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なぜフォードを始めとするアメリカの車は日本で売れないのか?

Why Ford And Other American Cars Don’t Sell In Japan - 2019/04/16

自動車に関して言えば、アメリカ人は日本を愛しているように思える。

だが日本人が同じようにアメリカを愛しているかと言えば、そうは見えない。




日本のブランドの自動車はアメリカで非常によく売れている。

アメリカで最も売れている自動車メーカーのいくつかは日本の自動車メーカーであり、特定のセグメントにおいてはその売上高においても批評家の評価においても独占状態にある。

アメリカの自動車市場における日本の自動車メーカーのトヨタ/ホンダ/日産の3社が占める割合は30%にもおよぶ、全米各地の工場で膨大な数のアメリカ人労働者を雇用するほどだ。実際、日本の自動車メーカーはアメリカで販売する全自動車の3分の1を米国で製造している。

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しかしその一方でアメリカのブランドの自動車が日本で非常によく売れているかというとそんなことはない。日本の消費者はアメリカのSUV、ピックアップトラック、マッスルカーに関心を持っていないように見受けられる。いや、デトロイト製の自動車全体にと言うべきか。

フォードは2017年に日本市場から完全に撤退した。

ゼネラルモーターズはまだ残ってはいるがそこでの存在感は小さい、アメリカ最大の自動車メーカーである同社が2018年に日本で売った自動車の数はわずか700台だ。

なぜ日本人はアメリカの車を買わないのか?

その理由に対する意見、そして "この現状に対して何をすべきなのか" に対する意見は人々の間で分かれている。




ドナルド・トランプ大統領はこの不均衡を批判してきた、日本の保護主義を非難するアメリカの自動車業界団体も同じくそれ批判してきた、アメリカの車に対する日本の関税など存在しないにもかかわらず。

これを批判する人間の多くが、米国の自動車メーカーが輸出することを難しくするすべての種類の技術的障害が日本にはあると主張している。




米調査会社Center for Automotive Researchの専門家 - Kristin Dziczek 「ここ米国では、それが燃費に関するものであろうと安全性に関するものであろうと、通信規格であろうと、規制を設ける際には米国で販売および生産するすべての自動車メーカーがその競技に加担します」

「ですが日本ではそれらは遥かに閉鎖的なプロセスで行われます。 "これらが新しいルールだ、それに従うように" といった感じです」

「日本の自動車メーカーやサプライヤーはそのプロセスに口をはさむことができますが、日本でビジネスをしている日本以外の企業に対しては非常に閉鎖的なのです」



しかし業界の専門家の中にはそれが問題ではないと言う人間もいる。世界第3位の自動車市場である日本でアメリカの自動車が売れない理由に彼らは:

1.日本の消費者の好み

2.いつまでも変わらない "アメリカの自動車は品質が悪い" というある種時代遅れなステレオタイプ

3.日本の消費者の車の買い方がアメリカと非常に異なる

点を指摘する。

アメリカの自動車は日本人の好みとズレている


まず日本の自動車市場のほとんどが日本のブランドによって独占されている事実について言及しておくべきだろう。実際日本国内で販売された全自動車の95%以上が日本製だ。そして残りのほとんどはヨーロッパの高級車とスポーツカーになっている。

そしてこれは日本人には自動車に対しかなり具体的なニーズがあることに起因する。その一つが日本では道幅や駐車場のスペースが非常に限られているという点だ。

日本で最も売れている車はこのような "軽自動車" と呼ばれる車だ。狭い路地や混雑した街を通り抜けなければならない日本のドライバーに好まれる小型車であり、この軽自動車だけで日本の自動車市場の40%を占めている。そしてアメリカの自動車メーカーはこのような車を製造していない。




それに対しアメリカの自動車メーカーは大型車、特にピックアップトラックや大型SUVで優位性を示す傾向にある。

さらに近年は小型車のラインナップを縮小、あるいは完全に廃止する動きを見せている。ちなみにそれらの小型車は日本市場の基準からするとまだずいぶんと大きかったりもする。

実際、アメリカで販売される日本の自動車の多くが - 例えばトヨタ・カムリやホンダ・リッジラインなどアメリカでは人気のセダンやピックアップなどが - 日本国内では人気がないのが事実だ。

そしてそんなアメリカの自動車メーカー、デトロイト3社の日本市場におけるシェアは1パーセントに満たない。ベストセラーの1つであるジープでさえも日本での年間販売台数は約10,000台に留まっている。

日本人とアメリカ人とでは車の購入の仕方が違う


自動車購入経験もまた日本とアメリカでは大きく異なる。それは自動車ディーラーに訪れることをある種の "life's necessary evils" としてしばしば見ている多くのアメリカ人に衝撃を与えることだろう。
life's necessary evils:人生における必要悪。やりたくはないがやらないとより悪い結果が待ち受けているので仕方なく受け入れる物事。


日本のビジネス文化の多くはサービスとホスピタリティーに基づいている、そして自動車ディーラーもその例外ではない。

日本のディーラーはアメリカ人からすると "white-glove service(白手袋をした人間から受けるような最上級のサービス)" と思えるサービスを顧客に提供する。さらに買い手が自動車を選ぶ方法もアメリカの一般的なそれと全く異なっている。




アメリカの消費者の多くが "ディーラーがその敷地内に展示する車の中から、その場にある購入可能な車を選ぶ" ことが多いのに対して、日本の消費者はカタログから車を選び、カスタムメイドし、しかも受注状況にもよるが基本的に数週間のうちに日本のディーラーはそれを届けてくれる。



J.D. Powerジャパン代表取締役社長 - 山本浩二 「日本の消費者はアメリカの消費者と非常に異なっています、彼らは自分だけの車を求める傾向が強いのです。エクステリアはこの色がいい、インテリアはあの色が、ナビゲーションシステムはこれがいいといった感じにです。そしてそれに応える様々な仕様を日本のディーラーは用意しています」



日本の自動車メーカーがこれを行うことができるのは国内に強力なサプライチェーンと工場を有しているからだ。

さらにサービスの質が非常に高い。

ディーラーはしばしばカフェや無料の洗車ができる設備などを持っており、また購入後何年にもわたって顧客のフォローを続けてくれるのだ。

外国の自動車メーカーの多くがこの日本的な販売方法に適応するのに苦労してきた。

アメリカの自動車は質が悪いとの認識が日本人から消えない


さらに日本人はアメリカの自動車に対し "燃費が悪い" "信頼性が低い" との認識を長年持ち続けている。

このいささか時代遅れな見解は、日本のブランドが世界の自動車市場で台頭する一方でアメリカの自動車メーカーがシボレー・ベガやAMCグレムリンやフォード・ピントやシボレー・コルベアなどの車に対する批判とスキャンダルに悩まされた1960年代から1980年代までの数十年に培われた。




J.D. Powerジャパン代表取締役社長 - 山本浩二 「日本にも多くのアメリカの自動車が輸入されてきました。しかし当時のアメリカの自動車は非常に大きく、品質はあまり良くなく、燃費もまたそれほど良くなかった」

「そして日本の消費者の多くがその時のアメリカの自動車の記憶を持ち続けています」



当時と違い近年はアメリカの自動車メーカーも遥かに燃費の良いエンジンを製造しているが、アメリカは歴史的に他の場所で製造された自動車と比較して燃料を多く消費する車を製造し続けてもいる。




米調査会社Center for Automotive Researchの専門家 - Kristin Dziczek 「確かにアメリカの自動車に対する失望感はあったと思います。そしてそれに対する認識を日本の人々は持ち続けてしまっている」



そしてその一方で日本の自動車メーカーは業界で躍進を続けてきたわけだが、故障しないしっかりとした造りの燃費の良い自動車を製造するという世界共通の評判がそれを大きく後押してきた。

もちろんアメリカの自動車もその信頼性の格差を埋めるために多くのことを行ってきたし、全体的に10年前よりもはるかに多くの距離を走れるようになってきている。

そして米国の自動車メーカーは今ならば、日本でのビジネスを困難にする障壁が取り除かれれば、日本市場で今よりももっと競争力を発揮することができるはずと断固とした態度を示している。

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しかしデトロイトにとっての問題は、日本が苦戦している国際市場のひとつに過ぎないことだ。

デトロイト3社のいずれもが南アメリカとヨーロッパで課題を抱えている。さらに世界最大の自動車市場である中国でも経済成長の鈍化、競争の激化、および貿易紛争によりビジネスを行う環境がより厳しいものになりそうな状況にある。




J.D. Powerジャパン代表取締役社長 - 山本浩二 「現在アメリカの自動車メーカーは(小型車のラインナップを減らしピックアップトラックとSUVに経営資源を集中させるなど)自国の市場だけにフォーカスしていますが、実際にはグローバル市場に目を向ける必要があります」

「そしてそのためには小型車も開発しなければならない、そうすることでそれを日本市場向けに利用することもできるはずです」



もし何かが変わらなければ、アメリカの自動車メーカーは単なる "アメリカ人にトラックとSUVを売る会社" になりかねないのだ。

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海外の反応

Youtube, reddit.comのコメント欄より: ソース , ソース


Cuckhold Bastard 自国で信頼できる車が作られているのに、わざわざ海外から割高な車を買う理由なんてないがな。

R Coyote 考えるべきは消費者が何を欲しがっているかであって、自分たちの都合ではない。客の財布から金をどう引き出すかではなくどう気持ちよく買ってもらえるか、カスタマーサービスに注力しろってんだ!

Oliver Lorenzo ほんとコレ。日本の自動車メーカーはグローバル市場に適応しその国の人々が欲しいと思うものを作っている。アメリカの自動車メーカーはそうではない。ちゃんと世界を見ないとノキアみたいになっちゃうぞ!

Nytmstr 日本の自動車メーカーは消費者をちゃんと見ている。質の高いエンジニアリングを誇り、常に完璧さを追求している。 アメリカの自動車メーカーは株主のことしか見ていない。

viscountalpha This. 1000% THIS.

Lulu Berry 日本:
「米国の顧客が何を望んでいるのかを見つけ出し、それに従って製品を作ります」

US:
「我々が今持っていものをそのまま売ればいい。なに? 買わない? ならこう叫べ、不公平な貿易だと、市場アクセスを阻害する保護主義だと、通貨操作をやめろと」

Mr Heru 信頼できない、ディーラーサポートが欠如している、スペアパーツが高い、売ろうと思ったら価値が激落ち、日本の自動車より高価な価格、そして燃費などなど....😑

David Brogan 日本の自動車に比べアメリカの自動車がそんなだとは信じられない? そう思うということは君がフォードを運転したことがないということだ。

Mr Heru BIG3でもフォードは頑張っている方だから...
日本車と比べるとアレだけど。

Dharmic Yoddha 個人的にフォードはヒュンダイより悪い印象なんすけど。

Eduardo Avila 日本と言えばスペースと燃費を最重視する市場で、アメリカ車と言えば巨大でガソリン食いな車なわけだが...

いやぁ、ほんとどうしてアメリカ車が日本で売れないんすかね?

Josi G "さらに日本人はアメリカの自動車に対し "燃費が悪い" "信頼性が低い" との認識を長年持ち続けている。このいささか時代遅れな見解は..."

時代遅れ?

ted dunn そりゃサイズが市場に合ってなくて、しかも燃費も劣るんだから売れるわけがない。

dknowles60 しかも信頼性で著しく劣っている。

Kevin Ronske 新車のアメリカ車を買うよりも走行距離5,000~10,000マイルの日本の中古車を買う方が賢い選択だし。

Kevin Ronske コンシューマー・レポートが日本車を高く評価し続けているのには理由があるのだ。

Zagisa 日本市場での失敗ばかりが注目されるが、では他の市場でアメリカの自動車メーカーが成功しているかと言うとそんなことはない。

ドイツとアメリカの自動車の貿易不均衡を非難したトランプに対しドイツ国会議員のジグマール・ガブリエルが放った言葉が痛快だったな。

“Build better cars”

Advocatus Diaboli 品質もそうだがアメリカの車はドイツの道路や駐車場にとってもデカすぎる。こっちはアメリカと違って都市の多くが何百年もの歳月をかけて成長してきたんだ、VWゴルフであっても駐車スペースに苦労する時もあるくらいだ。それにガソリン価格も約6.50ドル/ガロン(約1.7ドル/ℓ)はするし。

Akatcam フィンランドも同じ感じさ、基本的に駐車場はVWゴルフ/トヨタ・カローラサイズだ。

KevinKefje オランダもそう、アメ車に対する人々の認識は "うっとうしいほどデカい" だ。ガソリン代もこっちじゃ高いしね。

SLVRFOX88 私も日本みたいに車を買うときに色々とカスタマイズしたかったなぁ...
パッケージシステムなんてクソ喰らえじゃ!

J M Bauzo アメリカ人て基本的に "質より量" だから...

Lemons and Ants Studios Simple answer, quality, reliability

rbc21 パーツがどれだけ入手しやすいかって重要だからね。ここ東南アジアじゃアメリカ車だけでなくヨーロッパ車もリセールバリューが低い、どうしても維持費が高くなるからだ。

Hexa Promos アメリカ人からしても日本車は非の打ちどころがないからねぇ。しかもトヨタにしろ日産にしろ、日本の自動車メーカーであっても彼らはアメリカで雇用を生んでいるし。

Sidharth Murali ダイヤをすでに持っている人間が、どうして金を欲しがるというのだ。

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