イギリスの公共放送局『BBC』より

大坂なおみ:日清食品がホワイトウォッシングを謝罪

Naomi Osaka: Noodle company apologises for 'white-washing' - 23 January 2019



大坂なおみに関するニュースの見出しは全て全豪オープンテニスでの勝利であるべきだった。だがハイチ系日本人のスター選手は再び、カートゥーンでの描かれ方に関する騒動によって本来注目されるべき事柄とは違ったところで注目を浴びてしまった。

今回は日本のラーメン会社である日清がそのMangaの中で混血である彼女をホワイトウォッシュしたことで非難された、そしてて多くの人々がなぜ、こんなことが2度も起こり得るのかと疑問を抱いている。

2018年9月(※大坂なおみが全米オープンで優勝した直後)、オーストラリアの漫画家が同国の新聞『ヘラルドサン』に掲載された風刺画の中で大坂なおみを "金髪" の "白い肌" の女性として描写した際には論争は終結するまで数週間を要した。



「これはあのセリーナ・ウィリアムズの風刺画の最も攻撃的なところではもちろんないけれども、これが性差別的でも人種差別的でもないとしたらどうして大坂なおみが白人でブロンドのポニーテールとして描かれているんだ?」
なぜ肌の色を実際のその人から大きく外れた色に変える?

このCMの絵を担当した漫画家・許斐剛氏が その絵を自身のソーシャルメディアで共有した のちに1人のツイッターユーザーは彼に問いただした。

その描かれ方に対する非難の声は高まり、それを受け日本のテニスチームのスポンサーもしている日清食品の広報担当者はこのCMにホワイトウォッシングの意図はなかったと説明したうえで、これらの問題に対する意識が十分ではなかったことを真摯に受け止め、今後は多様性の問題により多くの注意を払うと謝罪した。

「これに関わった人間が信じられない... いったい日清は何を考えて大坂なおみをホワイトウォッシュしたんだ? 憂慮すべき問題だ、我々はそのままの大坂なおみを愛している、その多文化な背景を愛しているってのに、彼女を彼女たらしめている要素を消してどうする? 」


大坂なおみ本人はこの問題についてコメントを出していない、それはそうだろう、目の前に迫った準決勝の方が気がかりなはずだ。 。しかしこの騒動は、日本における人種と差別の問題に再び光を当てている。

日本は - 今日に至っても - 極めて人種的に均質な社会の国だ。したがって人種や人種差別の問題はおそらく身近なものではないのだろう。

しかしその問題は繰り返し指摘されてきた - 例えば2005年には国連人権委員会の特別報告者ドゥドゥ・ディエンが同国の差別は "根深く深刻" であり対処すべき問題であると日本政府に警告している。



もっともそんな日本でもその態度、そして同国の均質/同質性は変化しはじめている。現在の日本で生まれる赤ん坊の50人に1人は大坂なおみのような混血だ。しかしそれでも、大坂なおみのようなスターでさえ、陸上のケンブリッジ飛鳥や野球のダルビッシュ有などのスターも言うまでもなく、 "Hafu" はまだ偏見に直面している。 "Hafu" とは日本語で混血を指す言葉だ。

2015年に日本人の母とアフリカ系アメリカ人の父を持つ宮本エリアナがミスユニバースジャパンを勝ち取った際には、一部の日本人はその国の代表にハーフである人間を選ぶのは果たして「OK」なのかと疑問を投げかけた。

当時、彼女は自分を支持してくれる大勢の人々から勇気づけられたと口にしていたが、BBCとの取材の中で彼女の最も親しい学友が混血として日本社会に生きることで感じる孤立感から自殺したことを明らかにしている。

混血であるケイティ・サチコ・スコットは香港の日刊英字新聞サウスチャイナ・モーニング・ポストで次のように述べている:「私たち混血が日本人に "日本人" であると認められるのは私たちが何か素晴らしい業績を残した時だけだ」
ハーフと呼ばれる人々が日本で直面する差別のレベルはその人の非日本人部分がどこから来たのかにも左右されると日本に15年住むアフリカ系アメリカ人であるベイ・マクニール(Baye McNeil)氏は指摘する。

日本人と外見の違いが少ないハーフ、例えば中国人や韓国人とのハーフは偏見を経験することは少ない。だがその両親の片方が、たとえば西アフリカ出身で、その結果肌が黒いハーフはその外観から偏見を経験する可能性が高くなるとのことだ。

ではそれが今回の騒動、日清食品のCMが大坂なおみを白い肌とヨーロッパ人の特徴を持った人間として描くことで彼女のハイチ系という背景を無視することを選んだ(と思われる)理由なのだろうか?

おそらくそうではない。



「この国のアニメの多くで、そのキャラクターは欧米人風のルックスをしています。それがアニメのスタイルなのです」

ベイ・マクニールはそう説明する。

「しかしそのキャラクターがアフリカ系であった場合、彼らはその様には描かれません。しかしこのCMでは実際には明らかに茶かっ色の肌をしている人間が白人のように描かれている、今回のようなケースを見たのは初めてです」

さらにアニメなどのキャラクターのほとんどは完全に架空の存在だが大坂なおみは実在の人物でありより悪質だとベイ・マクニール氏は指摘する。



しかしそんな日本の人種に対する態度も変化し始めている兆候がある。

インド系日本人の吉川プリアンカがミス・ワールド・ジャパン2016年度日本代表に選ばれた際には、宮本エリアナの時のようなその国の代表にハーフである人間が選ばれたことに対する疑問の声はほとんど聞こえなかった。

今回の件でも日清は自らの過ちを認めそこから学んでいるように見受けられる。そしてオリンピックやラグビーワールドカップのようなイベント、年々増え続ける外国人観光客、それらはこのかつて孤立していた国のその孤立度合いを少しずつ薄めていっている。

それらに希望を見出しているとベイ・マクニール氏は語る。

「今でも積極的行動はないが、それを無視することは日に日に難しくなっている」
オーストラリア版Yahoo!より

大坂なおみ、"ホワイトウォッシング" 人種差別騒ぎの中心に

Naomi Osaka at centre of 'whitewashing' racism storm - 23 January 2019

日本のヌードル会社である日清食品はテニスの日本選手・大坂なおみをホワイトウォッシュしたCMに世界中から非難が集まったことを受けそれを取り下げた。

同社のアニメを使ったCMの中で日本人とハイチ人を両親に持つ大坂なおみは白い肌と白人の特徴を持ったキャラクターとして描かれていた。同CMには日本の男子シングルスでトップの錦織圭も登場しているが彼もまた白い肌で描かれていた。

日清食品の広報担当者はホワイトウォッシュの意図はなく、これらの問題に対する意識が十分ではなかったことを真摯に受け止め、今後は多様性の問題により多くの注意を払うと謝罪した。

これ以上騒動が大きくなることを危惧した日清食品はYoutubeに掲載していたそのCMを昨日取り下げた。



「有色の女性が日本の大規模な広告キャンペーンに起用されることはあまりないので私は期待していました」

「しかしいざYoutubeでそのCMを見るとその期待は失望に変わりました、そこには有色の女性ではなくホワイトウォッシュされた大坂なおみが映っていたのですから。」

こう語るジャパン・タイムズ紙に寄稿するアフリカ系アメリカ人作家のベイ・マクニール(Baye McNeil)氏は同社に圧力をかけた人間の一人だ。



大坂なおみが昨年全米オープンで優勝した時、多くの人々が彼女の日本での人気が高まることで日本の人種差別の考えを変える助けになるのではと期待した。

「日清食品は今回の事件を単に自社の恥と考えているのでしょう、これをここ日本だけでなく世界の顧客について何かを学ぶ機会と考えるのではなく」

「もしその問題、このような広告を制作するに至った物の見方に対処しなければもう一度同じ間違いを犯すことになります」

ベイ・マクニール氏はそう述べた。



日本の作家である谷村リサ氏は、日本は米国や他の国々とは比べ物にならないほど人種差別に対する意識が低いと述べている。

「大坂なおみ選手のホワイトウォッシングについて読んだとき、私はこれが日本人に共鳴するか疑問に思いました。おそらくそれほど多くないでしょう」
関連記事: 以下ジャパン・タイムズのコラムニストであるベイ・マクニール氏が関わったニュース 海外メディア「大坂なおみは日本人なのか?」(海外の反応) 外国人「ダウンタウンの浜田は無自覚な黒人差別を止めた方がいい」(海外の反応)


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海外の反応

twitter, reddit.comのコメント欄より: ソース ソース




Simy ‏ 彼女はそのままで美しい、それをなぜ受け入れられない人がいるのか。

Zoe ‏ テニスの王子様には暗い色の肌のキャラクターがすでにいたはずだ、なのに大坂なおみの肌を本人のものよりも明らかに明るいトーンで描いている。あえてそうしたのは明らかだ。

Mark 日本はいわゆる我々が認識する人種問題とはほぼ無縁だ。これはオーストラリアのマンガ家がセリーナ・ウィリアムズの風刺画を描いた際のそれと全く異なる件だ。これは完全に無実だよ。

Darren Ryding そうじゃない。日本のハーフに対する扱いは明らかな問題だ。彼らを社会的に受け入れようとしていない。ますます多様化する世界の中で、人口減少に直面する日本は何をもって日本人とするのかを問い直さなければならない時期に来ている。

Mark 人種と肌の色に関する日本側の見解はアメリカのものとは全く別物だ。漫画の中で人物の肌の色を明るいものにする、それが持つ意味も人々が抱く感想も欧米のそれとは全く異なる。

Freak_Out_Bazaar そもそもこのCMは日本国内向けで海外に向けたものじゃない、それをどうしてここまで大事にするかね... というかホワイトウォッシュですらない、"人種" 云々の問題ですらない。

Kim Driver 飛躍しすぎじゃね? 肌を白くするって行為は日本文化に古くから根付いてきたものだろ? ゲイシャのメイクとか見てみろよ。

Calumet Dundee 何をいまさら、日本のマンガ家はこれまでだってキャラクターを白人風に描いてきたじゃないか。

Molly Stephannou ホワイトウォッシングというか “Japanese washing” では? 単に彼らの表現方法で描いた結果というだけで、そこに人種や政治的なものなんて介在していないと思うんだが。

Charlie Caxton 肌が白いことがそんなに偉いんか。

Iris 肌の色だけが問題じゃない、その目も髪も何もかも、これが大坂なおみに見えないことが問題だ。

Slondro ここまで大坂なおみの肌の色を変えたら彼女の人種的アイデンティティが失われてしまうしホワイトウォッシュと呼ばれるのも仕方がない気もする。ただそれが意図したものかは疑問だ。逆に黒人をどう描くかで反発を呼ぶことを恐れた結果ではとすら思ってる。

MegaMac ‏ 今回は肌が白過ぎたためホワイトウォッシュだと非難されているが、肌が黒すぎればレイシストと人は叫んでいただろう。

nonjtwriter 何でも人種問題にからめるで有名なベイ・マクニールじゃん。

buvery アメリカの人種差別はアメリカ特有のものだ、それはアメリカ特有の奴隷制から来ている。

もちろん人種差別は世界中に存在するがそれが持つ歴史も背景も現状もアメリカの人種差別とは違う。だがこの男はアメリカの人種差別をそのまま日本に輸入しようとしている。勘弁してほしい。

Ellington Consulting マジかよ...
ついにアニメにまでポリコレが入り込んできやがった...!

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