイツのモスクはトルコやサウジアラビアから資金提供されることがほとんどだ、そしてそれらの国の思想を埋め込むツールとして利用されている。この種の海外からの干渉/影響は移民の統合と同化にとって有害だ、むしろ違法にしなければならない。

juicemang762 というか教会税なんてものがすでにあるなら同じものがモスクに適用されて当然では？
なんでこんなに時間がかかった？

Wolfdale19 お役所仕事ってやつさ、どの国の官僚も面倒事を嫌うもんだ。

angeliswastaken 教会なんてその教会の信者が支えるもんだろ．．．

durgasur 自分の払った税金が1000年の歴史を持つ教会を支えるために使われるとかなら全然問題ないけどな。うちの国に限ったことじゃないがどの教会も信徒の数が減って困ってるし。

jakerob555 せめて金額は自分で決めれるようにすべき。しかしなんだな、アメリカじゃ教会は非課税で国からの支援なんてそれで充分だと思ってたがヨーロッパは違うんだな。

iNet6079SmithW 1万人を超える信徒が集まるアーティストのライブみたいな メガ・チャーチ の映像を見るたびにこれが非課税でいいのかって思うけどな。


Lakewood worship.jpg By イタリア語版ウィキペディアのToBeDanielさん - it.wikipedia からコモンズに移動されました。, CC 表示 3.0, Link



DiniMere ここスイスでも大勢の人間が教会を去っている、その最大の理由がこの教会税だよ。こんなものが社会の世俗化を加速させるなんて誰が想像しただろう。 歴史上初めて非プロテスタントがプロテスタントの数を超えたよ。

ponzored つまりモスク税でイスラム教徒の数も減らせるということだ。

colubroid 税金対策に命は張れる猛者がどれだけいるかだな。
(※イスラム法上では棄教者は原則として死刑)

スポンサードリンク