宇宙でするウンコってどんな感じなの?
What It's Like to Poop in Space - IGN Unfiltered(リチャード・ギャリオット:PCゲーム「ウルティマ」シリーズの作者として有名なゲーム開発者。2008年にソユーズ宇宙船に搭乗しISS(国際宇宙ステーション)に約2週間滞在した史上6人目の民間人宇宙旅行者。)
Ryan McCaffrey(IGN編集長):
あなたが本に書かれた"宇宙空間でのトイレ事情"について聞かないわけにはいきません。あまり気にする人いないでしょうが実際かなり大変らしいですね。宇宙空間では地上にいる時ほどの頻度で大便をしたくはならないが...
リチャード・ギャリオット:
ええ、その時が来たら出さないわけにはいかないのです。
面白いことに宇宙空間でのトイレ事情に関しては アメリカ合衆国の宇宙飛行士ウイリアム・ポーグが1985年に書いた「How Do You Go To The Bathroom In Space?」という本や他にもそれに関する記事などがあるのですが宇宙飛行士たちは宇宙空間で排泄するためにどのようなトレーニングを受けてきたかについてばかり語っていて、私が知る限り"実際に"宇宙空間で排泄するのがどれだけ大変かについては誰も語ろうとしないのです。
「How Do You Go To The Bathroom In Space?」などで語られるのは公衆電話のブースのようなトイレに固体の排泄物を入れる容器と液体の排泄物を入れる容器があり、今は省略しますが重力のない空間なのでたくさんのスイッチやノブを操作する必要があるといった話ですね。でも実際は液体の方は筒状のものに入れるだけなので簡単なのですが固体の排泄物を入れる方はかなり難しいのです。
宇宙ステーションに備え付けられているトイレ(European Space Agency, ESA の動画より引用)
液体の排泄物をファンの力で空気と共に吸い込むホース
固体排泄物用のプラスチックバッグ European Space Agency, ESA
宇宙ステーションで使われているトイレは生ビールを入れる樽のような容器で靴箱ぐらいの大きさのフタの付いた便座が上に乗っかったものです。便座の中にはペットボトルより少し大きいぐらいの大きさの容器がありプラスチックのバッグを取り付けられるようになっています。プラスチックバッグは底に小さな穴が多数開いており、液体の排泄物で使うファンを回して空気と共に排泄物を吸引するホースを取り付けらるようになっています。
つまり「理論上は」空気が吸引されることによって固形の排泄物を出すとプラスチックバッグの中に固形の排泄物が吸い寄せられるというわけです。あとはプラスチックバッグの口を締められるようになっていますのでそれを締めて樽のような容器の中に落として次の人はまた新しいバッグを使用する、それが公式の方法です。
ところが実際は問題があるのです。まず宇宙では人は何日も固形の排泄物をしなくなります、便意が襲ってこないのです。無重力空間では全てのものが浮いてしまうため排泄物も身体の下部に降りてこないからです。つまり便意が襲って来る頃には5~6日分の蓄えができているということになります。そして歯磨き粉で例えると理解しやすいと思うのですが...
(イメージ画像)
Ryan McCaffrey(IGN編集長):
想像し易いですね。
リチャード・ギャリオット:
歯磨き粉をチューブから押し出すと地上では重力によって下方向へ曲がり、やがて重力によって下に落ちますよね。ですが無重力空間ではそのままの状態を維持してしまう、さらに歯磨き粉のチューブを動かすと押し出した歯磨き粉自体も一緒に移動してしまう。
いざ容器の上に座り排泄し始めると直ぐにバッグの底に達しそのまま続けると柱は行き場を失いお尻の周りに広がっていくのです。不快ですし汚してしまう。ではどうすればいいのかと皆が考えるわけです。
まず跳ねてみます、歯磨き粉を振るい落とすかのようにして千切るのです。そしていざ続きをしようとすると今度はバッグの中に先ほど出したもの、障害物がある分さらに早く同じ問題にぶち当たります。5~6日分の蓄えがあるので事態はより深刻です。
どうすればいいかとトイレの中を見回しても中にあるのはトイレットペーパーとして使用する赤ちゃん用のおしり拭き、非常事態用のゴム手袋、それとプラスチックバッグだけです。同じ作業を何度も繰り返すことで解決できるかもしれませんがそれではかなりたくさんのバッグを使ってしまう。宇宙ステーションの限りある備品を無駄に消耗してしまうわけにはいかない。結果皆ゴム手袋とお尻拭きを使いマニュアルで操作するしかないという結論に至るのです。
無重力空間でそんな作業を何度も繰り返すので45分くらい時間がかかってしまいます。出た頃には汗だくで、それを見た宇宙飛行士たちは「haha~、どうやら解決できたみたいだね」と笑いながら声をかけてきましたよ。
面白いのは誰もこんなに大変だとは語ろうとしないこと、それにもっと良いトイレを作ろうとしないことですね。宇宙ステーションにはトイレが2つありひとつはロシア側、もう1つはアメリカ側にあり、そちらは新しいトイレなのですがどちらもロシア製の同じもので、アメリカはロシアからトイレを買い尿を飲料水にリサイクルする機器を取り付けただけのものなのです。
Ryan McCaffrey(IGN編集長):
では数日に一度しかトイレに行かないで済むというのはかなり助かったのではないですか?
リチャード・ギャリオット:
約2週間の滞在中に3度だけしましたがそれで十分でした。
Ryan McCaffrey(IGN編集長):
まさに我々には想像も出来ない宇宙のお話でしたね。
MyJrGamer 宇宙時代が始まる前になんとか重力を作り出せるようにしなきゃ...
Ediranii 宇宙飛行士になりたいと思えなくなりました :D
Sirmel11 なんとなくで見始めたけどかなり興味深い内容だった。
Soul Keeper2626 うむ、これこそまさにジャーナリズムだな。
StarQuakeking とても素晴らしい話だった。もし私が同じ立場ならきっとトイレの中にブツが散乱していただろう。そしてそれを掃除せずに放置し見て見ぬふりをする、そしたら次に入ってきた人がそれに激怒し私をエアーロックから放り出す、そんな未来まで見えたね。
ReviewsInHQ お腹を下した時も固体用の容器を使うのか、それとも液体用の容器を使うのかどっちなんだろ?
Ian Fallarco そんなん飛び散っちゃうだろ、EWWWWW!!!!!
ReviewsInHQ 謎が解けたよ、これで今夜は安心して眠れる。
toluwa11 なんでここまで詳細にトイレ事情を知らなきゃならないんだよ!
lordSeaworth なら何で君はこのビデオを見ようと思ったんだ?
Keno Clayton 私はこの地球上に残ります、宇宙は結構です。
ihaveasnake なんだか見てて もよおしてきた、行ってきます。
NirvanaSucks IGNってゲーム情報サイトじゃありませんでしたっけ? まぁためになる情報でしたけど。
fleeplayTV ほら、この人は一応ゲーム開発者だし
Valasty でもIGNのビデオの中で最高のものだったよ。
Dante Planeta ああ、思わずIGNをチャンネル登録しちまったよ。
Deandre P 面白かった。そんな風になっていたなんて知らなかった。
Huey Freeman まったくもって知る必要のない知識だったけど、正直どうしているのか心配はしていたのでやっぱり知れてよかったよ。
つまり宇宙飛行士は地球に帰還すると便意に襲われるのか
返信削除TOTOに開発任せれば完璧な宇宙用トイレをつくりそうだが
返信削除当時の山崎直子に聞いてみたかったな
返信削除TOTOが日本のすすりの技術を使ったトイレを開発
返信削除想像以上だったな。
返信削除甘かったわ。
トイレの事なら日本人に任せろー(ブリブリ
返信削除飛行兵や戦車兵も悲惨だが、これもなかなか
返信削除こういうのは日本のお家芸だろ。
返信削除トイレ先進国の誇りを見せるべき。
日本の民間人で初めて宇宙に行きそうなのはトイレメーカーの社員。これを解決できたらきっとNASAの敷地に碑が建つぞ。
返信削除こりゃ宇宙に出たら大腸癌とか消化器系の疾病が頻発しそうやな
返信削除老人介護で寝たきりになってしまうと、直腸で便が詰まって大変な事になる前に指を突っ込んで書き出さないといけないって聞いた事がある。
返信削除TOTO開発チームがアップを始めたぞw
返信削除ちょっと前にNASAがトイレのアイデアを募集してたけど、こんなに大変なんだな、ほんと想像以上だったわ
返信削除重力が無いから出した方向へまっすぐ折れたりする事もなく出っ放しになるんだなw そして体を動かしたりすると新しい力が加わってその方向へ動いていくと…恐ろしいw
マーキュリー・ジェミニ・アポロ計画世代なんだが、子供頃知ったのとあんまり進化してないみたいやね。
返信削除有人火星探査の際は往復する間に出す大の量が何トンにもなると、向井万起男さんの本で読んだ。
ちょっと違うな重さが無いから尻から出てもまっすぐはでないし、自重で切れない、出口では筋肉で切れても尻内部に押し出す力はそんなにないからな、
返信削除そこから働くのは表面張力で何かに張り付く力だから水分多いと尻に張り付くってところだろ