日本に住むアイルランド人の日常
The life of an Irishman in Japan - 2018/08/27画像共有サイト『imgur』で日本の写真を投稿するユーザー@InHarajukuに触発されたので、同じく日本に住む外国人として私もここでの生活を記録として残しておこうと思う。ではライジングサンの国のに住む外国人の生活の実態を垣間見てくださいまし。
ちなみに私が日本に到着したのは約1ヵ月ほど前、アイルランドと日本の文化交流の懸け橋となるべくJET プログラム(※)の一環としてだ。
かくして大学を卒業したてのやる気満々のアイルランド人は東京での生活に落ち着くのであった。
(※JET プログラム:JETとはJapan Exchange and Teachingの略で語学指導等を行う外国青年招致事業の意、外国青年を招致してし外国語教育の充実と地域の国際交流の推進を図る地方公共団体が総務省、外務省、文部科学省等の協力の下に実施する事業)
仕事先は東京だけどその近隣の千葉県に住むことを決めた、経済面で合理的な判断をした結果だ。東京で働く人の大部分も同じような感じだ、都心部に住むよりも実質的に家賃は半分になり居住スペースは2倍になる。
母国アイルランドの首都ダブリンじゃ自分を破産状態に追い込むことなく首都近辺に住むことなんて不可能だ、卒業したての身なので尚更。そういった意味でも自分はとても幸運な人間だろう。
私が今住んでいるアパートの家賃は無料で驚くほど速いインターネット回線付きで月400ユーロ(約5.2万円)ほど、ダブリンで同じようなアパートを借りた場合その3倍は払わなければならない。
私のアパートの近隣は超落ち着いた感じのエリアで都会の喧騒からいい感じに切り離された場所だ。それでいて駅までは25分ほどの距離にある。
近所に3つある『シェア畑』の一つ。馬鹿みたいに高いスーパーの野菜の購入を避ける方法としては理想的ではなかろうか?
日々安売りスーパーの中国産野菜ミックスで食いつなぐ私からすれば羨ましい限りである。
2つ目のシェア畑。この地獄のような暑さの夏の熱波の中でも何とか育っている模様。
野菜だけでなくこうして花を植えている人も。ちょっとした華やかさをもたらしててくれるのでとてもいい。
こう土がきれいに耕され植え付けの準備が整った状態を見ているとスターデュー バレー(※)な気分になってくる。
(※スターデュー バレー:海外で人気のオープンエンド式のカントリーライフRPGゲーム)
私の愛車、中古で70ユーロほどで購入。サビがあるかもしれないがこれはこれで味がある。色的にも私の住むアパートのドアの色と合っているので割とお気に入り。
レンガ積み、のように見えるが装飾。実際は他の日本のほとんどの家と同様に木製。この国の地震や台風などの自然災害の多さを考慮すると不安になってくる、例えそれが建築基準に基づいて建てられているとしても。
地震のたびに建物が揺れる光景は不安を煽る。だがアイルランド人の ''Ah sure it'll be grand'' なメンタリティーで割とどうにかなっている。
家の玄関。ウェルカムマットはダイソーで購入、たぶん日本で一番お気に入りの店。
いわゆる100円ショップというやつだが想像以上に質が良くそれなりに家の中を飾る事が可能、ちなみに我が家ではまったく手を付けていないのだが。
ウェルカムマットなのに妙に小さいのがなんか面白くてお気に入り。
板張りの廊下はそこそこの広さ。湿度90%気温40度の日々が続いているためエアコンが届かないところには除湿剤を置いている。
玄関側のちょっとした収納。書類やらなにやらが入っている。
硬貨用の椅子。硬貨用の椅子を必要としない人がいるだろうか、いやいない。だって硬貨用の椅子だぜ?
日本ならではの数多く存在する偉大な創意工夫の一つ。そんなの必要ないだろ、と思っていたがいつの間にかそれなしではいられなくなる。 トイレの上にシンクがある。便利。
その部分にチョコレートミルクとコミックを置くことで用を足しながらくつろぐとバターズが告白し周囲から引かれたサウスパークのエピソードを思い出す。 私も便座に対し逆向きに座ることで用を足すと同時に手が洗えるなぁとふと思ったがそれは人としてやっちゃいけないと思い踏みとどまっている。
鏡に映ってしまうので仕方がなくズボンを履いて撮影(あまりにも暑いため普段はパンイチ)。
ご覧の通り備え付けの洗面所にはたくさんの棚があり、自分のように青白いアイルランド系男子が日焼けを防ぐためのサンクリームがたくさん置ける。
ここにも収納。バスマットと除湿剤はやはりダイソーで購入。
JETプログラムの前任者がこれまた素晴らしい方で、幸運にも新生活に必要な主要な家電家具のほとんどを譲り受けることができた。しかも彼は私の家までミニバンで全ての荷物を運んでくれた、全て無料で。聖人とは彼のような男を言うのであろう。
完全に自動化された温度、気候、照明制御を備えた驚くほど近未来的なバスルーム。
シャワーを浴びるだけでなく乾かすのにも最適。
ちょっと調子に乗ってバスサルトやらお高いソープやら何やらを買ってしまった。だって、こんなに深い浴槽に入ることなんて一生に何度あるよ?
現在のキッチンの状況。シンクにあるのは解凍中の鶏肉。
...いい加減、棚を買わなければ...
下にはさらに収納が。
空間は上手く活用しなければならない。
冷蔵庫、電子レンジ、そしてアメリカの掃除機メーカー「フーバー」のスティックタイプ掃除機は私の素晴らしい前任者から譲り受けたもの。 オイルヒーター、オーブン、電気ケトル、炊飯器私はローカル情報を交換するためのコミュニティサイト『Craigslist』を通じて無料で手に入れた。
なので私の家の家具や家電のほとんどは無料で手に入れた、唯一のコストは荷物を抱え地下鉄を乗り継ぎ家に帰る際に費やした汗と労苦だけ。
現在のリビングルームの様子。
伝統的な日本の様式に習ったダイニングテーブルの配置に落ち着く。もちろんいくつか自分なりにアレンジは加えている。ゲスト用布団を即興のソファーとして使用、とてもワイルド。
カーテンの長さが明らかに窓の高さと合っていない辺りに私の野蛮さが反映されている。だがこれはこれでヴァイキング風というか、海外ドラマ「ヴァイキング 海の覇者たち」で出てくる長屋風でいい感じだと自分を納得させている。
さすがはイケア製である。
別の角度から。いい感じのスリッパは私の家のドアと自転車と色がマッチしている。クッションは揃っていないが、クッションの快適さは人それぞれでありそこには選択肢があるのだと自分を納得させている。
左隅にあるのは中古店で20ユーロほどで購入したルータ。結構新しめ。買ったら剥がすのが普通なステッカーまでついたままだった。
中野ブロードウェイにある村上隆がプロデュースするカフェ『Bar Zingaro』で買ったお茶。おススメなカフェだった。カード社会ではない日本ではポケットにやたらと溜まってしまう小銭が積まれている。
照明を調節するリモコンとビデオ付のインターフォン。
私がこれまで所有した中で最大のクローゼット。未だかつてないカビの脅威に対抗するために除湿剤を大量投入している。 「これで最大?」とお思いだろうがこのようなサイズのクローゼットを置けるアパートはダブリンでは結構な額の家賃を払わないといけない。悲しいことに、これは冗談ではない。
快適なベッドルーム。日本でベッドを手に入れるならAmazonで注文するのがオススメ。家具やで買うよりもはるかに安く注文した届けてくれる、しかも送料無料。
ちなみに約150ユーロで購入。
日本版イケアであるニトリでクッションやまくらを購入、快適レベルが格段に上がった。特にホテルとかで使われているタイプの枕がお気に入り。隅に置かれた帽子とハンドタオルは外出する際には不可欠なもの。
もうちょっと離れて撮ってみた。快適そうだろ?
またしても素晴らしい前任者から譲り受けたニトリの棚。家族の写真やマルチビタミン(現在インスタント麺で食いつないでいる私が栄養失調で死なないためのもの)が収められている。
また別の角度から。中央のラグはドンキホーテで購入したもの。買って良かったと思えるものの一つ。
またしてもニトリの棚、ここにはテック系のものをまとめて置いている。アレクサのセットアップはまだしていない、目覚まし用に朝の6時に音楽を流すよう命令したいところだがお隣の迷惑になるのではと考え中。
買って良かったと思えるものの一つ。シンプルだがいい感じのZara Home(ファッションブランドでお馴染みのZARAのインテリア版)の照明、中古販売店で10ドルほどで購入。
私の現在の職場のワークスペース。ご覧の通り、日本はハイテク技術が溢れる一方で依然として紙ベースの仕事環境であることがわかる。
毎日大量の紙を収集、整理、署名しなければならない。大量の紙を使うが両面コピーにしている辺りに環境への配慮が感じられる、やったね、これで数本くらいの木は守られる。
私が働く学校からの眺め。ラブリーである。
学校では美術部と国際交流部で生徒たちの手助けをしている。嬉しいことに私の生徒の一人が、うだるような8月の暑さの中で汗だくになって学校まで辿り着いた直後の疲弊した姿をわざわざ選んでガイジン先生のデッサンを描いてくれた。犬が書かれているのは今日はインターナショナル・ドッグ・デイなんだよと伝えたからだろう。
最後に日本での生活の中で撮影した写真をランダムに紹介しよう。これは無印良品のMUJIカフェで食べた実に美しいマンゴーチーズケーキ。見た目だけでなく味も素晴らしかった。
新宿で見かけた可愛らしいウサギ。赤く光る首輪をしたいかした奴だ。日本のファッションの最先端を垣間見た。
鎌倉で食べたエッグベネディクトとメロンパン(?)いくつか。
10/10の満点、日本に来るならぜひ試してみて欲しい。
最後は江の島の謎めいた自動販売機で買った黄色いコーラ。
さて、これで今回はお終いだ。日本での生活がどういってものなのかを少し紹介したが楽しんでいただけただろうか?
もしJETプログラムに興味を持ったなら私は心の底からそれをお勧めする、それは私の人生の中でも最高の経験の一つになっている。質問があれば応える、気軽に聞いてくれ!
海外の反応
reddit.comのコメント欄より: ソースSev826 同じくやる気満々のアイルランド人で2019年にJETプログラムに参加したいと思っているんだけど、東京は配属先として人気があるからなかなか選ばれないって聞くけどどう? それとアイルランドって競争激しかったりするのかな?
Tuxion(スレ主) アイルランドに割り当てられた枠が少ないから競争は厳しいね、正直イギリスやアメリカの数字を見ていると不公平だと思うわ。でも日本に対する興味、どれだけ日本という国に関心があるかを示せれば十分選ばれることは可能だ。 東京もやっぱり厳しいとされる、面接で他の人に引けを取らない情熱を見せねば。面接では3人の面接官が変な質問をしてきたりすることもあるからとにかく落ち着くことだ、それとわからないと答えることを恐れてはいけない、もちろん答ようとする努力は見せなければならないけどね。
temujin64 皆日本のことを知らないからとにかく東京を選ぼうとするんだよね。だからあらかじめ日本のことを調べて面白そうな場所、ここで色んな経験をしてみたいと思う場所を見つけておくことだ。そしてどうしてそこに行きたいと思ったのかを面接で伝えればいい。 私はJETプログラムで神戸に言ったんだけど素晴らしい体験だったよ。日本滞在中に全国を回った。東京はそれほど面白くなかったかな、なんか関西の方が性に合っていた。
frothtown 同じく日本に住んでいるんだけど冷蔵庫と洗濯機が全く同じもので笑ったw ああ、それとトイレに感動しているようだがウォシュレットは絶対に取り付けるべきだ。私はもうこれ無しでは生きられない、絶対に国に持ち帰る(どうにかして)。 それとamazonプライムには入っておいて方がいい、HBO(アメリカ合衆国の衛星およびケーブルテレビ放送局)のドラマや映画のラインナップはかなりのものだ。まぁ日本語字幕がちと邪魔だけど。
Tuxion(スレ主) amazonプライムにはもう入ってる。救世主様ですわ。
alphacross ウォシュレットならイギリスでも購入可能だ、アイルランドと日本とじゃ電圧が違うからこっちで買った方がいいぞ。こっちの230Vに対応している家電も結構あるけどそうでないものもあるからよく調べておくといい。私の場合日本から持ち帰った家電の中でコタツだけは対応してなかった、変圧器がまたデカいから結構めんどくさい。
Jonako ちなみに日本までの飛行機代って自腹?
Tuxion(スレ主) JETプログラムの方でチケットは用意してくれたよ。
fleetingmeet 労働時間はどんな感じ? 日本で暮らしてみたいとは思うんだけど日本の企業文化が合うかどうか心配なんだよね...
Tuxion 私の場合は週35時間ってところだね。授業の無い時間はデスクで日本語の勉強をする時間もあったりする。ただよく欧米のメディアが日本社会の問題として長時間労働やストレス、うつ病なんかを取り上げたりするけどあれは本当だと実感するね、私が通勤に使う電車の路線では月に数回人身事故が起きているから。 夏休みだってのに学校に来る生徒たちが多いことにも驚いたな。
MarkTwainsSpittoon 地震の心配をしているようだからいい情報を。日本と同じく地震の多い地域のサンフランシスコに住んでいるんだが、1〜3階建ての木枠建物は地震時に最も安全で生存率も高い、柔軟性があり揺れのエネルギーをある程度吸収できるからだ。逆にレンガや石、コンクリートは硬いため吸収できないからそっちの方が悪かったりする。それに古い建物は例外かもしれないが基本的に日本の建物は建築基準に則って建てられているから心配いらないよ。
Tuxion(スレ主) それは知れて良かった。でもガスの問題はどうなんだろう? 96年に神戸で地震が起きた時は火事で大勢が亡くなったって聞くし...
MarkTwainsSpittoon なるほど、じゃあガスを遮断する方法を知っておくべきだね。 日本ではどうなのか知らないけど米国ではガスメータが建物の外にあってそこにあるパイプにバルブが付いている、それをレンチで90度回せば閉じられる。大地震があったら直後にそれを行うことでガスが遮断されガス漏れや火災を防ぐことができるはずだ。
Tuxion(スレ主) ちょっとレンチ買ってくる。
Mad_Mack 日本だと一定以上の規模の地震があった場合は自動的にガスを止めるようになっているよ。
Tuxion(スレ主) 何それ便利すぎ。心配事がまた一つ減ったぜ!
Pig_Becker 興味深い写真をありがとう、日本にはいつか行ってみたいと思ってたから余計に面白かった。
Tuxion(スレ主) 良い所だよ、特に旅行する価値のある国だと思う。
polyp1 言語の壁は結構大きいと思うんだけどよく生活できるな。
Tuxion(スレ主) 多少は日本語を覚えたけど、まぁグーグル翻訳とマップのおかげですわな。
conormatthews98 硬貨用の椅子って、何あれ。
Tuxion(スレ主) あれは私が物理的通貨の狂気にゆっくりと染まっていく様を表しているのだよ。まぁ要は日本はカードよりも現金を使うことに執着しているので何かと小銭が溜まるから適当に置いているのだ。
ViserionWight 日本によく来たな、私もここ横浜に6年住んでいる人間だ。日本は必ず訪れるべき場所だよ、私の友人や家族は皆ここへ旅を楽しんでいた。しかももうすぐラグビーワールドカップと東京オリンピックもやってくる。
Tuxion(スレ主) 本当にいい時に来れたと思うよ。
TaintedShirt 共有してくれてサンクスだ。私もJETプログラムに興味を持っていたからとても参考になったよ。
Tuxion(スレ主) ぜひ参加してみるべきだ。世界で一番安全であることを実感できる、しかも便利さもハンパない。
Fernxtwo 給料とか生活費はどんな感じ?
Tuxion(スレ主) 年に約28,000ユーロってところかな(約364万円)。
keanehoody バスルームがお気に入りなようで。
Tuxion(スレ主) 日本の風呂最高。超深い。ちょっとしたスパ気分を味わえる。
日本のJETの生活を気に入ってもらえてなによりw
返信削除地震だ火を消せ!風呂の水は貯めて桶
返信削除本文でも別の人が答えてるように、今のガス器具は地震時に自動的に消える
削除昔は政府も地震時はすぐ火を消せと言ったけど今は言わない
逆に火を消すなどして動き回るのは危険と広報している
やけに細いな、、体だけみるとアジア系に見えないこともない
返信削除白人ならば健康状態が気がかりになるところだ
ヨーロッパ育ちには今年の夏の猛烈な湿度と暑さは相当こたえるだろう
だがそれより心配なのは虫の害のほうだ
欧州育ちの人間はダニ対策なんてまずわかってないだろうし
布団なんて干すわけもないし、虫に刺されて眠れないというのは本当にきついと思うな
一日の最後にふさわしい記事だったw
返信削除アイルランドから来日して今年の夏は辛かろうな
返信削除冬はほとんど似た気候のようだが
投稿者も言ってるように、ダブリンの不動産はバカみたいに高い。
返信削除日本には敷金礼金とかいうふざけた慣習があるが、それ含めてもダブリンの方が余裕で高い。
デフレのせいで感覚が麻痺してんのかとも思ったけど、それを加味しても高い。
まぁでも半年しか住まなかったが、良い経験だった。
のんびりとしてそうなにーちゃんだなw
返信削除ガスより通電火災だからね
返信削除自国の企業等で一度働いてから日本に来てみるといいよ
返信削除アイルランドではないがアメリカでもFAXや紙等
まだ使ってるところも多いよ、PCは超古いしw
>>近所に3つある『シェア畑』の一つ。馬鹿みたいに高いスーパーの野菜の購入を避ける方法としては理想的ではなかろうか?
返信削除こう言うのは意外と金掛かるぞ
正直、素直に買う方が安い
むしろ自動でガスが止まった際の復帰のさせ方こそ覚えて置いてもらったほうが…
返信削除神戸だから靴を脱ぐ習慣がないな。玄関でいちいち靴を脱いだり履いたりって正直苦痛でしかない。
返信削除千葉ではそうなんだな。
地震で自動停止した時の復帰方法の方が大事かも
返信削除>馬鹿みたいに高いスーパーの野菜
返信削除どんだけ田舎の国の出身なんだよ…
オイルヒーターは電気代がすげーかかるんだけど・・・お金がない人みたいだし、誰か教えてあげて欲しい。
返信削除こんな馬鹿外人に日本人の税金使って出血サービスともいえる至れり尽くせりの生活保障してやる必要がどこにあるんだよ。
返信削除