ワーナーメディア参加のミニドキュメンタリーを製作するメディア『Great Big Story』より

日本の "毒" を使った料理をご覧あれ

Cooking With Poison in Japan - 2019/05/21



日本本土から遠く離れた島、奄美大島には "ソテツ" という非常に毒性の強い植物が自生している。

そして、信じられないかもしれないが、そこに住む人々はそれを定期的に食べている。

生のままで食べると死に至ることもあるその植物は、奄美大島に古くから住む人々の間で愛され慈しまれてきたという。





奄美大島には何百種類もの有毒植物が自生している。そんな中でソテツは何世代にも渡って島の主要な作物となってきた。

ソテツの毒性はあまりにも強力であるため、地元の人々は人が消費しても安全なものにするために必要な複数の措置を講じている。


和田昭穂(製塩業を営む傍ら地域復興のためにソテツの商品化に取り組んでいる89歳) 「名前はワダ・アキホといいます」

「先人たちの作り上げてきた食文化というものを継承していきたいと考えています」

「人とソテツの間には長い歴史があります。この植物は水をほとんど必要とせずに成長する、非常にしつこく生える生命力を持っています」

「そして大量に食べると毒になります」

ソテツ属 (Cycas)のソテツ (Cycas revoluta)は、日本の南西諸島の島嶼域では中世から近代まで食用にされてきた。ソテツは、有毒で発癌性のあるアゾキシメタンを含む配糖体であるサイカシンを種子を含めた全草に含む。サイカシンは摂取後に人体内でホルムアルデヒドに変化して急性中毒症状を起こす。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ソテツより




和田昭穂(製塩業を営む傍ら地域復興のためにソテツの商品化に取り組んでいる89歳) 「様々な経験、何が一番良かったのか、トライアル・アンド・エラー(試行錯誤)を通して先人たちによって積み上げらた結果がこの "毒晒し" の方法なのだと思います」





発酵と乾燥の工程を経て、ソテツから毒は取り除かれる。





和田昭穂(製塩業を営む傍ら地域復興のためにソテツの商品化に取り組んでいる89歳) 「(ソテツに含まれるデンプン)をうどん粉に混ぜた麺を作っています。他にもクッキーやカステラのようなお菓子も作ることができますし餅(蘇鉄餅)も作ることができます」


ホウラク・チカコ - 奄美大島の料理の専門家 「この集落ではソテツの幹と、芯と...要は全体を食べます」





ホウラク・チカコ - 奄美大島の料理の専門家 「ソテツの木の中から美味しい木とそうでない木を見分けることから始めます。切り倒したら朱色の実を収穫し、表皮とその下にある赤い部分を取り除いてから幹と芯とに切り分け、天日干しをします」

「干したら袋に入れて1週間から10日ほど様子を見ながら発酵させます」

「ソテツの木を切ってから出来上がるまでの工程には3週間ほどかかります」

ソテツの加工/毒抜きの詳細

幹の皮をはぎ数日間天日干しする。

何度もくり返し水でさらし、布でくるみ暗い場所で寝かしながら様子を見る(サイカシンは水に溶ける性質を持つ)。

黄色い麹が生えたらしっかり水洗いし、杵臼で細かくして水を変えながら幹が柔らかくなるまでこれを数日間繰り返す。

細かくすりつぶした後に水につけ、そこに沈んだデンプンだけを集めて乾燥させ保存する。

『猛毒!ソテツの実とは?毒抜きすれば食べられる?郷土食もご紹介! _ 暮らし~の[クラシーノ]』
https://kurashi-no.jp/I0018913より


「今日食べたものは芯が大きかった、だから美味しかった」

「味自体はないんだけどね」

「味はないんだけど、だから昔の人も今のように他の食べ物と一緒に食べていたんじゃない?」





ホウラク・チカコ - 奄美大島の料理の専門家 「私はソテツというものを宝物のように考えています、奄美大島に住む人々は皆同じように考えていると思います」





和田昭穂(製塩業を営む傍ら地域復興のためにソテツの商品化に取り組んでいる89歳) 「非常時に、飢饉の時に島民の命を繋いだのがこのソテツであり、それは殊勲賞(※特筆すべき働きをみせた者に贈られる賞)に値するものです」

奄「美大島の人々が作った作物はみなお上に献上させられたのです、そのため島民には食べるものが残らなかった。辛うじて残った米が尽きた時、彼らは飢えを凌ぐためにこのソテツを食べてきたのです」

※動画の説明文では戦後アメリカが日本を占領した数年間、奄美大島は本土から切り離され飢饉に見舞われたと説明している。

ウィキペディアによると、大正末期から昭和初期にかけて干ばつや経済不況により重度の貧困と食糧不足に見舞われた奄美・沖縄地域はソテツを救荒食にして飢えを凌いだが、正しい加工処理をせずに食べたことでソテツ食中毒で死者が出るほどの悲惨な状況にまで陥り、これを指して「ソテツ地獄」と呼ばれるようになったという。


「ソテツは毒を持っていますが、それを食べれるようにしたのはまさに生活の知恵というものでした」

「何よりも島民に奉仕してくれた、褒めるべき、称えるべき植物だと思います」





和田昭穂(製塩業を営む傍ら地域復興のためにソテツの商品化に取り組んでいる89歳) 「私は文化だと考えているからこれを大事にしているのです。そして次の世代に我々の文化として引き継いでいきたい、それが私の生きがいなのです」

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海外の反応

Youtubeのコメント欄より: ソース


YoE HaNNes "トライアル・アンド・エラー(試行錯誤)を通して先人たちによって積み上げらた結果が"

トライアル・アンド・エラー(試行錯誤)を通してってw
自分が次の実験台になることを想像してごらんよw

Happy 1101 "奄美大島には何百種類もの有毒植物が自生している"

ソテツを食べれるように加工するために数多くの試行錯誤が繰り返されたんだろうが、そのソテツにたどり着くまでにも試行錯誤が繰り返されたんだろうな...

Elie Obeid その試行錯誤を通して一体どれだけの人が死んだのだろうか...
まさに不屈の努力、その過程で何人もの人々が命を落としたのだろうが、それは必要な犠牲だったのだ。

Duck Kamikazeやな。

AscendtionArc そこにあったのはわらにもすがる思いだろうがな。

Zuzu 客:「おう兄ちゃん、この麺ウマいね、何でできてんのコレ?」
シェフ:「毒っす」
客:ہ o ہ

BlackSkullArmor そこに毒があると聞いて

Me:「No thanks」
Japan : 「閃いた!」

arve_h "試行錯誤を通して先人はこの有毒な植物から毒を取り除く方法を見つけ出したのです"

Me: (今聞いた言葉を頭の中で反復する)

Me: 「なん...だと...O_O」

I like Potatoes 私も同じ感じだったわw

Nay Soe 日本人は "dare devils(命知らずの人/無謀な人)" やで... 死に至る有毒な魚を食うかと思えば今度は有毒な植物まで...

dimitrimoonlight You guys are crazy!
なぜ君たちはこの島に住む人々の、苦難の時をその知恵で克服した賢明さを評価できないのか。

Ras Putin 戦争や飢饉の時にそうしたってことを忘れちゃならない、我々が今食べているものの中にもそういった試行錯誤を経たものがあるんだぞ。

A Random Rock かつて人々がどのキノコが食べれるのかを見分けた時と基本的に動機は同じじゃろ。

Fitrian Hidayat 人類はどの植物が食べられるのかを判別するために試行錯誤を繰り返してきた。その過程で多くの人々が命を落としてきた。

しかしだ、一体どれだけの人間が "それが有毒であることを知ってなお" その植物を食べる方法を見つけようと試みただろうか?

That's crazy

Oon-Hui Ng 皆 "トライアル・アンド・エラー(試行錯誤)" の部分だけを切り取って茶化しているが、それは選択の余地がなかったからそうしたという話だろ?

有毒な植物の無毒化に駆り立てられるほどの追いつめられた状況、切迫感、悲壮感はどれほどのものだっただろう・・・

Dark Soul 毒の無毒化も凄いが、あの年齢であれだけの仕事をする働きっぷりに私は驚いたよ。 it's outstanding 🙇

David Perez お祖母ちゃんたちの元気さにビビる。

Egg with 10,000 subscribers? Everyone: 「トライアル・アンド・エラーw」
Me:「スープを箸で食べるだと...?!」

Noer Garra 彼らのスキルには脱帽だ、その無毒化のスキルじゃない、お粥を箸で食べるスキルにだ!!!

joe maldo 沖縄で珍しい味噌を使った料理を食べたんだが、たぶんこれだと思う。味噌を作る過程で毒のある植物から毒を抜く処理を施すとか言ってたから。

Tushar Rajput あれ? 日本人って有毒な魚も食べてなかったっけ?
一体何が日本人をそんなにも駆り立てるのだろう...

Human Being 和田昭穂さんに、日本の文化に心からの敬意を。実に素晴らしい。

Soniya Kabdwal 私はもう日本のことで驚かなくなったよ。彼らに関するあらゆることが我々と違い過ぎる。

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