イギリスBBCで放映されている人気自動車番組『トップ・ギア』の公式サイトより

ついにデビュー! 新型トヨタ・スープラをご覧あれ!

It's finally here! Meet the brand new Toyota Supra - 14 Jan 2019

- 340馬力のターボエンジン・スポーツクーペ、あなたの待ち望んでいたあの車がついに、ようやく、やっとのことでデビュー -



Finally(長い時間を経た後についに)。

ずいぶんと待たされたがようやくその新しい面構えをじっくりと、うっとりと眺めることができるようになった。

なんと喜ばしいことか、本物の生産モデルのスープラである。かつてこれほどまでにチラ見せを、予告編を、前宣伝を、ほのめかしを繰り返し、人々の注目を集め、興奮させ、大きな話題を呼んだ車があっただろうか?

そして今日公開されたそれはあなたの住む街の通りにもきっと現れるはずだ... もっとも、残念なことに、まだこの夏の後半まで待たなければならないが。



さぁじっくりと眺めてやろうではないか、まるで鼻孔を広げ、胸を張り、腹筋をしめておなかをへこませながら、両腕を上げて上腕二頭筋を見せつけるボディビルダーのように堂々たる雰囲気を放つこの新型スープラを。

それは自分がどれだけ注目される存在であるかを知っているかのようだ、穴があくほど見つめる人々の視線を認識しているかのようだ、カメラを向けるパパラッチに対しセレブが見せるお決まりのパパラッチポーズ すら幻視してしまうほどにそれは自信に満ちた威風堂々たる姿をさらしている。

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photo via newsroom.toyota.eu
横に広く全長は短い、そして車体は低く低重心へのこだわりが見える。ホイールベースは敏捷性に貢献するショートホイールベース、長いボンネットの下には完ぺきなバランスの直6エンジンが収まっている。

エンジンの最高出力は340PS/5,000~6,500rpm、そして最大トルクは51kgm/1600~4500rpm、トランスミッションはおなじみのZF製8速オートマチックでリミテッド・スリップ・デファレンシャルを装備、車重はドライバーがいない状態で1,500kg以下となっている。



トヨタによれば0-62mph(0-100km/h加速)はローンチコントロールを使用した場合4.3秒、最高速度は155mph(249.4km/h)でこれはリミッターにより制限されているとのことだ。

これらの数字は決して "遅い" などということはない、十分速いと言える。とは言うものの、かつてスープラは1993年に似たような数字を誇っていた。そして当時のそれはまさに "べらぼう" と呼ぶに値する速さであり、スープラは同時期のミッドエンジンV8フェラーリより加速で勝る最高にホットな車であった。

しかしそれから四半世紀、その間に自動車メーカーの馬力競争は激化の一途を辿った。現在のスープラを取り巻く環境はかつてのスープラのそれとは異なっており、そのスポーツカーにおけるポジションもまた当時とは異なっている。



しかしまぁ340馬力だ、そこに何の不満もありはしない。その数字はこの新型スープラがポルシェ・ケイマンGT4やアルパイン・A110、BMW・M2コンペティション、V6エンジンのジャガー F-TYPEと同レベルの性能を持っていることを意味するのだから。

我々のような車好きの人間が好む "気持ちよく走れる道" を駆けさせれば、そのいずれもがドライバーに極上の笑顔をもたらしてくれるのだから。
新型スープラはナカムラ・ノブオ氏の手によって設計されたが、彼は取材の中でGAZOO Racingのチーフエンジニアの多田哲也氏の "車に対する理念" に強い敬意を示していた。

多田氏はあの86/BRZ開発を共同で担当した男であり、ゆえに我々は彼を信頼している。そして彼はこの新型スープラを "86の兄" と表現した。それは大きさのことではなく挙動を指しての言葉だ、実際新型スープラは2 + 2のトヨタ・86よりも短い。

ナカムラ氏は、次のように述べている。

「多田さんが追求したのは "運転する喜び" です、なので私の使命は視覚的にも身体的にもエキサイティングな車にすることだと理解していました」

そして彼は「トヨタの限界を超えた領域に到達することができた」と自信をにじませている。



何とも期待させる言葉だが新型スープラにはいわゆトヨタらしさ、トヨタの遺産とも呼べる特徴がいくつも見て取れる。

そのプロポーションやキャビンを囲むガラスの使い方は2000GTを彷彿させるし、側面のパネルやヘッドライトはA80 スープラらしさを感じる。車内の水平方向に伸びる印象のダッシュボードは86のようだし、コーナリングの際に身体を支えてくれるシートのパディング具合も膝が当たる部分へのパディングもそうだ。



photo via newsroom.toyota.eu
しかしそんな伝統的なトヨタ屋敷に突然、ずけずけと踏み込む輩が登場する、そしてそれは決して見て見ぬ振りができない存在感を放っている。

そう、そのスイッチもインフォテインメントスクリーンも、ヘッドアップディスプレイもエアコンの調節ダイヤルも、その他多くの部分が明らかにBMWのものであると見て取れる。ただしインパネのグラフィックはBMWの見難いポリゴンではなくいい感じの丸ダイヤルで スープラの方がずっと良い。

それはもちろんこの新型スープラがBMWとの共同開発車だからだ。

トヨタはそれをあまり隠そうともしていない、ボンネットの下にはところどころにBMWのエンブレムが存在しているくらいだ。ただそのおかげでエンジンの型式番号B58B30M1からそれがBMW・Z4 M40iと同じエンジンを搭載していることがわかる。

トランスミッションもZF製8HP51トランスミッション、サスペンションを含めプラットフォームも共有しており、外側のパネルの下はその大部分がBMWのもので構成されている。
しかしスペックだけを見れば、フロントには直6ターボ 3.0リッターエンジン、後輪駆動でリミテッドスリップデフを搭載し、スポーツカーとして適切なシャーシの上には魅力的な曲線のボディが乗っかっている。

ここだけ読むと1993年製のスープラについて話しているのか、この新型の話をしているのかわからない、とも言える。

そして何より、新型のZ4とスープラは両方とも同じライン上で、BMWやトヨタではなくオーストリアの自動車製造メーカーであるステアーによって同じライン上で製造されているにもかかわらず、そこから生み出された車はトヨタ・86とスバル・BRZのようなコピー・アンド・ペーストの双子にはなっていない。

BMWがロードスターとして、トヨタがクーペとして販売するそれらは見た目からして全く違っている。

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photo via press.bmwgroup.com

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現段階ではこの2台の "運転した際の感覚" にどんな違いがあるのかは不明だ。ただ多田氏によれば新型スープラは86同様にエッジの効いたものになるよう調整しているとのことだ。実際その剛性はあのレクサスLFAよりも高く、彼の望んだ方向性を実現してくれそうだ。

また最近の車らしくドライバー側にも調整の余地を残している。

スープラに搭載されるスポーツボタンはスロットルマップ(スロットルペダル位置に対して発生するエンジントルクの量)やエンジンサウンド、シフトの挙動パターンやステアリングの重さ、デフを電子制御によってコントロールするアクティブデフ、およびアダプティブダンパーに影響を与えるとのことだ。

その他にも横滑り防止装置(ESP)には『トラック』モードも存在する。



トヨタがFT-1コンセプトを発表したのは5年前、トヨタとBMWがバッテリーや燃料電池や車体の軽量化、そして新型スポーツカーの開発で協力するとの話が最初に出てきたのは2012年なので7年も前になる。

共同で開発しつつもどう独自性を出すか、両社はそのために非常に長い時間を費やしてきた。

2014年の終わりごろにBMWの理事会メンバーから話を聞いたのだが彼は「まだテーブルを挟んで対話している最中」と口にした、その段階でもまだ開発に着手することができないでいたのだ。

それはBMWはロードスターの、トヨタはクーペの後継をそれぞれ望む一方でそれらの車種の未来に確信を持てなかったからだろう、その時点で既に2シーターの販売台数は他の車種と同様にSUVの攻勢によって苦戦を強いられていたのだから。



photo via newsroom.toyota.eu
新型スープラのパネルの下にZ4と同じものが数多く使われていることに、あなたは思うところがあるかもしれない、しかしそうでなければ新型スープラはそもそも存在しえなかった、それが現実である。新型Z4もまた存在しえなかっただろう。

その二つの車は表面上は違って見える、そしてそれぞれの車が持つ遺産、それを支持してきた顧客も違っている、ならばその "運転した際の感覚" も同様に異なっていると信じよう。

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海外の反応

topgear.com, Youtube.com, reddit.comのコメント欄より: ソース , ソース , ソース


NeedAnotherWorldWar さて、これでトヨタにはスープラという選択肢ができたわけだ。日産にはZがあるし...
後はわかるな、マツダよ。

PrivateVasili 日産のフェアレディZなんて死にかけですがな。

Themonksnewclothes ゾンビの "Z" かってくらいにな。

sqarishoctagon チラ見せばかりで一向にデビューしないんでちょっと冷めてたが...
また盛り上がってまいりました。なんかメディアも肯定的な報道してるし、なによりルックスが思っていた以上にカッコいい。

cdoggums 期待外れ、に終わると思っていたのにこれはこれは...
全体的に思っていた以上にいい感じなんで嬉しい驚きだ。

同じくルックスが段々と良く見えてきた。価格も4万9990ドル(約540万円)でそのパフォーマンスに対して適切な感じだし走りもなんだか良さそうだし。

それとZ4より低い340馬力のエンジン出力に文句を言っている連中がいるが理解できなね、0-60加速は4.1秒でM2コンペティションやカマロSS、ムスタングGTとかと同じレベルじゃない。

just_szabi そのルックスに惚れた、特にグレーのカラーリングのがヤバい。

Xeptix 妙に映えるよな。そしてまたこのデザインは今の時代に映える。最近はやたらと角ばった、威圧感のある "怒り顔" が主流だがこのスープラは昔のスポーツカーが持っていた滑らかで柔らかいラインを持っている。個人的にそっちの方が好みなんでグッときたわ。

the_average_homeboy やっぱりこの手の艶めかしいラインよね...

oldcarfreddy このデザインを嫌う人が多いことに驚きを隠せない。そもそも最近の車はグリルがデカすぎるだの、ヘッドライトが細くて全体的に怒っているような顔ばかりで退屈だの、車体がデカすぎるだのと皆文句を言ってばかりいたがこの新型スープラはそういったのとは違うじゃない。

ThoseTwoRobot まぁ私は好きだが、好き嫌いがはっきりと分かれるデザインではあると思う。

Slash621 しかしドライバーのための車と開発当初から謳ってきたのにマニュアルの選択肢がないのはどういうことだ?

heybrositsmeagain マニュアルがないのが本当に悔やまれる、もしあったらこの価格なら躊躇なく買ってた。

CounterSeal もしマニュアルを出してくれたらBRZから乗り換えるわ。

hippymule 第一印象は...
・ルックスはかなりいい
・ちょっと高額すぎるかも
・トヨタらしさというかスープラらしさはあまり感じられない、スープラを待ち望んでいたファンが期待したものとは違っていそう
・馬力は小さい

基本的に中身がBMWってのが懸念だね、信頼性や維持コストが気になるところだ。

Barefoot Joe ハンドル回りがまんまBMW。

SgtStig 中身のほとんどがBMWってのは確かだがそれ自体は悪いことではないよな?

hazy leftie ちょっとTVRっぽい?

Bogumil 同じこと思ったわ。TVRにZ4のインテリアって印象。

Stefan Genov ドイツのエンジンに日本のエクステリア...
興味深くはある。

arefoot Joe なんかそれまるで第二次世界大戦の時みたいなやな。

GoonOnFire つまりスープラからその象徴たるエンジン、デザインを剥いだものがこれなわけだ。おっとそれとマニュアルもか。こらこら、エイプリルフールはまだですよ。

Shyzah でもこれまでのスープラにスープラらしい、象徴的なルックスなんてものがあったか? スープラが最後に販売されてから何十年と経つから皆最後のモデルの記憶しか残っていないのでは?

Ricardo Don Quixote トヨタらしさをどこにも感じない、どこを見てもBMWだ。

0111771435 え、エンブレムはトヨタだから...

Promethean Vision 2019年最大の失望。

RedShed 言うほどか? 個人的にはそのルックスに関してはZ4を感じない、むしろ4代目スープラの影響がより印象に残るが。ウィングがあれば完ぺきだった。

God of destruction 結局トヨタのガワをかぶったBMWってのがなぁ...

Wasewarp Gamer 皆様、スープラの安らかな眠りを祈って1分間の黙とうをお願いします。

Zako そんなこと言うなや...
実際はイエスの復活みたいなもんなんやで。まぁ、誰も復活したのが彼だと信じてくれていないわけだが。

Travis Frewsmith スープラだと思うからがっかりするんだよ、単純に新しいスポーツカーとしてみればかなりいいぞ。

Lotus AMG 340馬力で0-100が4.3秒、そしてハンドリングも素晴らしいはず。現段階では文句のない素晴らしい小型スポーツカーって感じだしね。

tw w でもぶっちゃけBMW・Z4と呼ぶべきじゃね?

Richard Hepburn • 外側は最高、内側には失望。

Peter F. F 全体的には失望。それはこの車が悪い車だからじゃない、スープラの後継であると感じられないからだ。

Leon Bellingan このスープラに対するヘイトのビッグウェーブに乗るつもりだったが... このルックスを悪いとは思えない、嫌いになれない。フロント部分は改善の余地があるかもれない、だが斜めから、特に斜め後方から見た時の素晴らしさはどうだ!

写真だけで判断しちゃいかん、動画で見るとさらに心惹かれる!

SgtStig ルックスが魅力的な真っ当な日本のスポーツカーが再び自動車市場に現れた、しかも現代の便利機能、快適性を携えて、それだけで十分評価できる。しかもそのルックスはシビックType Rとかとは別種ってんだから文句なんてないさ。

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