アメリカの自動車レビューサイト「Kelley Blue Book」より

トヨタ・プリウス 2017年バージョンのレビュー

2017 Toyota Prius - Review and Road Test by Kelley Blue Book

その様はまるで私の友人であり我々「Kelley Blue Book」の経理でもある 未だにアイアンメイデンのTシャツを愛用するブルースのようだ。


トヨタ・プリウスをレーストラックに持ち込むのは馬鹿げた行為だと思われるだろう、だが実際それほど馬鹿げた行為だとは言い切れない。たしかに遅い、だがこの4代目プリウスのハンドリング性能は向上し想像していた以上に楽しい車に仕上がっている。

数多いるプリウスのドライバーの中でより良いハンドリングを求める人はマイノリティだろうが、そんな人にとってこれはスリリングなニュースだろう。と同時に疑問に思う人が出てくるかもしれない、そんなに走行性能が変わっってしまっては、こんなにエッジの効いたデザインに様変わりしてしまっては、プリウスをプリウスたらしめていた要素が損なわれてしまうのではないかと。

新型トヨタ・プリウスの燃費


それに答えるにはEPA(アメリカ合衆国環境保護庁)が出した数字を参照するのが手っ取り早いだろう。EPAの評価によると新型プリウスの燃費は街中で54mpg(約23km/L)、高速道路で50mpg(約21km/L)、かなり高い効率性だ。レギュラーガソリンでこれだけ高い燃費性能を発揮できるのはとても印象的だ。

プリウスのECOモードではさらに数字は良くなり街中で58mpg(約24.6km/L)、高速道路で53mpg(約22.5km/L)にもなる。

その高い燃費性能を支えるのはCd値(抗力係数)0.2という空気抵抗を極限まで抑えたボディだ。先代プリウスの0.25の時点で驚異的だったにもかかわらずさらに磨きをかけてきたのだ。まぁそんな堅苦しい話は置いておいてもっと主観的な話をしよう。

新型トヨタ・プリウスのデザイン


私は車をレビューする時、例え我々がその車のスタイリングに懸念を持っていたとしてもあまり触れないようにしてきた。車のルックスの好みは人それぞれ、良し悪しは我々でなくレビューを見てくれているあなた達が決めるからだ。だがこの車は何やらクレイジーなスタイリングが成されているとしか表現できない。



フロントはシャープなラインが複雑に絡み合い、リアもフロントに合わせたものになっており、一部の人は不格好だと思うかもしれない。



センターコンソールはまるでストームトルーパーのコッドピース(股袋)のようだ。

好みは分かれるだろうがこの新型プリウスが目立つのだけは確かだ。

新型トヨタ・プリウスの実用性


この車の屋根は後方にかけて傾斜しているので後部座席のスペースを奪ってしまっているように思われるだろうが、意外と背の高い人でも天井と頭の間のスペースは十分保たれている。真ん中の席でさえ悪くないと思えるだけの広さがある。どの位置に座っても曲線を付けて作られたシートは座り心地が良く、天井以外は全体的に素材の品質が向上している。



トランクの大きさは27.4立法フィート(約0.78立方メートル)あり今までのプリウスの中で最も使い勝手が良い。



ただこのインテリアには2つほど難点がある。センターアームレストとドアのアームレストのクッションがとても薄くて硬い、肘を置く場所としてあまり快適ではない。



そしてサンバイザーが短く、長く伸ばす事も出来ない事だ。特に横方向からの太陽光を遮ろうと思ってもかなりの隙間が出来てしまう。トヨタはドライバーが自発的にエコバッグでも使って庇(ひさし)を延長させるとでも思っているのだろうか? ...失礼、これはプリウスオーナーに対する悪意のある偏見だ。



もちろん良い点もある。プリウスのスマートなオートエアコンは快適性を向上させるだけでなく、人が座っている席を優先して空調を整え燃費性能をさらに高める効率的な仕組みが備わっている。

車の効率性に関する情報はダッシュボード前方にある2つの4.2インチマルチインフォメーションディスプレイから確認する事が出来る。ここではスピードや燃料、電池残量なども表示される。



車のスピードなどの情報を通常のインパネではなくダッシュボード前方にあるディスプレイで確認しなければならないのは少し戸惑うが、約束しよう、直ぐに馴れる。

新型トヨタ・プリウスのパワートレイン


ボンネットの下は最新の技術がてんこ盛りになっている。1.8Lガソリンエンジンの他に2つの電気モーターが搭載されているが新型プリウスのパワートレインは121馬力と控えめだ。ベースグレードでは今までのプリウス同様にニッケル水素バッテリーが、それ以外のグレードではそれよりコンパクトなリチウムイオン電池が使われている。

高い燃費性能を実現するために犠牲になったものもある。0-60mp/h(0-100km/h)の加速時間は約10秒とあまりさえない数字になっている。だがここロサンゼルスの高速道路を走っていれば馬鹿みたいなスピードで飛ばしているプリウスを何台も目にする。なので速く走れないという事はない、ただその速さに達するまで少し我慢が必要というだけだ。

新型トヨタ・プリウスのブレーキ


通常の走行では乗り心地はとても滑らかで騒音も上手く抑えられているので特に高速道路を使っての長旅は快適に過ごす事が出来るはずだ。そんな高速道路に適した車ではあるが街中での走行ではブレーキの挙動に不満を感じてしまうかもしれない。

プリウスは減速時の運動エネルギーの回収を効率良く行えるよう油圧ブレーキ力とモーターによる回生ブレーキ力を協調させる電子制御ブレーキシステムを採用しているのだが、 この新型プリウスでは新型のアクティブ・ハイドロブースターを使用していながらもその挙動は人工的で不自然なままだ。効率性を優先しているのは理解できるが4代目になっても違和感が未だに改善されないのはどうかと思う。

新型トヨタ・プリウスの競合車

カリフォルニア州の厳しい環境規制に対する姿勢からこの地域に住む人は環境に優しい車を買わなければと思っているかもしれないがプリウスしか選択肢がないわけではない。より小型で低価格なプリウスC(トヨタ・アクア)、大型で高額なプリウスV(プリウスα)、プリウスファミリー以外でもキア・オプティマやヒュンダイ・ソナタ、トヨタ・カムリ、シボレー・マリブー、フォード・フュージョンにもハイブリッドバージョンがある。

より環境に優しい車を望むのなら電気自動車である日産リーフ、BMWi3、シボレー・ボルトなどが選択肢になるだろう。

新型トヨタ・プリウスの価格/グレード


トヨタ・プリウスのフルパッケージの価格は31,000ドル、ベースグレードは25,000ドルからとなっている。ベースグレードにはエアバッグが8つ、バックカメラ、ファブリックシート、LEDヘッドライト、キーレススタート、6スピーカーサウンドシステム、ブルートゥース、USBポートなどが標準で付いてくる。



上位グレードではワイヤレススマートフォン充電器、トランクカバー、シートヒーター付きのフルレザーシートが装備され、インフォテインメント画面は6.1インチから7インチに、ただしApple Car PlayやAndroid Autoは残念ながらこのプリウス含めトヨタの全てのラインナップで使えない。

また上位グレードではオートマチックハイビーム、ステアリング制御付レーンディパーチャーアラート、前方の車が止まればこちらも自動で停止してくれる全車速追従機能付レーダークルーズコントロール、歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティなどを含んだ衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」が選択可能だ。



またこの車にはスイッチを押すだけで超音波センサーで周囲の障害物を検出し自動でステアリング操作をしてくれるパーキングアシスト機能が備わっている。この機能のおかげでこの独創的なスタイルの車をじろじろと見てくる通行人を見ないで済む。

最後に


ここで冒頭の経理のブルースの話に戻ろう、未だにアイアンメイデンのTシャツを愛用する男のことだ。彼がきちんと仕事をこなしてくれているのなら、彼がどの様な姿であっても問題にはならないはずだ。

曲線だらけのアーティスティックなスタイリングであっても、日本のアニメに出てくるタイムマシーンのように見えても、プリウスがその求められる仕事をこなしてくれているなら我々としても問題はない。

この新型プリウスはスムーズで快適な乗り心地を提供し、一滴一滴舐めるように無駄なく効率的に燃料を使い、しかもハイブリッド車のオリジナルでありながらレーストラックで走らせてみたいかもと思える程度の走行性能を持つようになった、その責任をしっかりと全うしながらだ。

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海外の反応

Youtubeのコメント欄より: ソース

Sam Song 子供の頃はスーパーカーのレビューばかり見ていた。でも大人になった今、プリウスのレビューを熱心に見ている。

Python570 私がティーンエイジャーだった頃はプリウスなんて大嫌いだと思ってたな。今もだけど。

Manseung Ha これが自動車の未来だってんなら未来なんてクソ食らえだ。

Proxy 幸いなことにテスラやマツダみたいな会社が存在してくれている。

H0okemh0rns トヨタが先進性でリードしていたのはもう昔の話だと思うけどな。

kalimul ハイブリッドはもう過去の遺物だもの、未来はテスラみたいな電気自動車にあるのさ。

Joreen Soller このデザインは駄目でしょ...

xomm 先代モデルのプリウスはプレーンで退屈だったけど私はそれで問題なかった。ただこの新型のデザインは駄目だ、受け入れられん。

Nicholas Desmarais 先代モデルよりはいいと思うよ。ただまぁこれが褒め言葉になってるかは微妙だけど。

Timothy Neu 私の意見は少数派なんだろうけど、私はこのプリウスのデザイン好きだよ。

HappyListener50 君は1人じゃない、私も旦那もそれぞれプリウスを所有してきたけど私たち両方ともこの第4世代のプリウスの新しく、変わっていて、楽しく、ユニークなデザインが好きだ。プリウスはあまりにもメジャーになりすぎてそこら中で溢れているけど、この新型は退屈なデザインに溢れた道路の中で際立った存在感を見せてくれそうだ。

実際この新型を試乗してみたけどとても気に入った。トヨタの先進性と革新性を私たちは評価するよ。

Rare Fire Type Lenny 3467 だよなぁ、結構いいと思う。

M67v 私は割と気に入ってる。

Alpha_Omega2001 まぁ少なくとも今までのプリウスよりは良い。

One Bell 見た目は置いといて、この新型がプリウス史上最高の車に仕上がっているのは間違いない。

AKzebraMiner うちの母親も好きだって言うんだよなぁ、私からすれば醜いんだが

I Valkyrie I プリウスってやたらと嫌われているけどその理由が理解できない。燃費はいいし素晴らしい車じゃないか。

Andrew B だって醜いんだもの。

ΙΩΑΝΝΗΣ ΛΙΑΡΟΣ 1.ゾッとする見た目
2.環境に優しいと謳っておきながらその製造過程で環境に負荷をかけている
3.ガソリン消費量を気にしない自動車愛好家にとって悪夢のような存在

M67v 製造過程で環境に負荷をかけるのはこの車に限らず全ての車がそうだと思うがね。

Python570 そりゃプリウスにはいい所がたくさんある、でも悪い所がその数を上回っているから嫌われるんだ。

M67v まぁそんだけ文句を言われていても結局は売れてしまうんだけどな。

Python570 そりゃ車の事を何も知らない連中がこの車を買うからだ。

M67v 信頼性、つぎ込まれた先進技術、実用性、そして高い燃費性能。プリウスを買う人が愚かだとは思えないね。

HappyListener50 プリウスの長期信頼性はトップレベルだしね。

nitramsk8 1.スピードハンプにタイヤが付いただけの様なルックス
2.女性の友人を作ることが不可能
3.上り坂で40mp/h(64km/h)出すのに苦労する

HappyListener50 プリウスのルックスは素敵だよ。それに女性の友人が作れないのはプリウスのせいじゃなく君の問題だ。女性として言わせてもらうけど私からすればプリウスに乗っている男性は教養があり、賢い判断が出来る人だという印象を持つよ。実際私の旦那もそうだったしね。

Leif Giering トヨタとしては今までプリウスを嫌っていた人にアピールするつもりで新しいデザインにしたんだろうが失敗してるとしか言いようがない。というかそもそもこの車のデザインを激しく嫌う人はマッチョなトラックに乗っているような連中だ。

Dilidon Thurnipozetto むしろプリウスを嫌う人たちの神経を逆撫でする意図を持っていたんじゃないかって思っちゃうけどね。

Dilidon Thurnipozetto あんだけ売れてんだから嫌っている人なんて眼中にないと思うぞ。

The Doofus Network 一度友人のプリウスを運転させてもらった事があるけどスタートさせても静か過ぎて走らせられるのか判断できなかったな。

The Woman In The Sea それこそがプリウスの魅力ですよ。

harlemner "ここロサンゼルスの高速道路を走っていれば馬鹿みたいなスピードで飛ばしているプリウスを何台も目にする"
それ俺の事だわ。

Derek Townsley プリウスオーナーは皆そうさ、BMWオーナーが車線変更のときにウインカーを出さないのと同様にね。

Seiya Furukawa この新型は醜い、道路を走っているのを実際に目にするまでそう思っていました。

HappyListener50 あれなんでだろうな。実車を見てみると不思議とカッコ良く見える。

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