ギズモードやライフハッカーなどを抱えるアメリカのオンラインメディア企業ゴーカー・メディア傘下の自動車情報サイト『Jalopnik』より

マツダがロータリーエンジンの復活を正式に発表、電気自動車用レンジエクステンダーとして

Mazda Officially Announces the Return of the Rotary Engine As Range Extenders for Electric Cars - 2018/10/02

(↓ ロータリーエンジンがどう動くのかがわかる動画)
How the rotary engine works


どうだ?

アフラ・マズダー へいくら祈りをささげても無駄だと君たちは言った。だが見てみたまえ!
願いは聞き届けられたではないか!

マツダのあの伝説のロータリーエンジンが戻ってきた! それもちゃんと車に!



ただ当然のことながらゾロアスター教の最高神であるアフラ・マズダーの力はかつての、紀元前500年のものには及ばない。全盛期を過ぎたがゆえに全てが完璧な形で叶えられたわけではなかった。

確かにマツダはロータリーエンジンの復活を正式に発表した、ただし電気自動車のレンジエクステンダーとして。

だが考えてみて欲しい、それでもロータリーの復活には違いはないのではなかろうか? そう、ついに3角形ローターが我々のもとに帰ってきたのだ!

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OK、わかってる、冗談はこのくらいにしておこう。

マツダは2030年までにガソリンエンジンのみの車、ディーゼルエンジンのみの車をなくし全車種の95%を内燃機関+電動化のハイブリッド車にすることを計画していると発表した。残りの5%は純粋なEVだ。そしてハイブリッド車のレンジエクステンダーとしてロータリーを使用する予定だという。

マツダは小型で高出力なロータリーエンジンをベースにすることで電動化に付随する様々な問題に柔軟に取り組めると強調している。特にロータリーエンジンはガソリンだけでなく水素や天然ガスなどの気体燃料との相性も良いことから液化石油ガスなどにも対応できるように設計するとのことだ。

またロータリーは振動がほとんどなく従来のピストンエンジンよりも可動部品が少ない、つまりメンテナンスにかかるコストが減り寿命にも寄与するということだ。そういった意味でレンジエクステンダーとしてロータリーを使用するのは良い選択だといえるだろう。




さらに今年9月に提出されたマツダの特許を見てみるとこのレンジエクステンダーに使われるロータリーエンジンのローターは垂直ではなく水平に回転することが可能なようだ。

フラットで水平な構造は車体への組み込みを容易にするはずだ、例えばハイブリッドのバッテリーと共に車の床下部分に収容することもできるかもしれない。



ロータリーレンジエクステンダーを搭載した最初のマツダハイブリッドは2020年に登場する予定だ。

もちろん我々が期待したような『ロータリー搭載新型RX-7!』などではなかったのは残念だ。だがロータリーエンジンが過去のものとして消え去るのではなくこれからも生き続けてくれる、それがわかっただけでも嬉しい話ではないか。

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海外の反応

jalopnik.comのコメント欄より: ソース


tekdemon "メンテナンスにかかるコストが減り寿命にも寄与する"
ロータリーエンジンですよ?

Jerry Harding ジェネレータと自動車のエンジンとでは使われ方が全く違ってくる。

Furansu ロータリーは約3,000RPMが最も効率的な回転域だと言われている、それに発電機のように一定の回転数を維持し続けるのに適している。

Adam Panzica レンジエクステンダーの場合自動車のエンジンのように300馬力をひねり出す必要もないしね。回転数を一定に保つだけでいいから負荷が少なく、しかも出力は40~60馬力とかそのくらいでいいからより小型にすることも可能。

さらにローターが水平に配置されるということはメンテナンスや交換も楽になるはずだ。信頼性に関しては問題ないだろうね。燃料も選ばないしレンジエクステンダーの動力としては理想的だと思う。

Ad_absurdum_per_aspera それにレンジエクステンダーってのはバッテリー残量が少なくなった時の応急策だから使われる頻度がそもそも少ない。

Jerry Harding マツダが再びロータリーエンジンの車を出す気になったのは嬉しいよ、でもちがう、そうじゃない。

TheSillyMan レンジエクステンダーとかどうでもいいんでRX-8の新型を作ってくれませんかね...

featherlite ロータリーエンジン復活にぬか喜びした諸君の心の傷に塩を塗ってやろう。

(ロータリー搭載が噂されているマツダの新型スポーツカー「RX-VISION/RX-9コンセプト」)
...ぶっちゃけロータリーじゃなくてもいいんで、スカイアクティブエンジンでいいんで、こっちを作ってくれませんかね...

voicekiller1 東京モーターショーで実際にこの目で見たわ、写真で見るよりさらにセクシーだったわ。

Low and slow "全車種の95%を内燃機関+電動化のハイブリッド車にすることを計画していると発表した。残りの5%は純粋なEVだ。"
はい死んだ、マツダ・ロードスターは2030年までに死ぬことが確定しました。

arach ロータリーエンジンの特徴は高回転高出力であること、それはつまり "まともな" レンジエクステンダーとして機能する可能性があるということでもある。

多くのレンジエクステンダーが抱える問題に必要な電力を十分に出力できないことがある。発電用エンジンの出力は駆動用モーターの最大出力を賄うことができない、そのためそれらは電池の残量に合わせて、バッテリーが残っているうちから "あらかじめ" 発電しバッテリーの減るペースを遅らせる仕組みになっている。

真のレンジエクステンダーに求められるのはグリーンであることでも燃費が良いことでもない、レンジエクステンダーだけで走れる能力、常に走り続けることができる能力、年に一度くらいあるかもしれない長距離移動時にそれを走り切る能力だ。

Sam B ロータリーはジェネレーター用のエンジンとして優れている、M1エイブラムス戦車にも使われたぐらいだ。まぁこっちはディーゼルロータリーだが。

VoltRon M1ってガスタービンエンジンで動いているんじゃなかったっけ?

Sam B メインの動力はそうだね。でもガスタービンが使えなくなる事態に備えてジェネレーターが搭載されるようになったんだ、なんせ各国の戦車と比べても燃費が極めて悪いことで有名だったからな。

The Devil Drives a Mustang (Rotary Pending) でも最終的にはロータリーじゃなくバッテリーパックに変わっていったとか。

Sam B 70年代に最初に製造されたM1A1型が改良されM1A2となったわけだがそこからさらにシステム拡張パッケージ(SEP=System Enhanced Package)が適用されていった。補助動力装置としてディーゼルロータリーが搭載されたSEPバージョン1がリリースされたのは2001年、現在はSEPバージョン3になっていてディーゼルロータリーの改良の話も出たが最終的にバッテリーパックに変わっていった。

Eezep マツダがすでに確立されたピストンエンジンを使うのではなく、わざわざロータリーで新たに開発する決断をしたことが驚きだ。例えばBMWなんかはi3にBMWのバイクであるC650 GTの647ccエンジンを使っているし。

Skyrocketing Resale Value たぶん重量が少ないことや小型ゆえの組み込みやすさが採用の決め手になったんじゃないかね? それにマツダはこれまでにロータリーエンジンにかなり投資してきた、業界の誰よりもその力を理解しているし新たな使い道もずっと模索してきたはずだ。

Sgt Jmack 自動車の未来は電気自動車、なんて話になっているけどEVの航続可能距離にしろEVステーションの普及にしろ劇的に変わるってことは当分なさそうだしな。現状はレンジエクステンダーという妥協策があって初めてまともにEVというものは機能する、そこに力を入れるマツダの決断はおそらく正しい。

Quade いいアイデアな気がするわ。 ロータリーエンジンには問題があるけどコンピューター制御でRPMを一定に保ち続ける発電機という使い方ならメリットしか残らないんじゃね?

Shorty77 ロータリーエンジンのもっとも得意とするところをフル活用できるわけだ。

Fjord レンジエクステンダーの排ガスの件はどうするんだろう? 私の知る限りロータリーエンジンは排ガス規制への対応が難しかったはずだが。 それとも一番得意とする回転域のみでの使用によってその辺も解決できたりするのだろうか?

Indiana Jones, PhD 俺たちが求めていたロータリーはこんなんじゃない! と文句を言うつもりで記事を開いたがなかなかどうして、道理にかなってるじゃないの。

300Returns 今後RXシリーズもハイブリッド、そしてEVへと変わっていくんだろうけど、そこにロータリーエンジンが積まれていると思うとちょっと面白いな。

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