中東カタールの衛星テレビ局『アルジャジーラ』より

日本が新たな津波対策用の壁を築く

Japan builds new tsunami walls | Al Jazeera English - 2018/03/09


この東北地方の沿岸の、もやのかかった青空の下でフジタ・アツシ氏は波打つ海の底から牡蠣を引き上げる、彼は牡蠣の養殖で生計を立てる漁師だ。

だが彼が岸に帰ってくると、ゆるやかな丘陵地帯に建てられた彼の自宅は高いコンクリートの壁に覆い隠されていた。

「塀の中で働いているような感じです。刑務所にいるような気がします、何も悪いことをしていないのに。」



2011年の3月11日、東北地方を巨大な地震とそれに伴う津波が襲い沿岸の都市を飲み込んだ、フジタ氏の故郷では2,000人が亡くなったという。 福島原子力発電所は浸水し放射性物質を周囲の陸と海に漏らした。

この場所にあった津波対策の防潮堤は4メートルほどの高さだったが7年前の巨大津波はこれを軽々と飲み込んだ。



そして今、日本は15メートルの高さの壁を建てている。

これらの壁はその内側にある人や建物をこれまで以上に保護するだろうが、誰もがこの壁に価値があると思っているわけではない。



東北地方に観光に来たイイジマ・レイコ氏はこう語る。

「私は50年前に小さな子供を連れてよくこの場所に来ました、車の窓から見える美しい海や海辺の街並みをとても楽しんだことを思い出します。ですが今のこの場所には、当時の面影が少しもありません。」



岩手県田老町の住人であるフジサワ・ミツコ氏はこう語る。

「私はこの防潮堤が必要だとは思いません。津波が来るのを見ることができたら逃げろと叫ぶことができますが、この壁のために何も見ることができません。」


日本の朝食つきの宿泊施設である旅館を宮城県気仙沼市で40年以上続けてきた「沖見屋」のハタケヤマ・カツヒロ氏は、逆に壁の建設を歓迎している一人だ。多くの地方自治体は津波被害に遭った地域に対し防潮堤が建設されるまで新しい家の建設許可を与えなかったためだ。



「防潮堤の建設が承認されたことで私はこの旅館を再建する許可を得ることができました。この旅館を再建できたのも今こうして働けているのもこの壁ができたからです。ですから壁はもっと低く作るべきだとか、そもそも必要ないとだとか、そういったことを言えません。」




またこの地域では牡蠣の漁獲量が向上したという、津波が海底をかき混ぜたためだ。




一部の人々は壁が景色を覆ってしまうため観光に悪影響がでることを懸念している。しかし他の人たちはその代償を喜んで支払うという、大自然の脅威からその身を守るために。

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海外の反応

Youtubeのコメント欄より: ソース


Trey Mason "津波が来るのを見ることができたら逃げろと叫ぶことができますが"
凄まじい速度と威力で陸に向かってくる津波を目視してから逃げるとな?
おばちゃんどんだけ走るの速いねん。

Di General 私もこれをツッコむためにこのコメント欄に来た。

mehitscool 逃げろって叫べたとしても間に合わんだろ、素直に壁に頼りなさいな。

The Wayward Spiral アレだね、きっと『進撃の巨人』から学んだんだね。

Vladimir そうそう、確かにあの世界でも壁が問題を解決...

してないがな。

Bilal Shahid 超大型が来たら意味がないってか :'D

Joseph Ybarra ああ、これがメキシコ人が支払うことになるやつか。

Adam Alfath 凄いな、もうここまでできているんだな。こりゃトランプも嫉妬しちゃうな。

Harshit Gujral この動画のポイントが気に入らない。生き残るために壁を受け入れるか、美しい景色を楽しみつついつか来る巨大津波を受け入れるか、みたいな感じだ。

BayanTheOne そこで透明の壁ですよ!
まぁコンクリート並みの強度を持った透明な材質があればの話ですが。必要は発明の母、なんて言葉があるし日本よ、作ってしまえ。

Tobias Adams この壁には建てるだけの価値はない、と言えるのも次の津波が来るまでの間。

Dimitri Vincheov つってもこの壁が巨大な津波に対してどこまで有効なのかね?

Mjglazier77 壁なんて作ったって無駄無駄、自然の力を人間ごときが止められるわけがない。人類はそれをいつ学ぶのかねぇ。

Khristophoros1001 あきらめるよりも試してみる方が良い。生き残ろうと思うこと、障害を克服しようと思うことは人間の行動原理であり人を人たらしめるものだ。人間は決してあきらめない。

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