ギズモードやライフハッカーなどを抱えるアメリカのオンラインメディア企業ゴーカー・メディア傘下の自動車情報サイト『Jalopnik』よりより

トランプはより多くのアメリカ車が日本で売れる事を望んでいるようだがそんなことは起こりそうもない

Trump Wants More American Cars in Japan, Which Will Never Happen - 2018/09/27

- トランプが日本にもっとアメリカの車を買うよう圧力をかけているがそこには問題がある、その唯一にして最大の問題とは -


さて、この記事を読んでいるということはあなたはおそらく日本車がお好きなのだろう。というか実際の所、アメリカ人は総じて日本車好きだ。ブルームバーグによればアメリカで販売される乗用車(※ピックアップトラックを除く)の40％は日本の自動車メーカーのものだという。逆に日本で販売されるアメリカの自動車メーカーの車は全体のわずか0.3％とのことだ。

トランプ政権は貿易格差の問題に取り組んでおり次のターゲットは日本になると言われている。ではいかにしてその差を無くし日本人にアメリカ車を買ってもらえばいいのだろう？

以下ブルームバーグの記事からの引用だ。
- トランプ大統領は今週水曜、日米間での貿易交渉の開催に関し安倍晋三首相と合意に達したと発表した。

米国に輸入される自動車の数を抑え国内での製造と雇用の促進を狙うトランプ大統領は輸入車に対する自動車関税を25％に引き上げると脅し、また米国にとってより開かれた市場にするよう日本に求めていたが、貿易交渉の間はその制裁措置を適用しないとしている。

しかし米国が現在乗用車に2.5％、トラックに25％の輸入関税を課している一方で日本はすでに40年前から輸入自動車に対する関税を撤廃している。

小型車や他の日本メーカー製の高燃費車が圧倒的なシェアを持つ日本市場における米国車の存在感の低さは日本の消費者の米国車に対する一般的な認識によるところが大きい、つまりは米国車は燃費が悪く大きすぎるというものだ。 -


なるほど。しかも日本の消費者から冷遇されているのはどうやら米国車だけらしい。その日本市場でドイツの自動車メーカーは販売数の7％を占めている。日本で最も売れたアメリカのブランドであるJEEPですらその年間販売台数は7,000台とのことだ。



これに対しトランプは日本にもっとアメリカの車を買うよう圧力をかけているわけだがそこには問題がある、その唯一にして最大の問題とは

アメリカの自動車メーカーは日本の消費者が欲しがるようなタイプの車を作る気がない
ということだ。

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これまでの米国車メーカーの日本での活動を "全体的に" 見た場合こう言えるだろう、そんな気を起こしたことは一度もないと。日本で最も売れた車にはコンパクトカー、さらには我々からすればウルトラコンパクトな軽自動車などが名を連ねており明らかにアメリカの消費者の好みとの間にズレがある。

しかも近年は フォードが北米の小型車販売を2車種に絞り込んだように、大型のCUVやSUVの需要が高まっているため "日本人が買ってくれるかもしれない車" の選択肢は米国の自動車メーカーからさらに失われている。

トヨタ・キャバリエ の件はどうなんだと主張する人もいるだろうが、むしろトランプ大統領はトヨタの協力のもと販売や整備体制、広報などの環境を揃えてもらったのに売ることができなかったアメリカの自動車メーカーの不甲斐なさをまず謝るべきではなかろうか？



アメリカのスポーツカーならば欲しいと思う日本人はいるかもしれない、アメリカの高級車ならば魅力的に思う人がいるかもしれない、Jeepならば欲しがってくれるだろう、だがそれら以外に日本人が欲しがる米国車があるだろうか？

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海外の反応

jalopnik.comのコメント欄より: ソース


Ferrer なぁ、もしかしてアメリカ人以外米国車を欲しがる人間なんていないんじゃないか？

TurboS60 アメリカの自動車メーカーの作る車のほとんどは大きすぎるし優れてもいない。マスタングやカマロ、コルベット以外に素晴らしい米国車なんて何があるよ？

なおダッジ・チャレンジャーが入ってないと憤慨する人がいるだろうがよく考えて欲しい、あれはゴジラが東京を暴れ回る様を思わず連想してしまうほどにデカすぎる。

chb ねぇな。ひっとつもねぇな。

ShadowPryde 誰もがそうだと同意してくれるかわからんがジープ・ラングラーは素晴らしい米国車だ。他にも例えば．．．

．．．思い浮かばんね。

TurboS60 うむ、ラングラーは確かにいい車だ。トランプは日本にラングラーの輸入枠を作るよう要請してだな．．．
で、代わりにアメリカには新型ジムニーをですね．．．

JBodyBuilder シボレー・キャバリエはどうして日本でうれなかったんだろうねぇ．．．
（シボレー・キャバリエ：国内では日本仕様がトヨタ・キャバリエとして1996年から2000年にかけてトヨタで販売された）

Jordmaniac 日本には排気量で税金が決まる自動車税があってそれが影響したなんて話を聞いたな。ああ、それともう一つ、キャバリエはクソみたいな車だった。

cdydatzigs クソみたいな車にトヨタのエンブレムを張り付けてもトヨタの信頼性は得られないのです、残念ながら。

Epic Failure
こうして見るとルックスはそんなに悪くないように思える。ボロボロのキャバリエばかり目にしてきたせいかもしれないが。

skraelingshortbus それはね、このキャバリエって車は勝手にボロボロになっていく車だからだよ。どれだけ頑張って整備しようとも状態を保とうと努力しようともね。ソースは、実際に所有していた私だ。

Rev Les Crowley だが待ってほしい、"あの" フィアットは世界のいくつかのマーケットではとても人気だ、日本でもそこそこ売れていると聞く。つまり車の品質自体の問題ではないという事では？

Autojunkie 日本の消費者が欲しがる米国車なんてものは基本的にないしこれまでも存在しなかった、それは日本側の需要に応えるような車をアメリカの自動車メーカーが作ってこなかったからであり、そして彼等が米国車の品質は悪いという認識を持っているからだ。

単純に企業努力の問題だ。ホンダもトヨタもアメリカ人の需要に応えるような車を作ってきた、さらにはアメリカ市場に特化した車を作ってきた。そういった真剣さがアメリカの自動車メーカーには欠けていたってだけの話だ。

トランプは不公平な貿易を是正すると意気込んでいるがそもそも不公平な関税を設けているのはアメリカだ。日本とのFTA締結を狙っているようだが日本が例えば “chicken tax” の撤廃を求めてきたらどうするつもりだ？ 乗用車だけでなくトラックも日本メーカーに支配されるぞ。 チキンタックス：米国に輸入されるピックアップトラックだけ25％の関税が課せられるようになった原因。アメリカは米国産冷凍鶏肉の輸入に対して関税を課していた西ドイツとフランスへの報復として1960年代にでんぷん食品、ブランデー、小型トラックに25％の関税を課す。後に関税は撤廃されるが小型トラックへの関税だけは米国の自動車メーカーの保護のため現在も残り続けている。

REX2RS 他の国で米国車が売れないのはその国が米国車に関税をかけたり非関税障壁を設けているから、自分たちの作る車が一部を除いてゴミであるからではなく。なんとまぁ素晴らしい思考だろうか。

Chris_K_F drives an FR-Slow なんというか、リーマンショック後のビッグ３救済に近いものを感じるな。こうやってアメリカの自動車メーカーを甘やかすから彼等から競争力が失われていってるんだと思うんだが。

TheBryanJZX90 仮に日本がその排気量に応じた自動車税、環境性能に応じた減税措置、軽自動車に対する優遇措置を廃止した場合どうなるか？ 日本の消費者はそれでも小型で燃費の良い車を欲しがるか？

もちろんそれらに対する需要は残り続けるだろう、日本の駐車場のスペースも道も狭いし彼等は我々のように長距離運転する機会が少ないのだから。だが中～大型の車に対する需要はおそらく増えるはずだ。日本で軽自動車が売れているのはそのサイズだけが理由でないことは明らかだ。

TheBryanJZX90 税金にしても保険料にしても軽自動車の方が圧倒的に安く、そしてそれは世界の他のどの国にも見られない日本の独自規格だ。その他の自動車税なども考慮すると日本では大型の車に対する需要が国によって抑制されているとも言える。日本の消費者は小型車を好んでいると言うが果たしてそれはどこまで本当なのか疑問に思う。

Chan - Snake Charmer in Training まぁサイズですよね、問題は。例えば日産・アルティマ(日産自動車が北米を中心に販売している乗用車)であっても日本人は欲しがらないでしょ。彼らが欲しがる可能性がある車なんてテスラくらいじゃないか？

Scott テスラなら日本市場に食い込むことはできそうな気もするがどうなんだろう？ 日本市場ではなぜか電気自動車に対する盛り上がりがあまり見られないのよね。

dogisbadob この問題の解決策は明らかだがデトロイトの連中がそれをすることは決してないだろう、つまりは良い車を作るということである。

A-McGee9-3 "アメリカのスポーツカーならば欲しいと思う日本人はいるかもしれない、アメリカの高級車ならば魅力的に思う人がいるかもしれない、Jeepならば欲しがってくれるだろう、だがそれら以外に日本人が欲しがる米国車があるだろうか？"


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“Dodge Challenger SRT8” by Jean-Jacques MARCHAND is licensed under CC BY 2.0