日本とのGSOMIAを破棄した韓国に対する海外メディアの反応まとめ

2019/08/23

米国の高級日刊新聞紙『ニューヨーク・タイムズ』より

韓国が日本との情報共有協定(GSOMIA)を破棄すると発表、日韓の緊張増す

South Korea Says It Will End Intelligence-Sharing Deal With Japan, Adding to Tensions - 2019/08/22



- 一部抜粋 -

「GSOMIAの終わりはトランプ政権が北東アジアの3者提携主義の強固な基盤を構築するために必要なリソースを投じてこなかったという事実を告発するものである」

アメリカのシンクタンク『米国科学者連盟』のアンキット・パンダ氏はこう述べた。

- 省略 -

実際には今回の韓国の決定は日本よりも韓国自身を傷つけることになりかねない。日本は現在、北朝鮮の監視用に調整済みの衛星を韓国よりも多く有しており、また北朝鮮による潜水艦の動きを追跡する能力においても韓国よりも優れた能力を有している。

韓国はつまるところ、自らを困難にたたせるような愚かしい行動を取ってしまった

米国のシンクタンク『ランド研究所』のアナリストであるジェフェリー・V・ホーナング氏こうは述べる。

彼らはここにきて自傷行為を始めた。そして今回の決定は純粋に政治的な動きによって下された

ホーナング氏はこう付け加えた。



もし韓国国民が日本との長引く緊張関係に嫌気がさした場合、米国との同盟関係への影響を心配し始めた場合、今回の措置でムン大統領が得た政治的利益、ナショナリストの感情に迎合することで得たあらゆる政治的利益は短命に終わる可能性があると韓国の政府系研究機関『統一研究院』の元院長のチョン・ソンフン氏は指摘する。

「これは米国にとってポジティブなシグナルではない。米国は韓国/日本/米国が緊密に協力することで中国の台頭を阻止する戦略に力を入れてきた。そして今回の韓国の動きは米国からするとその枠組みの柱を揺るがす行為に他ならない」

チョン・ソンフン氏はこう述べた。

 「長期的には、米国の一部の人々から韓国が自分たちの側にいるのか、それとも中国の側にいるのかとの疑問がでてくるだろう」

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アメリカ合衆国の公共のラジオネットワーク『NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)』より

韓国、日本との軍事情報包括保護協定を破棄

South Korea To Scrap Military Intelligence-Sharing Agreement With Japan - 2019/08/22



- 一部抜粋 -

カナダを訪問中のマイク・ポンペオ国務長官は木曜、韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めたことに対してこう述べた。

「韓国が情報共有協定について下した決定を知り我々は失望している」

「我々は日韓両国が関与と対話を続けることを求める」

- 省略 -

米国政府は北朝鮮と影響力を増大させている中国に対抗するためのもう一つのメカニズムとして、韓国と日本との間に協調関係を築こうと長年にわたって尽力してきた。

ペンタゴンの広報担当であるデイブ・イーストバーン中佐はNPRの取材に対し、国防総省は日本と韓国に協力して両者の意見の相違を解決するよう働き掛けており、それが「迅速に」行われることを望んでいると述べた。

「連帯と友好の下で米国、日本、韓国が協力できたときに我々は最も強くなり、北東アジアはより安全になる」

イーストバーン氏はこう述べた。

軍事情報の共有は、共通の防衛政策と戦略を構築するための鍵だ



ポンペオ国務長官とビーガン北朝鮮担当特別代表の両方が日本と韓国に対して関係を改善するよう促したと伝えられている。しかし批評家たちは米国の介入が遅すぎたと批判の声を上げている。

北朝鮮、中国、ロシアは米国の同盟網の中で成長し続ける亀裂に喜んでいる可能性が高い。
米ワシントンD.C.の日刊紙『ワシントン・ポスト』より

韓国が日本との軍事情報包括保護協定を破棄

South Korea axes pact on sharing military intelligence with Japan - 2019/08/22



- 一部抜粋 -

韓国が木曜、軍事情報を日本と共有するための協定を破棄し、歴史問題と貿易問題をめぐり激しい対立を繰り広げる米国の同盟国間の危機を大幅にエスカレートさせた。

この決定に北朝鮮問題への対応には同盟国間の情報共有が重要であると考える米国は失望感を示した。

- 省略 -

GSOMIAは韓国の保守政権(伝統的に米国との同盟を重視しムン政権などの左翼政権よりも日本に対してより我慢強い態度を取る)によって署名された。

欧米のアナリストの多くは、韓国の左翼政党が "日本は韓国のパートナーであり北朝鮮が敵である" というGSOMIAの前提を共有していないことを理解していない

釜山国立大学の政治科学教授であるロバート・E・ケリーはこう述べる。

 「韓国の左翼は全く反対の前提を持っている。世界は今、韓国が日本と北朝鮮に対してどれほど極端に二極化するかを学び始めた



いずれにせよ、最大の敗者は韓国人になるだろう。

「GSOMIAを更新しないという韓国の決定は、他の誰よりも自分自身を傷つける "stunningly stupid decision(驚くほど愚かな決定)" だ」

米国務省で韓国問題を担当していた元外交官のミンタロウ・オバ氏はこうツイートしている。

「韓国政府はワシントンで非常に重大な代価を支払うことになるだろう。米国と韓国の同盟への建設的な取り組みに沿ったものではない」
イギリスで発行されている日刊の経済紙『ファイナンシャル・タイムズ』より

韓国が日本との軍事情報包括保護協定を破棄

South Korea scraps intelligence-sharing pact with Japan - 2019/08/23



- 一部抜粋 -

米国国務長官マイク・ポンペオは訪問中のオタワで記者団に対し米国は韓国政府のGSOMIA破棄の決定に失望したと語り、米国国防省もこの動きに失望感を示した。

- 省略 -

アナリストらは今回の韓国政府の決定が日本との緊張を高め、日本の輸出管理の厳格化措置は不当なものであるとの韓国の主張に対する国際的な支持を弱めることになると指摘する。

「ムン政権はこの決定を国内受けが良く、象徴的で、日本からの譲歩を引き出すための低コストな手段と見なしているのかもしれない」

韓国ソウルの梨花女子大学校の国際研究教授であるレイフ・エリック・イーズリー氏はこう述べる。

しかしこの動きは、韓国政府が同地域の安全保障状況を見誤っており、"日韓関係を改善する責任を負う気がない" のではないかという国際的な懸念を引き起こすだろう

北朝鮮、中国、ロシアは今回の韓国政府の決定が韓国と米国との同盟関係を弱めると考える可能性があり、その場合韓国は地政学な脅威によりさらされることになるとイーズリー氏は述べた。
アメリカ合衆国政府が運営する国営放送『ボイス・オブ・アメリカ』より

韓国、日本との軍事情報包括保護協定を破棄へ

South Korea to Scrap Military Intel Sharing Deal with Japan - 2019/08/23



- 一部抜粋 -

GSOMIAは2016年11月に署名された。この破棄による直接的な影響がどうなるかは不透明な状況だ。

「この地域における米国の政策に影響が出ないことを望むが、軍事および諜報活動に影響を与えることになるだろう」

在韓米軍基地での勤務経験がある米国陸軍の元特殊部隊大佐であるデビッド・マクスウェルはこう述べる。

「軍事情報は米国が仲介者になることで共有され続けるだろう、韓国や日本が情報を第三者とは共有できないと主張するなどして状況を悪化させない限り」



韓国のカン・ギョンファ外相はGSOMIA破棄の決定は「米韓同盟とは別個の問題」であり、日本との信頼問題が原因であると述べたと韓国聯合ニュースは伝えている。

しかしこの動きはを米国との同盟関係から切り離すことはできないと、現在はワシントンに拠点を置く国家安全保障と外交政策に焦点を当てるシンクタンク『民主主義防衛財団』に属しているマックスウェル氏は主張する。

 「今回の韓国政府の決定は米日韓の三国すべての国家安全保障に損害を与える、そして最悪の被害を被るのは韓国だ

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イギリスの大手一般新聞『ガーディアン』より

韓国が日本との情報共有関係を解消、北朝鮮に対する懸念高まる

South Korea cuts intelligence ties with Japan, raising fears over North Korea - 2019/08/22

- 貿易紛争からさらに発展、北朝鮮のミサイルプログラムに関する情報が共有されなくなるかもしれないという懸念を引き起こす事態に -



- 一部抜粋 -

一連の首脳会議や交渉にもかかわらず依然として残る北朝鮮の核とミサイルの脅威、GSOMIAはそれに関する情報の共有を促進したとこの協定の締結交渉に取り組んだ元韓国国家安全保障顧問のチョ・テヨン氏は述べる。

 「GSOMIAを終わらせることは日本に圧力を与える方法として間違ったカードであるだけでなく、我々の安全に全く寄与しない



米国のアナリストもこの動きを間違った試みとみなしており、一部は同盟国に十分な注意を払わなかった内向きのトランプ政権の姿勢を非難した。

「これが "America First(アメリカ第一主義)" が我々にもたらしたものだ。パートナーとの協調ネットワークが軽視され誰もが自分自身だけを見ている」

元国家安全保障会議アジア上級部長でトランプ政権の初期まで国務省の外交官を務めたダニエル・ラッセル氏はこう語った。

北朝鮮が核および弾道ミサイル兵器を急速に発展させている中で起きたGSOMIA破棄という事件は米国の国家安全保障に直接害を及ぼす

「そして影響力と軍事力を増大させ続ける中国という前例のない、米国の能力が真に試される課題を前に、米国を中心とした同盟システムは分解しつつある。これはまさに最悪の事態だ」

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