アメリカに本社を置くIT分野に特化したメディア企業「CNET」傘下の自動車情報サイト『Roadshow』より

ホンダ・インサイト 2019年モデル:燃費55mpgのハイブリッドなのに醜くないプリウス・キラー

2019 Honda Insight: 55 mpg Prius-Killer that's not so ugly | First Drive - 2018/06/19


車を購入する際に "優れた燃費" を重視する人は大勢いる、今私が言っているのは単に燃費が良いという意味ではなく "プリウスレベル" という意味だ。 しかし誰もがあの "醜い" 新型プリウスを運転したいと思うわけではない。

だがここにあるハイブリッド車は極めて普通に見える、そう、これがホンダの新型インサイトだ。ハイブリッド車は何かと主張が激しかったりするものだが、このインサイトはハイブリッド車らしく50mpg以上の燃費を誇りながらも、その "ハイブリッド車らしさ" をあえて隠した車になっている。ではさっそく乗り込んでその乗り心地を体験してみよう。




この三代目となるインサイトは新型シビックのプラットフォームをベースに造られている、またそのサイズもシビックとほぼ同じであるため、ホンダはこの車を "シビック・ハイブリッド" と呼んで発売してもよかったかもしれない。だがホンダ・インサイトという名前にはブランド力があった。

世界初の量産ハイブリッド専用車はプリウスだが、米国で初めて販売された量産ハイブリッド専用車は1999年に発売された初代インサイトであり、車の高速道路/街中での走行/その平均の燃費を発表しているEPA(米国環境保護庁)のテストで初めて高速道路での燃費70mpgを達成した車でもあった。

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新型シビックのプラットフォームをベースにしているがこの車の外板を形成するシートメタルはもちろんインサイト専用に造られたものであり、また走りはより洗練されたものになり静粛性も高められている。それはサスペンションの改良の影響もあるが、ハイブリッドシステムの改良によるところが大きい。

ボンネットの下はホンダ・アコードの小型版のようなものになっている。ガソリンエンジンはアコードの2.0Lではなく1.5Lが搭載され、小型バッテリーパックと2つのモーターと組み合わされることで出力は151馬力、トルクは197lbf⋅ftとなっている。このサイズの車には十分なパワーと言えるだろう。




興味深いことにこの車にはトランスミッションが存在しない。少し複雑なため説明は省くが、もし詳しく知りたい方がいれば我々Roadshow.comに詳細が書かれているのでそちらを読んでいただきたい。簡単に説明するとモーターがCVTの機能を果たしているのだ。

CVTはよくアクセルを踏み込んだ際にエンジン回転数の上昇と車速の上昇との間にラグが生じることが問題視されているがこのモーターをトランスミッションにするインサイトではそれがだいぶ解消されている。相変わらず聞こえてくる音と身体が感じる加速感との間にはズレを感じるが、アクセルを踏み込んでから加速が始まるまでのラグは基本的になく音だけがズレる、これには慣れが必要だがパフォーマンス自体には影響はない。



加速感はトルクのあるモーターのおかげでとても良い、特に街中ではそれを感じられるはずだ。モーターの恩恵は燃費にも及んでおり、重量が増すツーリングモデルでは燃費は51mpgとなっているが、それ以外のEX/LXモデルでは55mpg(23.4km/ℓ)となっている。

ホンダはインサイトに様々な機能を詰め込んでいる。例えば現在どのくらいモーターを使用しているかなどの情報を表示するインパネ、ノーマル/Econ(燃費向上)/スポーツ/EVモードを切り替えるボタン、回生ブレーキの具合を調整するパドルシフトなどだ。これらはより良い燃費の達成を助けてくれるが、私はこの車を試乗しているうちにそれらが全く必要ないことに気づいた。

特に意識することなく、普通にノーマルモードで、普通の人と同じように運転するだけで49~51mpgを返してくれる。その数字は十分なものであり、この車が謳う燃費に近い。




ホンダ・インサイトはベースモデルを含めすべてのグレードにホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」が標準で付いてくる。なのでオプションの選択ボックスにチェックマークを入れなくとも自動ブレーキやクルーズコントロールといった最新の安全技術の恩恵にあずかることができる。

ただしインフォテインメント・ディスプレイは5インチが標準であり、8インチ・ディスプレイにするためにLXモデルからEX/ツーリングモデルにアップグレードする必要性を感じる人はいるかもしれない。8インチ・ディスプレイを選んだ場合Appleの「CarPlay」とGoogleの「Android Auto」が標準で付いてくる、この車で過ごす時間をほんの少し向上させてくれるだろう。




また8インチ・ディスプレイには、助手席側ドアミラーの外側下部に設置したカメラの画像をナビ画面に表示し助手席側の後方確認を支援する「LANE WATCH(レーン・ウオッチ)」が付いてくる、ちなみに私はコレが好きになれない。正直片側だけに対応するコレよりも常に両側をカバーしてくれる通常のブラインドスポット・モニタリングの方が好ましいが、まぁ何もないよりはマシである。




だが全体的に見て私はこの新型インサイトの車内がとても気に入っている。インフォテインメント・ディスプレイは最近流行りのダッシュボードにiPadを取り付けたようなものだがとても良く馴染んでいるし、位置が低めなため手が届きやすく操作しやすい。



またホンダ・シビックの使い難いデジタル式のボリュームコントロールでなく真っ当なボリュームダイヤルが付いているのも好印象だ。

最初に述べたようにこの新型インサイトはハイブリッド車でありながらハイブリッド車らしからぬ佇まいをしている。様々な情報を表示するスマートなデジタルインパネ、各種のドライブモードを設定するボタン、そして車体の色んなところに貼られた「Hybrid」のバッジ以外に、この車を他のホンダのラインナップと違う存在に見せる要素はないと言っていい。

従来のハイブリッド車によく見られるバッテリーを載せなければならないためにできてしまう "出っ張り" でさえも、ホンダはバッテリーを小型化し後部座席の下に収納しただめこのインサイトには存在しない。

ホンダはこの新型インサイトからハイブリッド臭を消した。そのルックスは普通の車であり、その運転した時の感覚もまた普通の車であり、だが燃費だけは "プリウスレベル" の優れた燃費性能を発揮する。常に緑色のライトでエコな運転をしているかどうか指摘し、エコカーであることを周囲に激しく主張する宇宙船のようなスタイルの " あの車 " とは違ってだ。

私はその姿勢は評価する、そしておそらく私と同じように評価するバイヤーは少なくないはずだ。




2019年モデルのホンダ・シビック・ハイブリッドの...
失礼、ホンダ・インサイトの価格はベースモデルのLXが22,800ドルからとなっている。

日々の使い勝手を向上させるダッシュボード周りのテクノロジーのアップグレードを望むならその上のEXモデル、あるいは最高グレードのツーリングモデルを選ぼう。前者は24,000ドル、後者は28,000ドルとなっている。

ツーリングモデルはさらに様々な装備が追加されるために燃費が若干下がることに留意されたし。ただそれでも十分価値があると言えるだろう、これだけの最新のドライバー支援機能、インフォテインメント機能、そして非常に優れた燃費性能を有し、車から降りるたびに恥ずかしい思いをしなくて済むのだから。

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海外の反応

Youtube, reddit.comのコメント欄より: ソース , ソース


Sixty-to-Zero カッコよくね?
すっごく好みのデザインなんですけど。

trav110 Wow, エコカーなのに醜くない。

comfyrain ハイブリッド専用車が通常の車よりルックスで良く見えるのはこれが初めてのことだ。

canadawastoocold 自動車メーカーはハイブリッド車やEVのこれ見よがしの
「Hey look at me, I'm electric!」
なデザインを止めるべきだと思うわ。

もしEVやハイブリッドみたいなエコカーが普通のガソリン車と同じようなルックスだったらもっと買いたいと思う人が増えると思う。

royal_nerd_man_kid 他のホンダのラインナップと比べても浮いていない。

mr_lab_rat 昔のインサイトと違ってちゃんと車に見える。

donnysaysvacuum ホンダはトヨタと逆方向に向かったな、あえて醜くしたとしか思えないプリウスと違ってクリーンでケバケバしくないすっきりとしたデザインになってる。

AstronautGuy42 エコカーのイメージと違ってかなりカッコいい。
このインサイトは例外だけど、プリウスに限らずEVやハイブリッドみたいなエコカーはどうしてあんなにもデザインが酷いのかねぇ?

lionson76 プリウスとかのデザインがアレなのは彼らが美学よりも空気力学を重視しているからだろうな。メーカーが燃料効率を突き詰めてそれを何よりも優先した結果があのデザインなんだろうさ。

ただエクステリアだけでなくインテリアまでも酷かったりするのがあるが、あれに関してはメーカーの連中が何を考えてそうしたのかサッパリ分からん。未来的にしようとしてああなっているのだろうか?

CipherKeys 新型のアコードやシビックよりもずっとカッコよくね?

Datum000 シビックとアコードを足して割ったような、「これがインサイトだ!」っていう独自のテーマが無いようにも感じられる。まぁカッコいいのは確かなんだけど。

Keye T 熱狂的なトヨタファンだけど、でも、むぅ...
もしエコカーを欲しいと思ったらこのホンダ車を選んじゃうな...
ルックスは完全にインサイトの方が上、しかも燃費はプリウスレベルってんだから仕方がないじゃない!

yan-Deriction 実用性を考えたらセダンよりハッチバックの方が便利だ、荷物を載せる機会が多い人にとっては同じハイブリッド車でもトヨタのプリウスかヒュンダイのアイオニックの方が良い選択肢と言えるかもしれない。

Phrancis5 その運転においてもルックスにおいても優れているインサイトにハッチバックバージョンが出たら言うことなしなんだけどねぇ。あとPHEVバージョンも、ホンダ・クラリティPHEVじゃプリウス並みに醜いんだもの。

SlickPlayz プリウスの方が信頼性において勝っているがな、そしてそれが人々がプリウスを買う理由だ。トヨタのハイブリッドシステムは業界で最も完成されている。

lickPlayz トヨタの信頼性の実績は比類ないものだしな。

Edward Russo こと信頼性においてはホンダはトヨタよりも格下なのは間違いない。

Keye T 信頼性は確かにそうだね、ホンダ/アキュラは特に多段トランスミッションでトラブル抱えているし。

John Wu "エコカーであることを周囲に激しく主張する宇宙船のようなスタイルの "あの車" "
プリウスのオーナーはその "エコカーであることを周囲に激しく主張する" 所に魅力を感じているのでは?

toyotaprius79 まぁ昔は "エコですよアピール" したい人はプリウスを選んでいたが、そういった人たちは今はテスラを選んでいる。

Inturl618 同意。プリウスはクソ醜い。

Hippie Bits インサイトのダッシュボードのデザインがいい、個人的にインフォテインメントはダッシュボードに組み込まれるよりも上にポンと置いたようなレイアウトの方が好みだ。

NutNbutSpeed プリウスと比べるとこの新型インサイトは最高にかっこいい。

Brian Grant 平均で燃費55mpg(23.4km/ℓ)...
私の車の高速道路での燃費ですら35mpg(14.9km/ℓ)なのにすげぇな。
まぁスポーツモードは名前だけの代物だろうけど。というか今はあらゆる車にスポーツモードが搭載されているけどあれはなんでだろう...

unknown 5.2LV8エンジンの97年製グランド・チェロキーに乗っているが燃費なんて15mpg(6.4km/ℓ)だぜ!
ちなみにスポーツモードに関しては同意、どこがスポーツやねんって代物ばかりなのになw

Hati Chaudhry アコードとどちらを買うべきか迷うな...
現行のアコード・ハイブリッドの燃費は48mpgでインサイトの方が優れている。が、インテリアとエクステリアはどちらも魅力的だし...

MIQUEL AVERY ハイブリッド車にしてはデザインが素晴らしい。たぶん買うわ。

Minnesota Minnesota エコカーを買うとしたらこの新型インサイトを選ぶ。

roguedogx 見た感じホンダは今回は成功したみたいだな。初代は当時としては素晴らしい車だったが値段が高すぎた。2代目は価格が抑えられたがあのGMですらその品質を馬鹿にしたからな。今回は全てにおいてスキがない、消費者がそのことをもっと認知してくれればいいんだが。

jsponson 新型インサイトが売れることを願ってる。そうすりゃトヨタも奇妙なデザインにすることが間違いであったことを学んでくれるだろうから。

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