13か国語で提供されるアメリカのモータースポーツ専門サイト『motorsport.com』より

ホンダのリソースの質には誰も匹敵できない

Rivals can't "keep up" with Honda resources - Red Bull - 2018/08/22

- レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはホンダが日本に持つF1の研究開発リソースの質を "誰も追いつくことができない" ほど高いレベルにあると信じて疑わないと語る -



ホンダは来シーズンにむけてレッドブル・レーシングにF1エンジンを供給する準備を進めている、同チームのジュニアチームであるトロロッソはすでにホンダとパートナー関係にあり、そこでの作業はチームに関係が悪化していたルノーとのパートナーシップを今シーズン限りで解消する決断をさせるのに十分であった。

オーストリアのエナジードリンクメーカーであるレッドブル社は2005年からレッドブル・レーシングとしてF1に参戦、エンジン供給パートナーとしてルノーと12年間に及ぶ関係を築いてきたが2014年に現在のパワーユニットがF1に導入された後はメルセデスやフェラーリから大きく遅れをとり両者の確執は大きくなっていた。

一方でF1の直下に位置するフォーミュラ3000では将来有望な若手ドライバーを育てることを目的とした同チームのジュニアチームにあたるトロ・ロッソは2017年にマクラーレンとの関係を解消しホンダと提携を開始、ホンダのワークス仕様のパワーユニットが供給されチーム名も「レッドブル・トロ・ロッソ・ホンダ」となっていた。

トロ・ロッソの責任者でありレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーでもあるヘルムート・マルコは今シーズン限りでルノーとのパートナーシップを終了しホンダのF1パワーユニットに切り替えるという決断は正しい動きだったと確信していると語る。

スポンサードリンク

ホンダは栃木県さくらにあるHRD Sakuraという技術開発を行う世界的に見ても非常に優れた研究所があるにもかかわらず、2015年にマクラーレンのサプライヤーとしてF1へ復帰してからはトラブルが続き苦戦していたが、ホンダはそのポテンシャルを発揮する準備がついに整い始めたとヘルムート・マルコは考えているという。

「(ホンダと提携関係にある)トロロッソではすべてが完璧に機能している。」

オーストリアのテレビ番組のネットワーク『Servus TV』にマルコはそう語った。



「来年はホンダはさらなる努力を注いでくれるはずだ。また彼らが日本のさくらに持つ開発センターはどこにも匹敵するものがない。」

「日本とは文化が異なり、仕事の仕方も違うがそれは時間と共に学んでいくことだろう。」

「我々のホンダに対するアプローチはマクラーレンのそれと異なる。彼らはホンダにエンジンをどのように製造してほしいかを伝えていたが我々はただこう伝えている "とにかく我々のために可能な限り最速のエンジンを造ってほしい、我々は何とかそれをシャシーに組み込んでみせる" と」

「我々はすべてを一緒に話し合いながら進めている。」
レッドブルの代表はチームがホンダに切り替える理由の1つとしてルノーがレッドブルにエンジンを供給する傍らで2年前からワークスチームとして復活し自らのチームを有したことの影響を繰り返し指摘している。

またヘルムート・マルコも2014年にF1エンジンのレギュレーションが大幅に改訂された際にルノーは上手く対応出来ずそれまで圧倒的な強さを誇っていたレッドブルの成績は低迷、メルセデスとフェラーリが圧倒的なアドバンテージを享受するV6ターボハイブリッドエンジンに真剣に取り組むことに失敗したと指摘する。



「ルノーは毎年のように "来年レッドブルはメルセデスやフェラーリとの競争で対等な立場に立てる" との予測を立てていたがそれが現実になることはなかった。」

「我々はルノーに対する信頼を失った。」

「ホンダは信頼しあえるパートナーであり財務的および技術的リソースを有している、そして自らのワークスチームを優先させるルノーと違いホンダは我々を最優先に考えている。」



また契約最終年を迎えメルセデスやフェラーリへの移籍を検討していたがその可能性が低くなりレッドブルに残留するのが濃厚と考えられていたダニエル・リカルドが急にルノーへの移籍を決めたことに対してはヘルムート・マルコは同選手の "ホンダへの信頼感の欠如" が影響した可能性を認めた。

しかし同時にホンダはマクラーレンとの3年間のパートナーシップを解消に際し自らの間違いを認識し主要な人事の一部を変更、社外の専門家からもアドバイスを受け変化しているとも語った。

「今年のトロロッソのパフォーマンスはホンダが順調に進んでいることを明確に示している。」

「来年我々はルノーのはるか先のポジションにいるだろうことを確信している。」

スポンサードリンク

海外の反応

motorsport.com, reddit.comのコメント欄より: ソース , ソース


BottasBot ホンダF1の研究開発リソースの質には誰も匹敵できない、ねぇ...
なんか聞き覚えがあるんすけど。

Savage_Baboon マルコがマクラーレンホンダのロン・デニスみたいなこと言ってて笑ったw

colin_staples マクラーレン・レーシングの総帥のロン・デニスもホンダのエンジンが彼等の車でまともに動いてくれないことを知る前は
「ホンダのさくらの本部の施設は本当に圧倒的だ」とか
「ホンダがF1復帰のために注いでいるリソースは成功を保証するものだ」とか
「ホンダのエンジンの進捗は恍惚とさせるものだ。エンジンは宝石だ。彼らは予想よりも先に進んでいる。エンジンの競争力を疑う余地はない」
とか言ってましたな。

Enzo95 高価で役立たずという意味では宝石で間違いない。

xslaughteredx シーズンが始まるとともにレッドブルのコメントのトーンが変わっていく予感。

Charles Leclerc 何で皆そんなにホンダに辛辣なん?

SpeedflyChris ホンダが日本に持つF1の研究開発リソースの質は最高だ~みたいなことを、ホンダが2014年にF1復帰することを発表した際にマクラーレンが言ってたから。

Esteban Ocon しかも毎年のように言ってた気がする。

Nico Hulkenberg ホンダの持つ施設とリソースがトップレベルにあることはよく知られている。アロンソも、ロン・デニスも、誰もが感銘を受けていた。だが4年経っても時代遅れの施設(メルセデスやフェラーリ、ホンダと比べてだが)でエンジンを造ってるルノーに後塵を拝しているから。

jambbii レッドブルのマルコとホンダは今いわゆる "ハネムーン期間" にあるからこんな事を言えるのだろう。彼らの "結婚生活" がどんなものになるか見ものだな。

N7even せやね。今はまだ互いにそれぞれの家に住んでいるが、同居を始めたら果たしてどうなるかな?

jambbii レッドブル:
「さぁホンダ、出かけようか。」

ホンダ:
「でも元気がないの、家にいましょうよ。」

レッドブル:
「君はいつになったらその気になってくれるんだ! 一緒になる前の言葉と違うじゃないか!」

ホンダ:
「だって、あなた、全然気遣ってくれないじゃない!」

レッドブル:
「十分すぎるほど気遣ってやっただろう!」

ホンダ:
(泣きだすホンダ)

レッドブル:
「ほらこれだ、また "break down" だ!」

(break down:泣き崩れる/正常に動かなくなる/エンコする)

N7even Ha Ha Ha, I love it.

Citizen_MGS 完璧。

willtron3000 いやいや、お願いだからこんな風にはならないでくれ。

InZomnia365 そりゃ素晴らしい研究開発リソースを持っているんだろうが、近年の成績を見ていると不安しか感じねぇ。

f10101 日本とヨーロッパが組んでF1で成功したのなんてずいぶんと昔の話になっちゃってるけど大丈夫かね?

Jules Bianchi 最後に成功したのはアイルトン・セナとかがいた頃か? F1の世界の日進月歩ぶりは凄まじい、3年はとてつもなく長い時間だ、ましてや30年なんて永遠のように前の話だな。

ernando Alonso メルセデスとフェラーリは今のところホンダよりかなり先を行っている。ホンダが彼らに追いつくのに2021年くらいまでかかるかもしれない。だがその間にトップの2チームは新しいエンジンレギュレーションに向けてリソースを注ぎ込むのではなかろうか? ホンダが追いついた頃には彼らはさらに技術的リードを広げているんでは?

Snugglefurry 私は逆だと思うぞ。メルセデスとフェラーリは優勝をめぐって接戦を繰り広げている。だから現在のレギュレーションの範囲内でさらなる技術開発に力を入れる可能性がある。2013年とかのレッドブル自身が良い例だ、タイトルを獲得するために未来よりも今勝つことに力を入れていたじゃないか。そういった意味では今優勝争いから遠ざかっているホンダ&レッドブルは現在のレギュレーション向けに開発したものを破棄したとしても失うものが少ない。新たなレギュレーションが採用される2021年を視野に入れて動き出すかもしれない。

trash1000 "とにかく我々のために可能な限り最速のエンジンを造ってほしい、我々は何とかそれをシャシーに組み込んでみせる"
そして無理やり詰め込んだせいでオーバーヒートを誘発、レッドブルはホンダの開発を責めるのだ!

Jules Bianchi というかマクラーレンホンダの場合ホンダF1責任者の長谷川君ができもしないのに "can you do that?" と聞かれるたびに "yes"と答えたせいではなかろうか。

InZomnia365 マクラーレンからの要望でホンダは "サイズゼロ" と呼ばれるエンジン本体を極限にまで小さくし車体のパッケージングを優先する正直無茶なエンジンコンセプトを採用し失敗したわけだが、その辺も日本企業のプライドが悪い方向に働いたせいだろうな。

Chris_RandomNumbers 私は以前、日本人はすべての質問に「Yes」と答える習慣を持っているという記事を読んだことがある。 曰く、実際には「試してみることができますが、できるかもしれませんしできないかもしれませんが、とにかくやってみます。」の意味だとか。

マクラーレンがこれに気づいていなかったとしたら私は驚くね。

RobLach 私がこれから書くことは過剰一般化だが、日本では
「これを仕様に合わせることができますか、そしてその場合意図した通りに動きますか?」
と聞いた場合できるかできないかの明確な答えが返ってくることが多いが、
「これを仕様に合わせることができますか?」
だけだと
「...わかりました、やってみましょう。」
になる。

仮にマクラーレンが今の技術で可能なのかわからない野心的なアイデアをホンダに提示した場合、ホンダは「我々ならばこれが可能だと信頼してくださっているのだな」と考える。それが失敗した場合ホンダは期待に応えることができなかったと考える、そもそものコンセプトが野心的過ぎた、ではなくだ。

頼まれたものを提供できなかった責任はあまりにもホンダを信じ過ぎたマクラーレンにもあると言える。まぁ実際のホンダとマクラーレンのやり取りがどうだったかはわからないが。



私は日本のパートナーと仕事をするときの最良のアプローチは、彼らにとって明快なゴールを提示しそれが上手くいったらそれを繰り返すことだと教えられた。 「これをもっと良く/より速く/より効率的にすることができますか?」といった感じにだ。

もちろんすべてのビジョン/ゴールを共有できることが理想的だが日本と我々とでは企業文化が大きく異なる。たとえば象印の炊飯器を見ると毎年新しいモデルが発売されているがちょっと変わったことを除いてほぼ同じように見える。日本ではそれは有りだが米国/欧州の会社はそのような小さなことのために物事を変えることはない。明確な形で新しくなったことをアピールできる段階まで待つのが一般的だ。

Guga917 私は楽観視しているよ。レッドブルがホンダのエンジンでどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみだ、マクラーレンにとってはさらに面白くないことになる。

Simon Smith マルコは正しい、ホンダよりも成功するための人的、技術的、財政的リソース、そして強固な決意を持っているチームはない。ホンダとマクラーレンの関係は両者ともに間違いを犯し続け最初から最後までかみ合わなかった印象だ。

The_800lb?gorilla 「我々のホンダに対するアプローチはマクラーレンのそれと異なる。彼らはホンダにエンジンをどのように製造してほしいかを伝えていたが我々はただこう伝えている "とにかく我々のために可能な限り最速のエンジンを造ってほしい、我々は何とかそれをシャシーに組み込んでみせる" と」

「我々はすべてを一緒に話し合いながら進めている。」


これこそマクラーレンを引き合いに出して難癖をつけることが間違いである理由だ。なによりホンダとパートナーを組んだトロロッソの力強いパフォーマンスは状況が順調に進んでいること証だ。レッドブルも馬鹿じゃない、ちゃんと計算したうえでホンダとならやっていけると決断したんだ。

nihilist42 まぁともかく今度こそホンダが上手くやってくれることを願うよ、F1が楽しいものであり続けるためにはメルセデスとフェラーリ以外に少なくともあと1チームは優勝争いに参加する必要があるわ。

gotopolice レッドブルはルノー製エンジンをタグホイヤーと呼んでいた。ホンダ製のエンジンの名前がセイコーになる予感がするぜ...

スポンサードリンク