東アジア問題の研究/分析グループ『東アジア研究所(East Asia Research Center)』より

我々は韓国政府にGSOMIAを終わらせる決断を直ちに撤回しこの協定を延長するよう強く要請する、韓国退役軍人団体KORGADが声明

We Urge the Government to Withdraw its Decision to Terminate GSOMIA and Extend the Pact Immediately, Statement of the KORGAD - Nov 17, 2019



KORGAD:
Korean Retired Generals & Admirals Defending the Nation(大韓民国守護予備役将校団体)は2019年1月に結成された韓国退役将軍/大将ら400人から形成される退役軍人団体/予備役将校団体




- 2019-11-13, KORGAD 声明文 -

ムン・ジェイン政権は日本が安全保障上の懸念から韓国向け輸出の管理を強化した事を理由に日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を終了すべきだと主張、その姿勢を今日まで維持し続けている。

しかしGSOMIAが破棄されれば平壌の核兵器とミサイルから身を守ることが難しくなり、さらに韓国はワシントンの安全保障戦略から除外される可能性がある。

したがって我々KORGADは、反日感情に基づく政策で自らに災いを招いているムン政権に対し、直ちにGSOMIAを破棄する決定を撤回し大韓民国 - アメリカ合衆国間の同盟関係を強化するよう要請する。

1. 日本とのGSOMIAを11月22日までに延長し、2018年9月19日の北朝鮮との南北軍事協定を打ち切るべし

韓国 - 日本間の軍事情報保護協定であるGSOMIAが2019年11月23日に終了してしまえば、韓国は北朝鮮に関する必要な情報を日本から入手できなくなる。

9月19日の南北軍事協定(※)が既に韓国軍の監視および偵察能力を危うくしているため、韓国が日本との情報交換を停止してしまうと、北朝鮮の軍事力を評価する韓国の能力は著しく損なわれてしまう。

補足:
2018年9月19日に韓国のムン・ジェイン大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長は事実上の南北終戦宣言である平壌共同宣言に署名。

同宣言は全5項目からなりその一つが南北間のあらゆる問題を平和的な手段で解決するとした「板門店宣言の履行に向けた軍事分野合意書」であり、陸海空のあらゆる空間で軍事的緊張と衝突の原因となる相手への敵対行為を全面中止することに両国は合意した。




破棄すべきはGSOMIAではなくこの9月19日の南北軍事協定(軍事分野合意)だ。

GSOMIAは韓国と日本の間の安全保障協力の架け橋であり、米国との3者間協力の基礎である。

GSOMIAは軍事情報共有の軸であると同時に防衛策であり、韓日両国が北朝鮮、中国、ロシアの核兵器とミサイルに関する重要な情報の共有を可能にするだけでなく、中国とロシアによる空域への侵入に対する警告として機能し、そのような試みの阻止に寄与するものである。

GSOMIAは追加費用なしに大規模な軍事的利益を生み出すものであり、統一後も引き続き朝鮮半島の安全に貢献することから必ず維持されなければならない。

2. 市民の生活と富を守るためにGSOMIAを即座に延長せよ

GSOMIAの安全保障上の価値はすべての韓国国民が知るところである。

GSOMIAの破棄を決断した者は、敵国のために働くスパイか、韓国国民の安全を危険にさらすことで敵に利益をもたらそうとしている悪意ある存在に他ならない。

無知と独善によって盲目となり、国益と安全を破壊する現政権はその過ちを悔い改め、平壌ではなく市民に国家安全保障政策を向け直すべきである。

韓国国防相のチョン・ギョンドゥは市民の生活と富を守るためにGSOMIAの延長を提案すべきであり、協定を延長できなかった場合は辞任しなければならない。



3. GSOMIAの破棄は韓国の軍事的利益を脅かし、敵の軍隊に利益をもたらすだけである

GSOMIAの破棄を最も熱望している国は北朝鮮である。

ムン政権が米国政府を含む同盟国や韓国国民の説得を無視し協定を破棄する計画を進めた場合、その決定は敵に利益をもたらすことになり、最終的には利敵行為として刑法による罪に問われることになるであろう。

さらにGSOMIAの廃止が米韓同盟の弱体化に繋がった場合、米軍との防衛費分担金交渉で韓国側の負担を増やす要因となった場合は、国庫損失に対する刑事責任もそこに追加されることになる。

韓国国民はムン政権によるGSOMIAの破棄を容認しない。

協定が破棄されることがあれば、我々KORGADはムン政権を利敵罪で告発し、弾劾を求めるキャンペーンを直ちに実施する。

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海外の反応

以下twitter.comよりGSOMIAに関するツイート: ソース


アメリカ国防総省が運営する米国の新聞『星条旗新聞』
GSOMIAを北朝鮮と中国からの脅威に対処するための三国間協力に不可欠であると考えている米国政権は11月23日の協定期限切れを前に韓国政府に考えを変えるよう迫っている。



米シンクタンク戦略国際問題研究所と提携関係にあるアジア太平洋地域に特化したオンライン国際ニュース誌The Diplomat編集主任 - Ankit Panda
あと1週間に迫った(ほぼ確実な)協定の期限切れに先立ち、今週東京では日韓GSOMIAに関する多くの議論が行われた。

多くの不満はあるものの、少なくとも韓国の情報/防衛政策の実務者はこの協定には価値があるとの認識があるようだ。

もっとも、日韓関係については他に新たに語ることはない。

交渉のための時間を確保するためにGSOMIAを暫定的に1年延長する代わりに日本の輸出管理も1年延長するといったアイデアに対する反応もいまいちだ。日本政府は韓国との間に訪れるであろう長い冬の時代に向けて準備を整えている。



ソウル大学・平和統一研究所の研究員 - Ben Engel
GSOMIAに「進展なし」

期限切れまであと5日。韓国が実際にGSOMIAを破棄した場合、米国は防衛費負担交渉でより厳しい負担要求を主張するのか? 韓国は米国の圧力に直面しても従来の姿勢を貫くことができるのか? 北朝鮮の非核化協議と共に期限が近づいている。

中央日報英語版 - 国防長官は進展を生めず
韓国と日本の国防相は日曜、今年8月のGSOMIA破棄発表以来となる一対一の二国間会議をタイで開き期限切れが迫った情報共有協定について議論を行った。



元大韓民国空軍士官で米国の弁護士 - Christopher Jumin Lee
東亜日報によるとGSOMIAが23日に終了することを韓国人の55.4%が支持しているとのこと。ムン政権は世論調査の結果に逆らうことはほとんどなく、彼らの公的なメッセージは破棄で一貫している。

諸君、どうやらGSOMIAの破棄は現実のものとなりそうだ。



twitter.com
親愛なるドナルド・トランプ大統領、 どうかGSOMIAを守ってください! 私たちのような人間がいることを知ってください! 私たちはムン・ジェインの共産主義体制を決して望みません!

GSOMIAの延長を求める請願をリンク先で行っています。



光化門広場を埋め尽くした市民、「GSOMIAを延長せよ」「国民殺し、憲法違反、ムン・ジェインは退陣せよ」と訴える



oriC4649 GSOMIA破棄が意味することを理解していないのだとしたら、彼らは辛い方法でそれを知ることになるだろう。

Young Yoon 遅すぎるなんてことはない。ムンジェインが真の大統領であるなら、信者だけでなく韓国の自由市民のためにGSOMIAについての決定を取り消すべきだ。

Jasmine Kim Sadly he is not.

Agent007 日韓の歴史および経済に関する確執が近いうちに解決するかといえばそんな見込みはないわけで、韓国はこのまま予定通りGSOMIAを破棄するしかなかろう。

Danny la Choi 韓国は日本との架け橋を第二次世界大戦期に関する問題を理由に壊してきた、しかも何年も前から。トランプが有能であればずっと前にこれへの対処を始めていただろうが、 現実は...

Hannah K 北朝鮮、中国、ロシアは韓国がGSOMIAを破棄することを喜んでいるだろう。韓国のムンジェインはあまりにも愚かだ。朝鮮日報によれば北朝鮮は長年このGSOMIAを破棄するよう要求していたそうだ。韓国はまさに共産圏の仲間入りを果たそうとしているというわけだ。

Faceless Man 結局のところ韓国も日本もGSOMIAを維持したいとは思っていないのだ。米国がこれに対してできることは何もない。米国は東アジア戦略を現実に沿ったものに変えなければならない、日米韓の「三国同盟」という幻想を押し進めるのではなくだ。

John Lee (The Korean Foreigner) ‏ ムン政権は日本が韓国をホワイトリストに戻したらGSOMIA破棄の決定を撤回すると言っている。申し訳ないが、日本から妥協を引き出す材料も、米国を動かす材料も持っていないのに何を言っているんだという話だ。安倍がこの争いを始めたかもしれないが、ムンは墓穴を掘ってしかもそこから抜け出す手段を持っていない。

Blackbriar GSOMIAの破棄は日本との交渉のためのカードだったはずなのに、なぜか破棄しなければならない状況に追い込まれているという。

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