映画評論家による映画レビューを集計するウェブサイト『ロッテン・トマト』より

『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』海外メディアのレビューまとめ

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Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)は、映画評論家による映画レビューを一か所にまとめたウェブサイト。映画ごとに肯定的なレビューが多いか否定的なレビューが多いかを集計して点数にするほか、映画に関する情報・報道全般を扱っており、英語圏の映画レビュー集サイトとして最もよく知られたものである。

ロッテン・トマト(腐ったトマト)という名称は、拙い演技に怒った観客が腐ったトマトや野菜類を舞台へ投げつけるという、映画や小説によくあるクリシェから名付けられた。 wikipedia




トマトメーター: 100%
(批評家の好意的意見の割合)

Fresh: 12 / Rotten: 0
(批評家の評価が10点中6点以上ならば "fresh")

レビュー数: 12

一般ユーザーのスコア: 99%が好意的に評価
(5つ星評価で3.5個以上の星を付けたユーザーの割合)


(以下各メディアのレビュー)

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ゲームを中心とした米国のエンタメメディア『Polygon』

『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』は爽快なアクションでキャラクターを内面を切り開く

日本で公開されてから半年以上、『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』がついにアメリカに上陸した。

その圧倒的な評価、塗り替えられた数々の記録、これまでアニメとは縁が遠かったメインストリームメディアからも注目を集めた本作だがここまでくると疑問が残る。

「この人々の熱狂ぶりに本当に値する映画なのか?」

答えは「大部分において、確かに値する作品となっている」だ。



テレビアニメの劇場版はサイドストーリーや「what-if」シナリオに焦点を当てて作られるが本作はシーズン1と2の架け橋として意図されて作られている。それ自体が斬新だ。観客がシーズン1で起きたことを知っているのを前提としているため新参者には登場人物の説明も戦う理由も提供されない。

そう聞くと「それを映画と呼んでいいのか?」と思ってしまうが、鬼滅の刃の核となるアイデアとテーマは本作から損なわれておらず、説明がなくても既存のファン以外も楽しめるはずだ、なんせ贅沢な3Dアクションシーンや目を見張るようなチャンバラが山ほど詰め込まれているのだから。



前述のように本作では登場人物の説明は省かれているが作家は彼らに感情移入できるよう素晴らしい仕事をしている。特に煉獄杏寿郎に関しては見事でエキサイティングで思い出に残るシーンが満載の映画の中で、煉獄杏寿郎はそれらのほとんどの中心にいる。

特に劇的なフィナーレで舞台の中心に立つ彼の姿は間違いなくシリーズの将来にわたって大きな反響を残すだろう。

『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』はこのシリーズの強みと魅力を鮮やかにひとつのパッケージにまとめた作品であり、思わず心臓の鼓動が速くなるアクション、激しく感情を揺さぶる重さ、そしてキャラクターが自らを肯定する素晴らしい瞬間とユーモアに満ちている。

シリーズの新参者が鬼滅の刃のファンダムに飛び込むのに最適な作品ではないが、それでも見ることが不可欠であると感じられるほど最初から最後まで面白さとスリルに満ちた乗り物であると断言できる。 polygon.com



米ロサンゼルスの日刊紙『ロサンゼルス・タイムズ』

レビュー:アニメのメガヒット作品「鬼滅の刃」がスリルと混乱を招くために米国に到着

日本のアニメはゴージャスな世界観で人々を魅了し、喜ばせ、驚嘆させるメディアである。一方で初心者の視聴者にとっては移動中の電車に飛び乗っているように感じることもあり、今作もまた少々そのきらいがある。

これほどまでに人気を集めているという事実から期待されるように、この作品に込められた想像力は "off the charts(グラフからはみ出る=ずば抜けている)" 。特に様々な悪魔のキャラクターデザインは印象的で不気味だ。このアニメというジャンルにありがちなことだが、感情的な瞬間は芝居がかった印象を受ける可能性はある。

『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』はファン必見の作品だ。ただ遅れてこの列車に搭乗する人にとっては楽しいが時に混乱する乗り物になるだろう。 latimes.com



米国の日刊紙『アーカンソー・デモクラット』

『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』のレビュー

TVアニメ版の時点で丹次郎が剣を振るたびに流れる水にしろキャラクターが戦っているときの非常に滑らかな動きにしろすでに美しいアニメーションに溢れていた。

だが『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』のアニメーションはその驚くべきレベルのアートをさらに数段階引き上げたものになっている。

また本作の物語のほとんどは列車の中で展開されるが列車の外のショットが非常に洗練されていて美しい。

例えばちょっとしたショット、列車が通り過ぎる際に映る葉と草、この僅か0.5秒のショットは私が息を呑み客席で思わず前のめりになるのに十分なほど細部へのこだわりに満ちていた。どれほど素晴らしかったかというと照明と質感のレベルはピクサーとタメを張ると言っていいくらい素晴らしかった。

テレビアニメから劇場映画になったことでアニメーションの品質がアップグレードされたのは背景だけではない。『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』のアクションは私の顎を何度も落とすのに十分だった。

ストーリーは実際の列車のように始まり、減速することなくあなたに興奮をもたらしてくれるはずだ。 arkansasonline.com



米国のオタクカルチャー情報サイト『But Why Tho?』

レビュー:『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』が新たな基準を打ち立てる

『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』は美しく暴力的なアニメーション、スリリングなサウンドトラック、そして人類の弾力性とそれを維持するために必要な強さとは何かを示すエモーショナルな瞬間を観る者に届けてくれる。

そして何より映像の美しさが素晴らしい。テレビアニメ版の時点で見事だったがこの劇場版のそれはまったくの別次元に引き上げられている。

綿密な計算の下で組み合わせられた2Dアニメーションと3Dアニメーション、さまざまなスタイルを使った明確なコントラストは唯一無二で私が見てきた中で最もゴージャスで没入できるアニメ映画の1つと言える。

アクションシーケンスもあらゆる点で見事であり、古いテクニックと息をのむような新しいテクニックを使った匠の技をじっくりと見せてくれる。

『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』は極めて優れた作品であり、アニメ映画に新たな基準を設けた。 butwhythopodcast.com



映画/エンタメを扱う米国のオンラインマガジン『Deadline』

映画評論家アンナ・スミス、日本の暴走興行収入映画『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』を語る

一連の夢のシーケンスは原作マンガやテレビアニメを見ているかいないか、彼らの背景を知っているか知らないかで受けるインパクトが変わるだろうが、それを無視しても確かに人を引きつける力を持っている。

悪夢の持つ危うさや恐ろしさの感覚をうまくとらえており、現実と夢の境界が不明瞭な悪夢めいた状況、その混乱を効果的に伝えている。

『アベンジャーズ』ほど酷くはないが最終決戦はだらだらと長ったらしいと感じられるかもしれない、だが最終的にファンは見返りとして感情を揺さぶられる瞬間を与えられるはずだ。

ビジュアル面ではファンタジーアクションの描写という観点からは野心的な試みをしているように思えるが、全体的にはすでにテレビシリーズで確立されたアニメスタイルの延長の域を出ていない。

是非とも大画面で体験したいというタイプではないが、別の環境で愛するキャラクターを見れるという点においては十分魅力的だろう。

また他の愛好家と一緒にこのカルトコンテンツを見る魅力もあるかもしれない、パンデミックのせいで人々は大勢の人間で映画を観るという共同体験に飢えているのだから。 deadline.com



米国の日刊紙サンフランシスコ・クロニクルのオンライン版『DATEBOOK』

レビュー:日本で史上最高の興行収入を記録した映画『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』は活気に満ちたアニメの乗り物

ジャガーノート(止めることのできない巨大な力)がついに米国に到着した。

聞いたことがない? ではあなたをこの波に追いつかせてさしあげよう。本作は大ヒットした日本のテレビ/マンガシリーズの劇場版映画ですでに世界で4億ドル以上の興行収入を記録している。

新型コロナの世界的大流行の間に積み上げられたこの興行収入は控えめに言っても驚異的だ。10月16日に公開されて以来、現在までに日本国内だけで3億6200万ドル以上を稼ぎそれまで1位だった宮崎駿の2001年のアニメ「千と千尋の神隠し」が築いた興行収入約3億ドルを超えて新記録を打ち立てている。

ほとんどのアジア地域でも大好評でオーストラリアでは1999年の「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」で打ち立てられた興行収入記録を初めて上回った最初のアニメーション映画になった。4月23日金曜日からヨーロッパ、アフリカ、南アメリカ、そして米国で字幕版と吹き替え版の両方の公開が始まっている。

私は漫画を読んだこともテレビアニメ版を見たこともないがそれは問題にはならなかった。話はシンプル。20世紀初頭の日本と思われる舞台で夜通し走る旅客列車に若い悪魔殺しのグループが集結し恐ろしい悪魔から200人の乗客を守ろうとする、というものだ。



『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』が観るものを視覚的に魅了するのはその戦闘の多くが夢の中で行われるところにある。悪魔は潜在意識に入り、死んだ家族が生きていて国中が平和に包まれた幻想的な世界へと彼らを誘うことによってその人間を殺す、あるいは変容させようとする。

その結果我らが若きヒーローたちは自らが内包する内なる悪魔と対峙することを余儀なくされる。戦いは彼らのイドの最も深い部分で行われるためそのシュールな心の風景はほとんどシュルレアリズム(超現実主義)画家のサルバドール・ダリのようだ。

その状況に立ち向かうために煉獄は後輩たちに、恐れに身を寄せるのではなく恐れに立ち向かい克服するための内なる強さと自制心を身につける必要性を説く。

つまり本作は人間と悪魔の戦いについての映画であるだけでなく、キャラクターの成長/成熟を描くバディもの映画でもあるわけだ。

『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』は展開が素早くカラフルで楽しい作品となっている。世界の映画業界を猛スピードで駆け巡るこの列車には今週から飛び乗る事が可能だ。 datebook.sfchronicle.com

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