英紙デイリーメールより

「生命の歴史が書き換わるかもしれない大発見」地球の生命に不可欠な水と有機物が小惑星の表面で発見される

Water and organic materials essential for life on Earth are found on the surface of an ASTEROID for the first time - 4 March 2021

日本の探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の微粒子から有機物が発見

小惑星の表面で地球上の生命に不可欠な有機物や水などの物質が初めて発見されたとする研究論文がネイチャー・リサーチ社の学術雑誌『Scientific Reports』に掲載された。

ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校の惑星科学研究者らは2010年に日本の探査機「はやぶさ」が地球に持ち帰った小惑星「イトカワ」の微粒子の一粒を分析、水と有機物が存在した痕跡を発見したと発表した。

研究チームはこのような物質が小惑星の表面で発見されたのは初めての事だとしている。



研究論文によると探査機「はやぶさ」が持ち帰った「イトカワ」のサンプルは小惑星自体に由来する水と有機物が数十億年という時間の経過と共に化学的に変化したことを示しているという。

そしてそれは小惑星の複雑な歴史を示すと同時に、その変化過程が生命誕生前の地球の変化過程と非常に似ていることを明らかにしているため、我々の惑星の生命の歴史が書き換わるかもしれない大発見であるとしている。



日本の探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の微粒子から有機物が発見 Photo credit: JAXA 宇宙科学研究所

日本の探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の微粒子から有機物が発見 Photo credit: ネイチャー・リサーチ社Scientific Reports『Organic matter and water from asteroid Itokawa(小惑星イトカワの有機物と水 )



イトカワはもともと存在した母天体が他の天体との衝突によって破壊され破片同士が重力によって集積してできた小惑星だと考えられている。その過程で摂氏600度から800度ほどの熱を持ち岩石に含まれていた水素が失われ脱水された。

そして研究チームは「アマゾン」と名付けたイトカワの微粒子の一粒を詳細に分析した際にその中に加熱された有機物と加熱されていない有機物の両方を発見。

衝突によって熱を持った小惑星が冷えた後に、水や有機物を含んだ隕石が落下するなどして再びそれらを取り込んだと考えた。

研究チームによるとイトカワはそのようにして水や有機物質をゆっくりと取り入れてきたという。

研究の筆頭著者であるクィーニー・チャン博士はそのプロセスを地球も辿っており、「アマゾン」を研究することで外因性の水と有機化合物を組み込むながら小惑星がどのように絶えず進化してきたかをよりよく理解することができるとしている。



地球には水が大量に存在しているがこの水が地球の形成初期から存在したのか、それとも後に地球の外から持ち込まれたものなのかは現在もよくわかっていない。

地球に水をもたらした可能性のある天体の一つと考えられているのが小惑星で2019年にはアリゾナ州立大学が「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの粒子から水の痕跡を発見している。

これと同様に小惑星が地球に生命をもたらした可能性がある。

今回の発見はイトカワのような小惑星が地球に生命のもとになる有機物をもたらしたことを直接示唆しているわけではないが、地球に原始生命をもたらした原材料と同じものを小惑星が有していることを示しているとチャン博士は語った。



これまで地球の生命の起源は炭素系の物質を主成分とするC型小惑星にあるとの見方が主流だった(分子に炭素原子を含む物質は基本的に「有機物」に分類される)。

地球に衝突してくる隕石のほとんどはイトカワと同じS型小惑星起源であり、ケイ酸鉄やケイ酸マグネシウムなどの石質の物質を主成分とするS型小惑星が生命の原料を含んでいることが示されたことでこれまでの伝統的な見方が変わる可能性がある。

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海外の反応

dailymail.co.uk, reddit.comのコメント欄より: ソース , ソース , ソース


The_durf 有機物を載せた小惑星が我々の惑星に衝突し、そこから生命が進化したと。これが地球上の生命の始まりなの?

pickleer パンスペルミア説と言われるやつだな。

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Panspermia パンスペルミア説:地球の生命の起源は地球ではなく他の天体で発生した微生物の芽胞が地球に到達したものとする生命起源論のひとつ

twistedfister3 パンスペルミア説なんて聞いたことなかった人々もそれを知っておくべき時が来たのかもしれない。

DontJudgeMeself 割と広く受け入れられている説だったはず。原始地球は微惑星などの衝突によりマグマの海で覆われていた。そこから数億年かけて地表が冷えた後に数多くの小惑星/彗星が地球に落下、初期の生物や海洋を作り出すために必要な水と有機分子をもたらしたとい話だったはず。

Cunterman 広く受け入れられているのは地球の水が地球外からもたらされたという説の方だけだよ、生命の起源に関してはまだそうじゃない。

DjLeWe78 何億年もの間宇宙をさまよっていた小惑星に有機物の痕跡があったということは、もしかして地球外に完全な生命が存在する可能性が上方修正される?

この事実だけでも確かに大発見だ🤔

police64 要は宇宙は生命に満ちているかもしれないってことでしょ……すごい

Murphy-Brock これまで有機物が存在しない、耐えられないと考えられていた環境に存在していることが証明されたわけだからな。

lorankv 小惑星が地球上の生命誕生の鍵を握っていたと私は強く信じている。地球上の水と有機物は惑星が形成される際に共に形成されたのではなく後に小惑星によってもたらされた。それが地球で起こったのなら同じことが他の惑星でも起こった可能性は十分にある。

ScottShatter 可能であるというよりも統計的に可能性が高いと言っていいと思う。

thudface というか地球上の水が小惑星/彗星からもたらされたって考えると凄いな。

calmly_anxious 彗星はそもそも氷や塵などでできている。ただ地球上の全ての水が彗星由来なんてことは当然まだ証明されてはいないけどな。

Wanted9867 太平洋を埋めるだけでもどれだけ時間がかかったのか、想像もできん。

pdgenoa S型小惑星に水や有機物が存在するという理論は昔からあったが今回の発見はこれが正しかったことを示す最初の証拠(少なくとも兆候)なのだろう。

とてもわくわくする。

nytstryder 小惑星は星に生命をもたらす種なんやな。

BobbleWobble こういう話を聞いていると知的生命体が存在しているのは地球だけって考えがとても傲慢なものに思えてくるな。

German_Philosopher 何とも興味を惹かれる話じゃないか、だって宇宙にはそれこそ何十億という数の太陽系外惑星が存在しているのだから。人類はやがて光速に近い速度で移動する手段を手に入れるのだろう、私はもうすでにそんな将来の世代をうらやましく思っている。

problems 地球に海が形成されるまでに一体どれだけの数の小惑星が地球に衝突しのだろう。

bodcb こりゃ確かに大した発見だ。

jrossing え、じゃあ神様は最初に小惑星を作ったんです?

Return of the Rac こうしてまた聖書の記述が嘘であることが証明されていく。この時代に神なんてもんを信じている人間は妄想に取りつかれているか単に無知なだけかのどちらかだな。

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