BTS「原爆Tシャツ」と「ナチス」問題への海外メディアの反応まとめ



米国最大の一般大衆紙『USA Today』

BTSのメンバーが原爆Tシャツとナチスの鍵十字/ハーケンクロイツが入った帽子を着用していたことを受け所属事務所が謝罪

BTS' agency apologizes for boy-band members' atomic-bomb shirts, swastika hat - 2018/11/14



KポップのスターであるBTSの事務所が水曜、同グループのメンバーが原子爆弾が爆発する様を描いたTシャツとナチスのシンボルが入った帽子を着用していたことに関し謝罪した。

BTSの番組出演を予定していた日本のテレビ局はこのTシャツを着たメンバーの写真が口コミで一気に広がり物議を醸したことから急遽取り止めることになった。

さらに他のメンバーが雑誌の写真集でナチスのシンボルをつけた帽子を着用していた、バンドのメンバーが過去のコンサートでナチスのかぎ十字と思われるデザインが描かれた旗を振っていたというニュースが飛び出しBTSはさらなる窮地に立たされた。これらを受けてBTSの事務所であるBig Hit Entertainmentは声明で謝罪した。



問題となったTシャツには日本に落とされた原爆の写真と共に第二次世界大戦が集結したことにより韓国が日本から解放されたことを祝福する韓国人の写真が描かれていた。

北朝鮮と韓国に分断されるまで朝鮮半島は1910年から1945年の間に日本により植民地化された歴史があり、南北の両国ではそれに対する強い憤りが未だ燻ぶっている。しかしその韓国でも日本への原爆投下を公然と嘲笑したり祝福することは非常にまれだ。



BTSの事務所は原爆Tシャツの着用は「決して意図的なものではなく」原爆の使用によって影響を受けた人々を傷つけたり軽んじる意図もなかったと説明、妨げる可能性のあったことに対し予防措置を講じなかったことを謝罪した。

ナチスのシンボルの入った帽子に関しては写真集に使用されたすべての服やアクセサリーは出版元と共にこの仕事に関わったメディア会社によって提供されたと説明、問題の旗に関してはナチズムではなく韓国の抑圧的な制服制度や権威主義的な教育制度の象徴として使用したとしている。

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アメリカのニュースチャンネル『CNN』

KポップバンドBTSはナチスの帽子の着用に関し謝罪しなければならない、ユダヤ系の人権団体が声明

Jewish group says K-Pop band BTS should apologize over Nazi-style hats - 2018/11/14



韓国のボーイズバンドBTSがナチスのシンボルが施された帽子を着用していたことでユダヤ系の人権団体から批判されている。

ホロコーストの記録保存や反ユダヤ主義の監視を行う米国に拠点を置くユダヤ系の人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」はウェブサイトに掲載された声明で、ユダヤ人強制収容所を監督していたSS/ナチス・ドイツの親衛隊のシンボルであるドクロが施された帽子を人気KポップグループのBTSが着用していたことに対し抗議した。



同センターの副所長を務めるラビ(ユダヤ教に於いての宗教的指導者)エイブラハム・クーパー氏はBTSのメンバーが日本の都市である長崎に落とされた原爆を祝うようなTシャツを着ていたことで日本のテレビ局から番組出演が取り止められたことにも言及し、BTSに「日本の人々とナチズムの犠牲者の両方に謝罪する義務がある」と述べた。

声明はまたナチスの鍵十字/ハーケンクロイツと「気味が悪いほど類似した」大きな旗をBTSのメンバーがコンサートのステージで振っていた事も取り上げている。

ラビ・クーパー氏はまた同グループのファッションの選択、さらにそれに影響された韓国と世界中の若い世代は「歴史の教訓を消し去る」ことを助長しているとしてメンバーとグループの所属事務所の両方に公式に謝罪することを要求した。



BTSの所属事務所であるビッグヒットエンターテイメントはこれらを受け水曜に声明を発表、謝罪した一方で全ての責任はビッグヒットエンターテイメントにありBTSのメンバーにはないとしている。同事務所はまたサイモン・ウィーゼンタール・センターと日韓の原爆被害者を代表する組織に連絡を取り説明と謝罪を申し出たと述べた。



無神経なファッション

BTSはファシズムを象徴するものを使用してことで物議を醸したが同様のケースが近年、韓国やタイ、インドネシアをはじめとするいくつかのアジア諸国で起こっておりニュースの見出しを飾ってきた。

国際問題を扱うストックホルムのシンクタンク Institute for Security and Development Policy のエリオット・ブレナン氏によればこれは西側諸国が考えるナチス・ドイツが持つ歴史的意味が多くのアジア諸国では共有されていないことに起因しているとのことだ。

彼は2016年に台湾で起きた事件に言及し(※)、アジアではナチズムの惨劇は日本の帝国主義の残虐性によって覆い隠され、それらが持つ象徴的な意義は欧米ほど共感されていないとCNNに語った。
※2016年12月25日に台湾新竹市の高校で行われた開校記念祭で一部生徒がナチス・ドイツの軍服を模した衣装を着用した事件 (レコードチャイナの記事へのリンク




「非常に多くの非難の声が上がったこの台湾で起きた問題は文化的相対主義の危険性を思い起こさせる事件でもあります。 東アジアの国々にとって第二次世界大戦が意味するものはナチスやヒトラーではなく日本の帝国主義です。当時のドイツを学ぶ時間はヨーロッパや北米よりも比較的少なくなってしまっているのです」
文化的相対主義:それぞれの文化は外部の価値観によって測ることはできない、自分が属するものと異なる文化のあり方を認めようといった感じの考え方




ブレナン氏によるとナチスの制服はアジアでは政治的または歴史的な意味よりもパンクや反エスタブリッシュメントの意味合いが強いという。

「"ナチシック" として知られるこのファッションは政府などの支配体制に対する反抗の意思の一つの現れであり、アジアでそれらを着る人々はその歴史的な意味合いをほとんど知りません」

2016年には日本のガールズバンド『けやき坂46』が舞台公演時にナチス親衛隊SSの制服に似た黒い帽子とケープを着用したことでソニーミュージックが謝罪に追い込まれるという事件が起きた。

その2年前にも韓国のポップスグループ『Pritz』がミュージックビデオで黒いシャツに赤い腕章を着用していたことに対し、ナチスのように見えることを意図したわけでは決してないと釈明に追い込まれていた。
アメリカ合衆国のニュース雑誌『TIME』

BTSの所属事務所が謝罪、ボーイズバンドが原爆Tシャツとナチスのシンボル使用で激しい怒りを引き起こしたことで

BTS Management Apologizes After Boy Band Causes Outrage With A Bomb T-Shirt & Nazi Symbols | TIME - 2018/11/14



韓国のボーイズバンドBTSのメンバーの一人が日本の長崎に落とされた原爆を祝福するようなTシャツを着用し、さらに他のメンバーがナチスのシンボルが装飾された帽子を着用していたことを受けBTSの所属事務所が謝罪した。

「これらの問題に対し細心の注意を払うべきところを我々が怠ったことで苦痛や不快感を経験したすべての人々に心よりお詫び申し上げます」

同グループが所属するビッグヒットエンタテインメントは水曜に発表された声明でそう述べた。



この問題に対しロサンゼルスに拠点を置くユダヤ系の人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センターは『過去を嘲笑』していると非難、グループは日本のテレビ番組に出演する予定だったがそれもキャンセルされた。

原爆の被害者を嘲笑するTシャツの着用、これは紛れもなくこのバンドがこれまでに行ってきた『過去の嘲笑』、その最新のケースである

この道徳に反する言語道断な事件は、そこに人類史における最も暗い時代の一章に対する知識が基本的に欠如していることを明らかにしており、それは若い世代の未来を危険にさらすものである

同センターの副所長を務めるラビ(ユダヤ教に於いての宗教的指導者)エイブラハム・クーパー氏は声明でこう語りBTSがナチス・ドイツの親衛隊のシンボルであるドクロが施された帽子を着用していたことやコンサート中にナチス風の旗を振っていたことなどにも言及しつつ同グループにはホロコーストのユダヤ人被害者および日本の広島と長崎の被害者に謝罪する義務があると述べている。



ビッグヒットエンターテインメントは声明で「ビッグヒットのスタッフやBTSを含むすべてのアーティストが戦争や原爆を軽視していないことを明確にしたい」と述べ、彼らは「ナチスを含むいかなる全体主義、過激主義も軽んじていない」としている。
イスラエルのオンライン新聞『the Times of Israel』

KポップバンドBTS、メンバーが原爆Tシャツとナチスのエンブレムの帽子を着用していたことを謝罪

K-Pop band BTS apologizes for member’s A-bomb shirt, Nazi emblem hat - 14 November 2018



KポップのスーパースターBTSの所属事務所が水曜、原子爆弾の爆発を描いたTシャツとナチスのエンブレムの描かれた帽子をメンバーが着用していたことに対しに謝罪した。

日本のテレビ局はBTSの番組出演を予定していたがこれらの写真が拡散/話題となったことでそれを取り消した。その後も他のメンバーが雑誌でナチスのシンボルが入った帽子をかぶり、過去のコンサートでもナチスの鍵十字/ハーケンクロイツと思われるものが描かれた旗を旗を振っていたことが判明しBTSの所属事務所は「これらの問題に対し細心の注意を払うべきところを我々が怠ったことで苦痛や不快感を経験したすべての人々に心よりお詫び申し上げます」と声明で謝罪した。



問題となったTシャツには日本に落とされた原爆の写真と共に第二次世界大戦が集結したことにより韓国が日本から解放されたことを祝福する韓国人の写真が描かれていた。

北朝鮮と韓国に分断されるまで朝鮮半島は1910年から1945年の間に日本により植民地化された歴史があり、南北の両国ではそれに対する強い憤りが未だ燻ぶっている。しかしその韓国でも日本への原爆投下を公然と嘲笑したり祝福することは非常にまれだ。



韓国の複数の政治家は日本の放送局がBTSの番組出演を取り消す決断をしたことを批判、「歴史に関する自己中心的見解」が含まれ、政治が文化交流を妨げることを許したとしている。



原爆Tシャツ問題がエスカレートしていく中でBTSが昨年のコンサートでナチスを連想させる旗と衣装を使用していたことが、さらに2014年にはSS/ナチス・ドイツの親衛隊のシンボルであるドクロが施された帽子をグループのリーダーであるRMが着用していたが明らかになった。

SSは600万人のユダヤ人の命を奪ったナチスドイツによるホロコーストで重要な役割を果たしており、世界的に知られるユダヤ系人権団体はBTSに対し「過去を嘲笑」していると非難した。



このグループが日本の人々とナチズムの犠牲者に謝罪しなければならないことは言うまでもない

ロサンゼルスに拠点を置く人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センターのエイブラハム・クーパー氏はそう語った。

このグループのキャリアを築き宣伝してきた人々は過去の凄惨な記憶を過小評価することに慣れきってしまっている

その結果として彼らに影響を受ける韓国や世界の若い世代は、人種や民族に対する偏見や偏狭な考えを "クール" と同一視しがちになっており、歴史の教訓を消滅させる可能性を高めている



水曜夜に東京ドームで行われたBTSのライブには5万人が詰め掛けたと報じられており、現在のところこのTシャツ問題は同グループの日本における人気に深刻な影響を与えてはいないようだ。

BTSの事務所は原爆Tシャツの着用は「決して意図的なものではない」とし、「原爆の使用によって被害を受けた人々を傷つけたり軽んじる意図はなく、そのような事態に対する予防措置を講じなかったことを謝罪した。
オーストラリアの公共放送局『SBS』

Kポップバンド、原爆Tシャツが日本で騒動になったことを受け謝罪

K-pop band apologises for nuclear blast shirt after Japan row - 2018/11/14



非常に人気のある韓国のボーイバンドBTSのメンバーの一人が日本に落とされた原爆の描かれたTシャツを着ていた問題を受け謝罪文を公開した。日本市場は同グループにとって主戦場の一つとなっており現在日本ツアー中のBTSはその間に380,000チケットを販売している。

(※原爆Tシャツやナチス関連の衣装、ユダヤ系人権団体の抗議などに触れた部分は他の記事とほぼ同じなので割愛)



'No braincells'(脳細胞がない)

メンバーがナチスを連想させる衣装や旗をコンサートで使用していたことに関しBTSの所属事務所であるビッグヒットエンターテインメントは問題となっているパフォーマンスは韓国のベテランバンドSeo Taijiが手掛けた『Classroom Idea』であり、「厳格に標準化された教育制度に対する社会批判」を目的とした内容であると説明している。

またこれは全体主義を批判することを意図したものであり民族社会主義/ナチズムとの関連は決してないと付け加えた上で日本と韓国の原爆被害者団体とユダヤ系人権団体に被害者を傷つける意図はなかったことを説明、謝罪したという。



BTSはKポップ現象を率いるグループであり、今年初めにはKポップバンドとしては史上初めてビルボードのアルバムランキングのトップを飾るなどこのジャンルが世界的な人気を博していることをうかがわせる活躍を見せている。

そのため韓国のファンやメディアは彼らのアイドルを守るために躍起だ。

BTSのパフォーマンスに向けられている非難の声に対しあるファンは
「お前たちは脳細胞がない。これは韓国の教育制度に対する歌なのは明らかだ」
とツイート、韓国の保守系新聞『中央日報』のMin Kyong-won は
「日本は単に韓国の落ち度を見つけようとしているだけだ」
と書いている。

先月、韓国最高裁は日本の鉄鋼大手に戦時徴用を強いられた韓国の被害者に補償するよう命じており、『中央日報』のMin Kyong-won は日本のネットワークは「日本の反韓感情からBTSを見せしめにしている」と述べた。

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その他の主要メディアの見出し

カナダの英語系民放テレビ放送ネットワーク『グローバルテレビジョンネットワーク』

KポップバンドBTSの所属事務所がナチス関連の写真に対し謝罪

K-Pop band BTS' managers apologize over Nazi photos - 2018/11/14



アメリカ合衆国ワシントンD.C.の日刊紙『ワシントンポスト』

BTSの所属事務所がメンバーの原爆Tシャツに対し謝罪

BTS's agency apologizes over band member's A-bomb shirt - 2018/11/15



オーストラリアの日刊紙『シドニー・モーニング・ヘラルド』

韓国のスターがナチスの鍵十字、原爆が描かれた衣服に関し謝罪

Korean pop stars apologise over swastikas, atomic bomb on clothing - 2018/11/15



イギリスの公共放送局『BBC』

BTS:Kポップバンドの所属事務所がナチスから刺激を受けた帽子に関し謝罪

BTS: K-pop band's management apologises for Nazi-inspired hat - 2018/11/14



ロシアの通信社『スプートニク』

Kポップボーイズバンドのレーベルが原爆シャツとナチス関連の論争を受け謝罪

K-Pop Boy Band's Label Apologises Over Atomic Bomb Shirt, Nazi Controversy - 2018/11/14



タイ王国の英語日刊新聞『ネーション』

ナチスを連想させる衣服でKポップグループBTSがユダヤ系人権団体から非難を受ける

K-pop group BTS denounced by Jewish human rights organisation for Nazi-like gear - 2018/11/14



マレーシアのメディア関連ニュースサイト『Marketing Interactive』

BTSの所属事務所、ナチスからインスパイアされた衣装で人権団体から非難を受ける

BTS’ entertainment agency called out by human rights org for Nazi inspired outfit - 2018/11/14



イギリスのオンライン新聞『インデペンデント紙』

BTS:Kポップグループの所属事務所、原爆Tシャツとナチスのシンボルにより論争の最中にいるバンドを擁護

BTS: K-pop group's management defends band amid atomic bomb t-shirt and Nazi symbol controversies - 2018/11/14

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