ハフィントンポストより

マーベル・コミックの新しい編集長は白人なのに日本人を装ってコミックを描いていた

Marvel’s New Editor-In-Chief Is A White Guy Who Pretended To Be An Asian Writer - 11/29/2017

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マーベル・コミックの新しい編集長C.B.セブルスキー氏は今週火曜日に、かつて日本人の仮名を使ってコミックを書いていたことを認めた。

白人であるセブルスキー氏が2000年代初頭にヨシダ・アキラ(Akira Yoshida)という日本人っぽいペンネームを使用しコミックを描いていたとBleeding Cool.comが報じた。同サイトによると当時セブルスキーは本名でマーベル・コミックの編集者を務めていたが、マーベル・コミックでは編集者とコミック作家の兼業が禁止されていたため彼はヨシダ・アキラというペンネームを使ってコミックを創作していたという

彼の告白はアメコミ出版社Image ComicsのブランドマネージャであるDave Brothersとのツイートでの議論の中で促された。

「マーベルと新しい編集長であるセブルスキー氏になぜ彼が2000年代初めにヨシダ・アキラという日本人風のペンネームを使って「日本」の要素を盛り込んだ数々の作品を書いたのかを尋ねるべきだった」とBrothers氏は述べている。


11月にアクセル・アロンソ元編集長の後継者として発表され、今週編集長を引き継いだセブルスキー氏は声明の中で以下のように述べている。

「ヨシダ・アキラというペンネームは使い始めてから約1年後に使用を止めました。確かに透明性という観点において問題があったと自覚しています。私はこの名前の元で創作やコミュニケーション、プレッシャーなど多くのことを学びました。若く未熟であり考えが甘かった、まだまだ学ぶことが多かった時期のことです。」

そしてセブルスキー氏はこの問題を「今は解決済みの古いニュース」であり、新しい編集長という役職を楽しみにしていると付け加えた。
我々ハフィントンポストの取材に対しマーベル・コミックはセブルスキー氏がヨシダ・アキラというペンネームを使用していたことを認めたがそれ以上のコメントをすることは拒否した。ソーシャルメディア上ではセブルスキー氏がアジア人風のペンネームを使用していたことを批判する声で溢れている、氏の行ったことはCultural appropriation(文化の盗用/文化の簒奪)でありアジア人のアイデンティティーを搾取しているといった内容だ。

セブルスキー氏は2002年から編集者として働き始め、まもなくヨシダ・アキラが「Wolverine: Soultaker」やThor: Son of Asgard」といった作品の作家として名声を上げ始めた。彼の作品の多くで “日本文化” がストーリーに結びついていた。

彼はまたその日本人風の仮名に説得力を持たせるために「日本で生まれ育ち子供時代の一部を米国で過ごし、日本の小さな漫画出版社である富士見書房に就職した」といった詳細な経歴まで創り上げていた、それはコミック関連の情報を扱うサイトComic Book Resourcesでも紹介された。


コミック業界で注目されるアジア系クリエイターが少ないこともあり、セブルスキー氏が日本の要素が含まれる作品に参加するために白人でありながら日本人風の仮名を使ったことに様々な方面から怒りの声が聞こえいる。

本物のアジア人のチャンスを収奪し、巧妙なやり口で己のキャリアや成功への機会を掴んだ、主流からのけ者にされた人種グループのアイデンティティーを利用し恩恵を受ける白人クリエーターの別の一例であると批判されている。

一部のコミックファンはセブルスキー氏の辞任を呼びかけている。

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海外の反応

bleedingcool.comのコメント欄より: ソース


Braaainz 日本人みたいなペンネームを使うなら遺伝子的に日本人じゃないといけないみたいなのはおかしいと思う。別に日本で暮らした事があって詳しいならいいんでないの?

the_tacky_iraqi 彼がヨシダ・アキラという名前を使っていた当時にそれが仮名であると告白していればここまで大事にならなかったのに...

Mxyzptlk 作家が仮名を使うのは珍しくないしな。あのハリーポッターを書いたJ・K・ローリングもクライムサスペンスものを書くとき男性のペンネームを使っていたし。

Dustin Hall 彼は自分を日本人であると、日本人の角度から見た話が作れるぞとマーベルに売り込んだんだろう、彼は実際に日本に住んでいた事があったから。そしてそこでの日本文化に対する豊富な経験が作品にも役立った。

日本人だと嘘をついたのは明らかにマズイが当時はマーベルもネタ切れで困っていた時期で海外視点の物語が書けそうな米国以外にルーツを持つ人材を求めていてどんなに経験や知識を持っていても白人は雇われにくい状況にあった。日本での経験がしっかりとあったわけだし"文化の盗用"みたいな批判はよそうぜ。

Gweskoyen Korsharat 日本に住む白人は、日本に住む白人の経験からしか書くことができない。それは決して実際の日本人からの視点とは言えない。

Alex 彼が書いたのはコミックだ、文化を主題とした論文なんかじゃない。彼が経験した文化やそれに対する尊敬があれば十分だ。ウルヴァリンの脚本を手がけたクリス・クレアモントは日本人ではないが彼の書いた偉大なコミックを誰が否定できよう。

Blade X Alex クリス・クレアモントは日本人のふりをしてなかったがな。

Tom Lee マーベルが編集者はコミック作家を兼業してはならないという厳しいポリシーを持っていたって書いてあるだろ? それにこのセブルスキーは嘘をつき、本来なら日本人またはアジア系の作家が請け負っただろう仕事を盗んだんだ。

Transmit Him 彼はマーベルが求めたルールに従い編集業に専念するか他の出版社でコミックを出すか、あるいはマーベルを退社しフリーになるかといった真っ当な選択肢があったが人を欺くことを選んだ、その上に日本人であるとまで嘘ついたんだぜ? んで「本物の日本人が関わった」とこのコミックは謳われたんだ。

アメコミ界でもペンネームの使用は一般的だけど「 Stan Lee」は「Stanley Lieber」の短縮だし「Jack Kirby」は「Kurtzberg」という本名を改変したものだしその程度の変更がほとんどだ。彼みたいに本人と全く異なる人種に基づいたペンネームなんてありえない、しかも仕事を取るためにそうしたわけだ。

jen yamato 本来はこの国でマイノリティとなっている人が有利であったろう仕事をそのマイノリティであるかのように詐称してこの仕事を得たわけだ、これが"文化の盗用"でないとしたら何だと言うんだ。しかもこの新編集長が不適切な仮名を使っていてしかもポリシー違反までしていたのにそのことについてまともに説明しようとしないのはふざけているとしか思えない。

Joe Corallo 彼がしたことは欺瞞的で人種差別的だ。しかも会社のポリシーにも違反した。マーベルが有色人種の視点や考えを自分達の会社に取り入れようとしていたのに彼らの機会を奪った、彼は編集長を辞任すべきだよ。

Sean Melder う~ん、文化の盗用ってほどかなぁ? まぁ明らかに彼とはかけ離れたペンネームを使っているし、このどこからどう見ても白人な彼が日本人風のペンネームを使っていることに違和感しか感じないけどさ。それより会社のポリシーに反した人間が編集長になるってどうよ?

Vinny Albanese · リベラルを自覚しているけどこれは問題ないかな。たかがペンネームだし、アジア人を装って奨学金を得たといったあからさまに詐欺なら別だけどこの程度なら。

Robert McHenry かつて人々は自身の作品が出版されるためになんでもした。出版は全て欧米の白人男性だけのものだった。女性は男性を装い、非白人は名前を英国風にしたりイニシャルで出版した。そして今度はこの国のマイノリティを装う白人が出てきたわけだ。クリエイターはその作品が世に出るなら何でもするもんさ。

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“The Pile of Spider-Man” by Ryan Hyde is licensed under CC BY 2.0