なぜスター・ウォーズ/最後のジェダイの評価は割れるのか?
Why Audiences Are Split On The Last Jedi - 2017/12/21『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』間違いなく大ヒットが約束された作品だ。公開最初の週末の米国内興行成績は前作『フォースの覚醒』に次ぐ2番目に大きものになり、映画評論家による映画レビューを一か所にまとめたウェブサイト『RottenTomatoes』で93%という高評価を得た。そう、批評家からは...
『RottenTomatoes』では一般視聴者の評価もまとめているのだがこちらは55%が評価、スターウォーズのファンの間では評価が真っ二つに割れた。(この動画は2017/12/21時点のものです。2018/2/6時点では批評家91%、一般48%でした。rottentomatoes.com)
評価が割れたとはいえほとんどすべての人が同意できる点もいくつかある。映画の映像美は素晴らしかったし、カイロ・レン役のアダム・ドライバーは前作に比べ素晴らしいパフォーマンスを披露したし、新キャラである“ポーグ(※大きな目の小型生物)”は人々が危惧したほど邪魔なキャラクターにはならなかった。では何が人々の評価を分けたのか?
以下『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のネタバレが含まれるので注意されたし。
新しいことに挑戦した
前作『フォースの覚醒』は基本的に『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の焼き直しであると批判されていたが、今回の『最後のジェダイ』は新しいことに挑戦したことで多くのファンに賞賛された。
あるTwitterユーザーはこの映画は「素晴らしい」と書いている、なぜなら今作は人々がこの人気シリーズに期待していたこと全てを覆したからだという。ディズニーが手掛けるスターウォーズがここまで想定外の方向に行くと誰が予想できたか? ほとんどのブロックバスター作品がどれも似たような内容である中、どれもが安全策を選ぶ中で、オリジナリティを出しながらも高品質な映画を作れることを証明したと。
また別のユーザーも「良い意味での混乱と予期せぬことでいっぱい」である点をとても好ましく思うと述べ、「自分の予想をことごとく裏切ってくれたことは素晴らしいことだ」と付け加えた。
これらには批評家も同意している。ゲームを中心としたエンタメ情報/レビューサイト『IGN』のテリー・シュワルツ氏は「初めてそれを見た感動を忘れたくないと思うほど予想外で素晴らしいシーンがあった」と評し、『Wired』のOliver Franklin-Wallis氏は映画は『完ぺきではない』としながらも『予期せぬこと』はスター・ウォーズが必要とするものだったと好意的に評した。
あるTwitterユーザーは「問題はオリジナリティを追求したはいいが、ただごちゃごちゃとした話になっただけで何も話しが進んでいないという結果に終わったことだ」と述べ、あるRotten Tomatoesのユーザーは「前作が新たに構築したもの、新たに膨らませたものを全て破壊し、独自の路線に行こうとして失敗した」と述べた。またオリジナリティといえるほどのものはなかったと指摘する声もあった。
長すぎる
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の上映時間は150分、これはそれまでシリーズ最長だった2015年の『フォースの覚醒』よりも15分長く、2016年のスピンオフ作品『ローグ・ワン』よりも17分長く、さらに最近のブロックバスター作品、『アヴェンジャーズ』よりも、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』よりも 、『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』よりも長かった。
スター・ウォーズのファンであっても2時間30分も劇場にいるのは(上映前の予告編などを含まず)結構な気合を必要とした。特にスター・ウォーズ史上最もスローな追跡シーンは長すぎると感じた人が多かったようだ。(※『最後のジェダイ』の大部分はファーストオーダーのスター・デストロイヤー等がレイア率いる反乱軍の艦隊をひたすら追いかけるシーン)
本作のワールドプレミア、公開記念上映会に出演したルーク役のマーク・ハミルもインタビュアーの 「これまでのシリーズ作品と比べて今作はどうなのか、ここにいる観客や世界に伝えたいと思ったことは何ですか?」との質問に
「It's the longest one.(これは最長のものだ)」と答えていた。 (※動画の2:41から)
新キャラが微妙
スターウォーズ続三部作の第一弾として公開された『フォースの覚醒』の最も印象的な部分の1つはスターウォーズの世界に新しく、若く、多様なキャストを導入してこの世界のキャラクターとして確立する手腕だった。今回の『最後のジェダイ』でも
ローズ
DJ
ホルドー提督
などの新しいキャラクターが導入された。
一部のファンはそれら新キャラクターを肯定的に見ているが、特にスターウォーズシリーズに"多様性"をもたらそうとした新たな取り組みを称賛しているが、皆が彼らに興奮していたわけではない。「新キャラは記憶に残らない」「凡作、新キャラは総じて役立たず」といった声も少なくなかった。
三部作の2作目はそもそも難しい
三部作の2作目を作ることは難しい作業だ。 三部作の1作目ならキャラクターを確立することに時間をかけられるが大体それは1作目でほとんど終わってしまっている。1作目で広げられた風呂敷を畳むことも3作目が控えているのでできない。
批評家の一部はこの"物語の停滞"が今作最大の問題であると指摘する、彼らの多くがフィンとローズによるカジノの街でのサイドミッションを指してそう批判した。
またスターウォーズ旧3部作の2作目『帝国の逆襲』が非常に高い評価を受けていたため今作に対する期待が高まりすぎたというのもあるだろう。あの作品に匹敵する2作目を作ることは誰にとっても難しかっただろう。
コメディ色が強すぎる?
スターウォーズはそのシリーズの中で何度も コメディ要素を入れてきたし切迫した状況で深刻になりすぎることを避けるためにユーモアを導入してきた。今作はコメディ要素がそれまでに比べ特に多かった。それを肯定的にとらえる人もいたが、一部のファンはそれが行き過ぎてスターウォーズらしくないと非難する。
映画のオープニングのハックス将軍とポー・ダメロンのやり取りに気を散らされたと言う人もいれば、ルーク・スカイウォーカーがエイリアンから搾乳しそれを飲むシーンはちょっとした笑いを生むことを狙ったのかもしれないが不快だったと言う人も、ルークがただの変な人になっていたと言う人もいた。
ルーク・スカイウォーカーの扱い
ルーク関して、スターウォーズファンにとって良いニュースは前作と異なり今作ではルークが実際に何か喋ってくれたことだ。
悪いニュース? それは彼が明らかにfranchise fatigueを理由に映画の最後、ぽっくり死んでしまったことだ。(※franchise fatigue:フランチャイズ疲れ。シリーズが長年続くことで新鮮味を失ってしまうこと)
マーク・ハミルが『最後のジェダイ』で最高のパフォーマンスを披露したことについては誰もが同意するだろう、だがルークの描写に関しては誰もが満足しているわけではない、ハミル自身を含めて。
アメリカABCニュースのインタビューによれば、彼は『最後のジェダイ』の脚本について監督のライアン・ジョンソンにこう言った。(※動画の4:49~)
「私が8(の脚本を)を読んだとき、私はライアンに言いました。”君が私のキャラクターについて決めた事実上すべてのことに、私は同意できない。考えが根本的に違っている。”」
そして多くのファンがルークの最後に怒り狂った、輝かしい栄光に包まれて死ぬのではなく、静かに空に消えていった最後に。あるTwitterユーザーはこれを「史上最もショボい死」と呼び、また別の1人は「正直ルークというキャラを侮辱しているとしか思えない」と書いている。
すべてのファンの予想が間違っていた
『フォースの覚醒』は数々の謎や伏線を残した。レイの両親は誰なのか? 最高指導者スノークの正体は? ファンたちはこの2年間それを解明するためずっと議論し様々な説が生まれた。
そしていざ『最後のジェダイ』が公開されると、なんとその全てが間違っていた! 謎や伏線と思われた要素の多くが実際にはまったく重要ではなかったのだ。
一部の批評家はライアン・ジョンソン監督が独自のスターウォーズをやるためにファンの期待や予想を良い意味で裏切ってくれたと好意的に評したが、これまでのスターウォーズシリーズが積み上げてきた設定から必死に今後の展開を予想し議論してきた多くのファンは自分たちの努力が台無しにされたことに怒りを覚えたようだ。
キャリー・フィッシャーの遺作なのに台無し?
『最後のジェダイ』の撮影終了後にキャリー・フィッシャーの悲劇的な死が発表されたことで今作のレイア将軍が出演するシーンはとりわけ強く胸をうつものがある。しかし一部のファンは映画内でレイアがフォースを使ったことに、その使い方に不快感を覚えたようだ。
レイアが宇宙空間をフォースで浮遊するシーンは非常に美しいシーンであるとともに、困難や苦境から常に立ち上がってきたレイアらしいシーンであり、また"レイアはフォースを使えるのか?"という長年の疑問がついに解決された瞬間でもあった。
しかし一部のファンはそのシーンをメリー・ポピンズのパロディかと思うほど陳腐なシーンだと感じたようだ。またスターウォーズシリーズでも最も重要なキャラクターの一人であるレイアにはその役割に応じた非常に印象的でパワフルな最後が描けたはずとの指摘もあった。
フィッシャーが亡くなった後、ジョンソン監督はすでに映画が完成していたことからレイア関連の話を変えるつもりはないと言い、ルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディ氏はエピソード9にレイアをCGで登場させるようなことはしないと述べていた。
レイアの最後がどの様に描かれるのか、あるいは描かれないのか、現段階では不明だ。状況が状況だけに理解を示す人も多いが、シリーズの中核となるキャラクターを中途半端に終わらせたことに不満を覚える人もまた多かったようだ。
海外の反応
Youtubeのコメント欄より: ソースAnge Simmer ルークの搾乳&ワイルドに飲むシーンが不快でないと感じた人は、気を散らされもしなかったという人は私だけ? かなりの人があのシーンい文句を言っているけどルークが生き残るために何でもしている感じが出ていて良かったと思うんだけど。
KidOnTheNet 良い意味で不快だったけどな。ルークの落ちぶれ具合がいい感じに表現されていた。
snek 別に気にならなかったがどう考えても必要なシーンとは思えない。あの辺のシーンを見ていて「製作者たちはスターウォーズという作品を何か別のものに変えようとしているのでは?」と強く感じた。
pablohanc 搾乳どうこうじゃない、今作のルークの全てが間違っている。
MechanizedMCPE
『最後のジェダイ』に点数をつけるなら
4/10
Caption Closed 同意。
Quenton Daniels 10点中3.5~4かなぁ。まぁスターウォーズシリーズで最悪なのは間違いない。
Middle Eastern Atheist Rotten tomatoesの評価は何かの冗談としか思えない。
LOWPROFILE 719
メディアはその進歩主義さ、多様性を重視する姿勢、リベラル的な考えから今作を愛したようだが一般人はその物語の破綻具合に、キャラクターの成長を全く描けていないことに嫌気がさしているのが現実。
実際に成長できたキャラはカイロ・レンだけで彼だけでこの映画を評価することはできない。
Isaiah Campbell ハリウッドが映画に"多様性枠"を設けるために作品に合っているかとか演技が上手いかではなく肌の色でキャストを選ぶようになったことに強い違和感を覚える。
ChaotiX Trekker 批評家の連中はスターウォーズファンでない人間が監督したことを好ましく思っているんだろうさ。
Kruut Von .Trendkilla J・J・エイブラムスが広げた風呂敷のことごとくを潰し、キャラクターを空洞化させ、三部作3作目にほとんど何も残さなかったこの映画の何を評価したんだろう?
Legion12Centurion いや、でも一般視聴者の半分は気に入ったみたいだぞ。
TheHowlettJames 49%が否定的な見方をしている時点でシリーズで最も嫌われた作品になったのは間違いない。
Jean Paul van Dam&Mister Allen
ファン:
レイの両親は誰なんやろなぁ、きっと重要な意味があるんやろなぁ。
ライアン・ジョンソン:
別にどうでもよくね?
ファン:
ファーストオーダーの最高指導者スノークは誰なんやろなぁ。どこから来たんやろ?
きっとスゴイやつなんやろなぁ。
ライアン・ジョンソン:
別にどうでもよくね?
ファン:
『ボバ・フェット』的な奴に違いないと思ったキャプテン・ファズマは前作ではパッとしなかったけど今回こそきっと...!
ライアン・ジョンソン:
別にどうでもよくね?
ファン:
え、何でルーク死んだん?
理由は?
ライアン・ジョンソン:
別にどうでもよくね?
ファン:
...スターウォーズシリーズはこれからどこへ向かうんだろう?
ライアン・ジョンソン:
別にどうでもよくね?
sm753 ファンの予想は裏切ったかもしれないけどファンの期待には応えられなかったな。
Boom San Agustin とにかくツッコミどころが多すぎる。なんで宇宙空間で爆弾が落ちていくんだよ?!
Top 5 Cartoon SF作品はどれも何かしらの矛盾点があるもんだぜ。
Boom San Agustin そりゃそうなんだが、そもそも初期のころから宇宙空間で音がしているのがおかしいとかあるけど、少なくとも観ている間は意識しないで済むようにするとかあるだろ。
Boom San Agustin ルークが惨め過ぎて見ていられない自己嫌悪いっぱいの変な人になってたのには泣けた。
MarenAnne66 スターウォーズファンが怒り狂っている理由がわからない。私なんか映画を見見終わった後、超ハイになってたっていうのに、私は『最後のジェダイ』が大好きよ。
Ro Jay 君に1000個ほど質問がある。私はこの映画を好きになれる人が理解できない。
MetalliBunny
フィンとローズのシーンは丸ごとカットしていい。代わりにルークがレイを鍛える場面とかを入れるべきだった。
ただファンが「あれはどうなった」「あの設定はどこへ行った?」「あの意味は何だったんだ?!」とか言ってるのを聞いて、そういやそんなのあったなぁと、『フォースの覚醒』の話を結構忘れてしまっている自分に気づいた。
Sigge Rajamae 気分的には、牛の乳を搾ったら牛乳が出てくると思ったらコーヒー牛乳が出てきた、みたいな。確かに驚いたけど、なんか違うねん。
今更ながら最後のジェダイを見たので扱ってみました。
返信削除「言いたいことはわかってるわ。・・・そう、髪形を変えたの」
からC3POにウィンクするくだりは好き。ローズはいらない子。
ワープが宇宙最強の攻撃だったのが何よりも……
返信削除別にどうでもよくね?がパワーワードすぎるわwマジでこんなだからなぁ
返信削除どっかのガンダムもそうだが逆張りだけで物語が作れると思うなよ
カップヌードルの「アオハルかよ。」みたいにゴリ押しだったんだろうな
削除クリエイターが過去作を改変して自己満足している感じに似ている
カジノが無駄で余計な行動だったのがひどい
返信削除でも伏線っぽい描写もあったからEP9でそれが生かせるかだ
チューバッカとネズミのシーンがシラケた
返信削除新キャラで話を展開させて俺のスターウォーズをやりたかったんだろうけど
全員なくてもよかったよな
そもそもSWなんて旧3作で終わってたもの
返信削除今のシリーズは需要があるから作ってるってだけで新しい表現をしようと作ってる感じがしない
エヴァ新劇場版くらいの制作姿勢ならもっと評価されてたと思う
スタウォ知らんけど、要はゴジラのアニメ版みたいなもんか
返信削除評論家は大喜びだけど、見た人はガッカリしたパターン
SWシリーズ初のアジア人がブスでがっかりww
返信削除しかも最後のキスシーンとか激しくイラネw
多様性ってのをいれるととことんつまらなくなる事は分かった
返信削除どのくらいの評価なら満足なの?
返信削除こういう注目される映画は視聴する分母が大きい分、
「人とは違う意見を言う」ことに血道をあげる人の数も増える
「私を満足させろ」という献身的な製作を求める人の数も増える
賛否両論こそ良い評価という羊飼いの目線でいいんじゃないだろうk
現在の白人様視点での多様性より70年代の古い価値観のほうがスターウォーズには見合うとは感じたなぁ、
返信削除まぁ2時間半飽きなかったんで割と満足した映画だった。
シリーズ最悪はファントムメナスだろ!いい加減にしろ!!
返信削除三部作で築いた世界観ぶち壊したあげく何も始まらない2時間にわたるトレイラー見るために昼から並んだんやぞ
ディズニーに買われてから観る気無くした
返信削除なんでこうシナリオを磨き上げ絞り切らずに作るんだろうと思う。
返信削除子供が見るバカな大作ほどそこを真面目にやるべきだと思うんだけど。
現場で俳優がシナリオを書いてたスタートレックのReboot三作目もヒドかった。
ちらっと海外の映画サイトの掲示板を翻訳サイトで見てみたが
返信削除ハリウッドはもうまともな映画は作れないんだ。続編を任せるなんてとんでもない
スターウォーズのコメディーなんだろ、そうだよな
何も期待するな
みたいな評価だったな
スリルとスピード感溢れワクワクしたEP4・5・6のSF映画
返信削除カッコ良い魅力ある乗り物、メカ、ドロイドやキャラクター
欲しくて堪らなかったプラモデルやグッズがいっぱいあった…
それら全てが皆無なんだよ。虚しくなるよね。
確かに、フィンとローズの独断専行は無意味だったな。彼らが行動しなくても結果は同じなわけだから。
返信削除インディ・ジョーンズが活躍しなくても聖櫃の箱は開けられたのと同じ。
前作が惨めな同窓会みたいに見えて終了した…
返信削除一番イラッと来たのは、爆撃機のところだ。「なんで宇宙空間で爆弾が落ちていくんだよ?」なんてコメントされてる方もみえるが、あんな、すぐやられてしまうような無意味な宇宙船はあり得ないと思った。見ていて、監督は「ドキドキ感を描きたかったのだろう」とは思ったが、「イライラ感」で腹が立ってしまった。日本の宇宙アニメやガンダムの宇宙船の方がはるかにまともな表現ができていると思った。
返信削除ハイラインのSF 本読もうっと!
返信削除”スターウオーズは愚者の最後の隠れ家”。
返信削除フィンとローズの一見は無駄で不合理だが信念を貫いて行われた大冒険が軍事的には絶望的な状況で新たな希望を産み出している、というシナリオを当たり前に読み取れない者には映画を語る資格そのものが無いと思う。
「そういうふうに描こうとしてるんだろうね。でも全然描けてないぞ」とみんな言ってるんだよ。読み取れないのではなくてね。できてないことを「やろうとしたことはわかる」だけで評価できるかっての
削除