1923年に創刊したアメリカ合衆国の世界初のニュース雑誌『タイム』 より

この感情的なプレーヤーよりも日本のワールドカップの勝利に熱狂していた者はいない

No One Is More Enthusiastic About Japan's World Cup Victory Than This Emotional Player - June 19, 2018

Embed from Getty Images

ロシア西部の都市サランスクのモルドビア・アリーナで行われた試合で日本はコロンビアを相手に2-1の驚きの勝利を決め2018年のワールドカップを幸先よくスタートした。そしてこの勝利が日本にとってどういった意味を持つものなのかを、決勝ゴールを決めたこのスター選手の反応以上に物語るものはない。

サッカーにおける勝利は喜ばしいことだが、そこに歓喜に満ちた誰かの反応があればそれはいっそう心を打つものになる。そしてその "誰か" とは日本のフォワード大迫勇也に他ならない。

前半に先制点を決めたもののハーフタイム直前に同点を許した日本は試合後半、怒涛の攻めを見せ必死にゴールに食らいつき、ついには大迫のヘディングシュートによって再びリードを手にした。

カメラマンはMFの柴崎岳と喜びを分かち合う大迫勇也の姿をとらえた、それはまさに絶頂を迎えた瞬間だ、純粋な喜びの感情をその目に宿した彼の歓喜の表情は世界の人々が感じたエクスタシーの具現化だ。






スポンサードリンク

アメリカのケーブルテレビおよび衛星テレビ向けのニュースチャンネル『CNN』より

日本が10人となったコロンビアに歴史的な勝利

Japan seals historic win over 10-man Colombia - June 19, 2018

それは多くの人が思わず話をしたがるような話題に満ちた試合だった。今大会初のレッドカードが出た、ペナルティキックがあった、コロンビアのクレバーなフリーキックがあった、そして歴史的な勝利があった。

ブルー・サムライはワールドカップ初戦で南米チームを2-1で下し最高のスタートを切った。南米チームを相手にワールドカップで勝利したのはアジア勢では初であり、日本はトーナメントで最も興味深いグループの1つとなったグループHを率いる形でその日を終えた。

グループHの第2試合でセネガルがポーランドに2-1で勝利したことで日本は決勝トーナメント進出への期待をさらに高めた。もちろん初戦を落としたポーランドとコロンビアはここから奮起することが期待される。ちなみにセネガルの勝利は今大会ではアフリカチームにとって最初の勝利だった。



日本代表の監督である西野朗氏は試合前に前日に日本第二の都市を襲い少なくとも5人の命を奪った地震による選手への心理的影響を懸念していた。チームを代表してミッドフィールダーでありキャプテンである長谷部誠は地震の影響を受けた人々に「心から哀悼の意」を表明しつつ、事件が大阪のプロチームでプレーしている川島永嗣や山口蛍、震源地となった大阪出身の本田圭佑らに感情的に「負の影響を与えたかもしれない」と語っていた。

しかしいったん試合が始まると彼らには試合以外のことをその頭から消した、これまでヨーロッパの地で行われたワールドカップの試合で6連敗を喫していたこともあったのだろう、日本は開始早々からコロンビアを攻めたてる。

そして試合開始からわずか2分56秒、日本は決定的なシュートを放ちそれをカルロス・サンチェスがハンドで妨害、一発レッドカードでワールドカップ史上2番目に早い退場となり元マンチェスター・ユナイテッドのMFの 香川真司がペナルティキックを決め先制した。

だがその後コロンビアは数的な不利な点があるにもかかわらず大胆に攻め続け前半終了直前にフェルナンド・キンテロが地をはうように壁の足元を通り抜けるクレバーなフリーキックをゴールに打ち込み同点とした。

だが後半に入ると完全に日本のペースとなった。試合開始から73分、大迫勇也が本田圭佑のコーナーキックに合わせてヘディングシュートを決め日本は歴史的な、そしてワールドカップで5度目となる勝利を収めた。
イギリスの公共放送局『BBC』より

2018ワールドカップ:日本 VS コロンビア - BBC.com読者による選手の評価

World Cup 2018: Colombia v Japan - how you rated the players - June 19, 2018

日本はカルロス・サンチェスのレッドカードもあってコロンビアに2-1で勝利、BBC.com読者が選手をどのように評価したかをご覧ください。

コロンビア代表(平均スコア)

MF:フアン・フェルナンド・キンテーロ
6.25

MF:ホセ・エリベルト・イスキエルド
5.74

FW:ラダメル・ファルカオ
5.73

GK:ダビド・オスピナ
5.40

MF:ハメス・ロドリゲス
5.19

DF:ヨハン・モヒカ
5.07

MF:フアン・ギジェルモ・クアドラード
5.01

MF:ジェフェルソン・レルマ
4.98

MF:ウィルマル・バリオス
4.96

DF:サンティアゴ・アリアス
4.95

DF:オスカル・ムリージョ
4.85

FW:カルロス・バッカ
4.47

DF:ダビンソン・サンチェス
4.37

MF:カルロス・サンチェス
2.82


日本代表(平均スコア)

MF:乾貴士
7.59

MF:香川真司
7.58

DF:長友佑都
7.37

FW:大迫勇也
7.36

MF:本田圭佑
7.19

DF:吉田麻也
6.85

FW:岡崎慎司
6.56

MF:長谷部誠
6.53

MF:原口元気
6.52

DF:昌子源
6.47

MF:柴崎岳
6.46

DF:酒井宏樹
6.44

MF:山口蛍
6.41

GK:川島永嗣
5.82


最優秀選手
MF:乾貴士
7.59
アメリカ合衆国政府が運営する国営放送『ボイス・オブ・アメリカ』より

ワールドカップ 日本がコロンビアに2-1で勝利

Japan Defeats Colombia 2-1 in World Cup - June 19, 2018

試合早々に香川真司が決めたPKはこの予想外の勝利に大きく貢献した。火曜に行われた2018FIFAワールドカップの日本対コロンビアの試合で日本はアジアのチームとしてはワールドカップ初となる南米勢を相手にした勝利を収めた。

試合が始まってすぐに大迫勇也が最終ラインの裏に抜けてきたボールに反応、そこからエリア内での一連の攻めが日本のペナルティキックに繋がった。GKにはじかれた大迫のシュートを香川がダイレクトで合わせるとカルロス・サンチェスが手を伸ばし明らかにゴールに入っていただろうボールを手で防ぎレッドカード退場、日本はPKを獲得し香川がこれを決めて先制した。

(※試合の詳細が続きますが割愛)

日本は今回のワールドカップで番狂わせを演じた最新のチームとなった。メキシコ、スイス、アイスランドと共に驚くべき結果を収めている。特に日本はトーナメントの直前に監督を変えたためこの勝利は誰にとっても予期せぬものだったと言えるだろう。4年前のブラジル大会で日本はコロンビアに1-4で負けており、また過去17回のワールドカップで南アメリカのチームを打ち負かしたアジアのチームはいなかったことからもそれは快挙だった。



国際サッカー連盟公式ホームページ『FIFA.com』より

日本がコロンビアに歴史的な勝利、衝撃を与える

Japan stun Colombia to earn historic win - June 19, 2018

コロンビアが不意を突かれる一方で日本は2014年のブラジル大会での4-1の敗北のリベンジを果たし勝利、貴重な勝ち点3を獲得しグループHで優位に立った。 日本はモルドバ・アリーナでコロンビアの寒さを捉えて、ロサンゼルス・カフェテロスとの初勝利を収め、ブラジル2014年の同じ対戦相手に4-1の敗北をもたらし、グループHからの前進に向けて3つの貴重なポイントを獲得した。

試合は狂乱状態で始まった、日本がゴール前で決定的な瞬間を作り出すとコロンビアのDFカルロス・サンチェスがハンドでこれを妨害、レッドカード退場となり香川がPKを決めたことで先制した。

コロンビアのホセ・ペケルマン監督は数的な不利を克服し勝利のチャンスを掴むためチームのミッドフィールドの配置を変えるなどしてバランスを取り戻しサイドを攻めることで日本を押しキャプテンのラダメル・ファルカオがハーフタイム前にフリーキックの権利を獲得、キンテロが同点ゴールを決める。

だが日本は後半に入りゲームを支配、大迫勇也がセットプレーで決勝点を奪うまでに一連の得点チャンスを作り出した。

前回のワールドカップでの対戦では同点後に立て続けにゴールを決められ日本は敗北したが、今回はジェームズ・ロドリゲスとカルロス・バッカが途中からピッチに登場し猛烈にゴールに迫ったにもののその全てを防ぎ切った。

この試合で最も輝いたのは大迫勇也だろう。試合開始直後からPKのチャンスを獲得し後半ではヘディングシュートで決勝点を決めるなど勝敗を左右する活躍を見せた。


試合の統計

上から
Ball Possession(%) = ボール支配率
Shots = シュート数
Shots on Goal = ゴールの枠内へのシュート数
Total Passes = パス数
Passes Completed = パス成功数
Passes Completed(%) = パス成功率
Distance Coverd(M) = 走行距離(メートル)
ロシア・モスクワに拠点を置くニュース専門局『ロシア・トゥデイ』より

‘We did it!(やったー!)’ 日本が後半に決勝ゴールを決めワールドカップに歴史を作る

‘We did it!’ Japan reacts as late strike makes World Cup history - June 19, 2018

- 大迫勇也が決勝点、コロンビアが勝つと思われていた試合で日本がまさかの2-1で勝利、アジア勢で初めて南米勢をワールドカップで下す -

コロンビアのワールドカップは考えうる限り最悪のスタートを切った、カルロス・サンチェスがエリア内のこぼれ球シュートをハンドで妨害し一発退場、さらに香川にPKを決められいきなり困難な状況に陥った。

前半終了間際にカンテロがゴール隅にねじ込むようなフリーキックで同点にするも、後半にジェームス・ロドリゲスを投入するも、日本の賢明なディフェンスを崩せず試合開始から73分の日本のセットプレーで点を失い敗北した。

これは日本にとってワールドカップ5度目の、そして彼らのワールドカップの記録において最も有名になるだろう勝利だった。以下はそんな歴史的な勝利に対するTwitterユーザーの最も良い反応の一部だ。


「今回のワールドカップはうつ病すら治すことができそうだ! それがどんなに可能性の低いことであっても希望があること、決してあきらめてはいけないことを示している。まさに世界が今必要としているものだ。」

「今回の出場国の中で2番目に背の低いチームにコーナーキックからのセットプレーで負けるということは、真剣にディフェンスを見直す必要があるということだ。」

「現在のコロンビア人全員の様子 😂 」

「日本VSコロンビア戦を京都のアイリッシュバーにて観戦しつつスウェーデン人とおしゃべり中。サッカーはやっぱ最高だわ。」

アメリカ合衆国及びカナダで放送している通信衛星を使用したデジタルラジオ「シリウスXMラジオ」の「The Luke Thomas Show」という番組のパーソナリティ - Luke Thomas

「最悪だ! DFのヨハン・モヒカは後半素晴らしいプレーをしていたしチームは概してできる限りを尽くした。だが特に後半になって1人欠けている状況が重くのしかかった。なんと大きな急所となったことか。この試合の最優秀選手カルロス・サンチェスに感謝だ、この男がいてくれて良かったよ!」


「日本 2-1 コロンビア。本当に嬉しい。ちょうど日本をマグニチュード6.1の大地震が襲ったばかりだがこの勝利は彼らの母国のすべてのファンに相応しい贈り物だ。本当に素晴らしい能力を発揮してくれた、これまでのところ今回のワールドカップで最も好きな勝利だ。」

「レフェリーが選手に対し会場のスクリーンを見ろやって指示する光景なんて初めて見た。」



イギリスの日刊タブロイド紙『ザ・サン』より

2018ワールドカップ:日本がコロンビアとの試合で勝利後に日本のファンが球場内を清掃、最高のサポーターとの評価を強固にする

World Cup 2018: Japan fans tidy up stadium following win over Colombia to cement reputation as best guests - June 19, 2018

日本はグループHの初戦でヨーロッパの地でのワールドカップでは初となる勝利をコロンビア相手に決めただけでなく、日本が最高のサポーターを有していることをまた証明した。

日本の勝利に終わった試合後に日本代表のファンらはスタジアムの掃除を始めた、4年前のブラジル大会でしていたように。日本のサポーターはその時も、試合に負けたにもかかわらずゴミ袋を手にスタジアムを掃除して回っていた。

そんな日本のファンの行動は同じくグループHのセネガルのファンにも影響を与えたようだ。


「これは今日見る最高の光景になるはずだ。セネガルのファンがポーランドに対する歴史的勝利を祝うためにスタジアムを出る前に自分たちのいたスタンドを清掃している。 👏🏻🇸🇳」

スポンサードリンク