ギズモードやライフハッカーなどを抱えるアメリカのオンラインメディア企業ゴーカー・メディア傘下の自動車情報サイト『Jalopnik』より

ランエボなどの名車で我々をワクワクさせてくれた三菱はどこへ行ってしまったのか?

Why Mitsubishi Abandoned Small Sporty Cars - 3/12/2019



我々アメリカ人が三菱と聞いて思い浮かぶのは古き良き時代の三菱だ。つまりは三菱・ランサーであり、"the Evo(ランサーエボリューション)" であり、ギャランVR-4であり、3000GTであり、エクリプスだ。

2017年にはそのエクリプスが復活するとの発表があった、ただしクロスオーバーとしてだ。我々の期待とは裏腹にそのニュースは車好きにとって悲しく、厳しい現実を思い知らせただけだった。



近年はクロスオーバーやSUVがあらゆる小型スポーツ/スポーティーカーを自動車メーカーのラインナップから弾き出している。

特にその傾向はアメリカで顕著であり、例えばフォードは経営資源をSUVとピックアップトラックに集中させるために北米市場のラインナップからムスタングを除いた小型車とセダンを廃止する決断をした。あのフォード・フォーカスまでをもだ。

それは極端な賭けのように思えるが、三菱自動車(フォードよりもずっと小さい会社ではあるが)が取った決断はそれ以上に極端だった、そのラインナップの全てを図体のデカい車に変えたのだ。

(実際には唯一ミラージュというセダン/ハッチバックだけは小型車として残った、三菱が販売する車の中で最も安価なモデルだ)

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では何が三菱をがらりと変える要因になったのだろう?

もちろん近年の消費者の “small cars bad, SUVs good” という嗜好の変化もあるがそれだけではない。

三菱自動車は弱小メーカーとして特定の車種以上の車にフォーカスする余地があるとは考えていないのだ。

2019年3月に開催されたジュネーブモーターショー2019で自動車情報サイト『Car Throttle』から三菱の現在の販売戦略について聞かれた三菱UKの代表取締役Rob Lindley氏はこう答えている。



「三菱の焦点は現在、SUV、クロスオーバー、4輪駆動、(ガソリンに代わる)代替燃料技術にあります」

「三菱はこれまでブランド・ポジショニングを転々とさせてきました。三菱・スペーススター(三菱自動車が欧州市場で販売するコンパクトカー)であれEVOのようなスポーツタイプであれ、消費者がそのブランドに対して認識する独自の役割というものを明確に意識してこなかったのです」



特定の車種に集中しようとした場合、最善となるのは当然SUVだろう。実際三菱よりもずっと規模の大きいメーカーもその軸をSUVに大きくシフトさせている。

しかし彼らは今もスポーツカーをそのラインナップに残す努力をしている。例えばフォードはマスタングを残しているし、トヨタはかつて販売していたスープラを復活させている。ホンダでさえシビックタイプRとNSXを再びそのラインナップに戻した。

ラリーを中心としたモータースポーツの伝統を持つ三菱が同じように車種を絞ってでもスポーツカーを残すことはできそうなものだが、残念ながらそうではないようだ。

「現在、三菱は世界中で120万台の自動車を販売していますが、それは世界的に見て決して大企業と呼べる規模ではありません。各セグメントごとに車を用意すると我々のビジネスは経済的に成り立たないのです」 (自動車情報サイト『Car Throttle』の2019/3/8の記事より)
三菱自動車が持つモータースポーツの伝統が、車好きを熱狂させた数々の車をそのラインナップに並べていたかつての三菱と今のSUV路線の三菱とのギャップが足かせにならないのかと聞かれRob Lindley氏はこう答えている。

「私はそれが "呪い" になるとは思いません」

「ブランドを強く支持するファンベースは、それがブランドのかつての姿に対するものだとしても非常に大きな資産です」

「特にスポーツカーを運転する人は他の車種も同時に運転することが多い。彼らはランサーエボリューションを始めとする三菱のスポーツカーを愛してくれましたが、彼らの多くが他のタイプの車を同時にガレージに並べていたはずです」

「そしてスポーツカー市場が縮小し続けている現在、三菱自動車の四輪駆動の歴史を考慮するとむしろSUV市場は三菱にとってふさわしい場所であると言えます」 (自動車情報サイト『Car Throttle』の2019/3/8の記事より)




というわけで答えはNOだ、もしあなたがランサーが再び自動車市場に戻ってくると期待していたなら。三菱は今後もSUVの会社であり続ける、なぜならSUVが売れるからだ。

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海外の反応

jalopnik.comのコメント欄より: ソース


6Stringtheory Mitsu who?
(みつ...誰だって?)

Romeo Reject Mitswhobishi?

move-over-peasant-I-have-an-M5-in-the-shop "なぜ三菱自動車は小型スポーツカーを見捨てたのか?"

小型スポーツカー? いやいや、三菱自動車はほとんど全ての車種を見捨ててますがな、少なくともここアメリカでは。

Karfreek (Rides a Full Dresser) たま~に地元のテレビで三菱のCMが流れるけどそのたびに「ああ、そういえばなんか細々と続けてましたね」と思う。

ShinyBadGuys "ブランドを強く支持するファンベースは、それがブランドのかつての姿に対するものだとしても非常に大きな資産です"

資産と思っているのかもしれないが大切にしているとは思えない、エクリプスの名前をあんな車に付けているあたりそうとしか思えない。

私はランサー エボ 9を新車で購入しそれを愛した。しかしそれ以降私の求めるものを満たしてくれたのはスバルだった。"ブランドを強く支持するファンベース" はブランドがその支持に応え続けてこそ維持されるものだと知れ。

ElantraMusk Mitsubishi has a fanbase? in 2019?
(三菱にファン層? 2019年の今も存在すると?)

Rockchops 正直、三菱のディーラーがどこにあるのかも知らないんすけど。

Rusty Starship "むしろ三菱自動車の四輪駆動の歴史を考慮すると、SUV市場は三菱にとってふさわしい場所であると言えます"

OK、ならばなぜ面白い/乗っていて楽しいまともなオフローダーを提供できない?

もし三菱自動車がそんな四輪駆動の歴史を持っているというのなら(実際持ってはいるが)、それを象徴する本格的なSUVをなぜ提供できない?

三菱というブランドを "日本のJEEP" や "日本のランドローバー" というポジションにする路線だって選べたはずだ、しかしそうしようとする気配すらないことに私は激しく失望している。

Just Jeepin' ある意味ではスズキがそのポジションにあるな。

Margin Of Error スズキはアメリカ市場から撤退しているから違うかな? タコマや4Runner(ハイラックスサーフ)、ランドクルーザーやレクサス・GXを持つトヨタの方が事実上の "日本のJEEP" と言えるだろうよ。

icemilkcoffee 世界中で120万台の自動車しか売れない規模になったというのなら、なおさら競争激しい "なんちゃってSUV" ではなくニッチな商品に特化すべきだと思うんだが。ビッグプレイヤーと同じ土俵に立ってどうするんだか。

Jalisurr 例えばパジェロ・エボリューションの新型とかを作ってくれれば三菱のラインナップにスポーツカーがないことも許せるんだけどねぇ。

hoser68 真に問うべきは、
"なぜ三菱自動車は小型スポーツカーを見捨てたのか?"
ではなく
"なぜ我々は小型スポーツカーを見捨てたのか?"
である気がしなくもない。

valsidalv, reminding you that infiniti is an option ライバルだったスバルがBRZやSTiを作れているのに、どうしてこうなった。

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