イギリスの大手一般新聞『ガーディアン』より

ラグビーワールドカップ・アワード:ベストマッチ、ベスト選手は?

Rugby World Cup awards: the best player, the best match – our verdicts - Mon 4 Nov 2019



ラグビーワールドカップ日本大会の最高の瞬間は?


ロバート・キットソン:(ガーディアン紙ラグビー担当記者)
日本がアイルランドを破ったことで今大会は一気に面白いものになった。今回のホスト国はフィールドの内でも外でも素晴らしかった。



アンディ・ブル:(ガーディアン紙スポーツ担当編集委員)
東北の小さな町・釜石の小学生1000人が釜石鵜住居復興スタジアムで行われた唯一の試合の直前にフィジーとウルグアイの国歌を声高らかに歌った瞬間。



ジェラルド・マガー:(ガーディアン紙ラグビー担当記者)
南アフリカのシヤ・コリシが優勝カップを掲げた瞬間。鮮烈な瞬間であり何百万もの人々に希望を与えるようなパワフルな瞬間であった。



ポール・リース:(ガーディアン紙ラグビー担当記者)
台風19号によって試合の延期を余儀なくされた後に、カナダとナミビアの選手たちが爪痕が残る釜石に残り住民と並んで泥掃除をしていた瞬間。



クレア・トーリー:(ガーディアン紙スポーツ特集記事担当デスク)
フィジーを相手に接戦の末に勝利を手にしたウルグアイ、そのキャプテンであるフアン・マヌエル・ガミナラがテレビインタビューに応じていた場面。

ベストトライは?


ロバート・キットソン:
それこそ数えきれないほどあるが特に決勝での南アフリカの2つのトライは人々の記憶に残ったはずだ。





アンディ・ブル:
日本対スコットランドでの稲垣啓太のトライ。 1人の優れた選手による目を見張るようなトライはいくつもあったがこれは日本が見せた、愛さずにはいられない "チームの努力" が生んだトライだった。





ポール・リース:
ニュージーランド対ナミビアのTJ・ペレナラ。


クレア・トーリー:
ニュージーランド対ナミビアのTJ・ペレナラ。


ジェラルド・マガー:
ニュージーランド対ナミビアのTJ・ペレナラ。オールブラックスは他とは違う、そう賞賛される理由を説明するようなトライだった。

ベストマッチは?


ロバート・キットソン:
ニュージーランドを相手にイングランドが見せたパフォーマンスは他のあらゆる試合の印象を薄くした、だが日本対スコットランドはゲーム・オブ・ザ・トーナメントだった。

彼らは全てを賭けて戦った, Japan’s first-half display was a joy(日本が前半で見せたものは喜びであった).



アンディ・ブル:
日本対スコットランド、台風19号が吹き抜けた翌日のあの試合。 両チームは共に決勝トーナメント進出のために戦ったが、日本はそれよりもっと大切なもののために戦っていた。



ジェラルド・マガー:
ニュージーランドを下したイングランド代表のパフォーマンスこそ最高、と言いたいところだがそれは日本対スコットランドでなければならないだろう。

Japan were playing rugby from another planet for half an hour(日本は30分間この世の物とは思えないラグビーをプレーしていた)、そしてそこからスコットランドがあわや逆転かという巻き返しを見せた。この試合に至るまでの様々な出来事を考えるとそれはより一層特別なものに見える。



ポール・リース:
日本対アイルランド。 今大会はここから一気に盛り上がりを見せた。



クレア・トーリー:
日本対スコットランド。日本は20分ほど "unplayable(あまりにも凄すぎて対抗できない)" だった。



ベストプレーヤーは?


ロバート・キットソン:
リーチマイケル(日本代表)

アンディ・ブル:
シヤ・コリシ(南アフリカ)

ジェラルド・マガー:
Semi Radradra(フィジー代表)

ポール・リース:
シヤ・コリシ(南アフリカ)

クレア・トーリー:
アリン・ウィン・ジョーンズ(ウェールズ代表)



最大の失望は?


ロバート・キットソン:
アイルランド。2019年はついに彼らがワールドカップで輝ける年になるはずだった。しかしどういうわけかそうはならなかった。


アンディ・ブル:
80人の犠牲者を出した災害に日本が対処している最中、試合が中止になるならないでラグビー協会間でいざこざが起きたこと。


ポール・リース:
3試合が中止になってしまったこととスコットランド・ラグビー協会がかんしゃくを起こしたこと。


クレア・トーリー:
イタリア対ニュージーランドの試合が中止になったことは仕方のないことであったものの、歴史上最も偉大な選手の一人であるセルジオ・パリスがきちんとイタリア代表のユニフォームに別れを告げることができなくなってしまったことは残念であった。

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海外の反応

theguardian.comのコメント欄より: ソース


robmawhinney 最高の瞬間、それは選手と一緒に入場する日本の「マスコットキッズ」が全員担当した国の国家を学習し歌っていたこと:英語、フランス語、スペイン語、ウェールズ語、コーサ語、ズールー語、セソト語、アフリカーンス語、マオリ語などすべてだ、 Wonderful!!

jifferyvtwo robmawhinney 確かに。あれにはちょっと驚いた。

dontbewoollysheep ベストプレーヤー:南アのピーター・ステフ・デュトイ
ワールドラグビーが年間最優秀選手賞に選んでいたがその判断は正しい。

ベストマッチ:日本対スコットランド

最高の瞬間:どの瞬間か、ではないがそんな最高の瞬間をいくつも見せてくれたのが日本の左ウィングの福岡堅樹。

rand57 このコメントに同意する。福岡堅樹はブリリアントだった。

Magnusson ベストプレーヤー:流大(ながれ ゆたか)。彼はフィールド上のどこでも電撃的な速さだった。

最高の瞬間:イングランドファンとしてはニュージーランドを倒した瞬間はそりゃ最高だったさ。でも客観的に見た場合、日本がスコットランドを破った瞬間以外は考えられない。あそこでトーナメントはピークに達した。 最も失望した瞬間は言うまでもなく決勝でイングランドが敗れた時。

Jeff_Wode ナガレは見ていて楽しい選手だった。

Magnusson bakkies 南アフリカの人間としてはシヤ・コリシが優勝カップを掲げた瞬間はやはり特別だった。

でも、まぁそうだろう、確かに客観的に見た場合ホスト国である日本がティア1の強豪国を相手に総合力で勝って破り決勝トーナメント初進出を果たした瞬間はラグビーファンなら震えずにいられない瞬間だった。

Zammo71 日本で結婚し日本に住んでいるスコットランド人として、スコットランド対日本の試合は間違いなく今大会のハイライトであり最もエキサイティングで劇的な試合だった。

他の人が同じように考えていると知れて嬉しいよ。

Bob_Helpful 日本から帰国したばかりだがなんと記憶に残る数日だっただろう。日本は素晴らしく、そしてぶっ飛んでいた。地元の人たちは親切だったしそこでの時間はただただ楽しかった。決勝での結果とパフォーマンスには大きく失望したが、そこ以外の時間は決して忘れられないものになった。

Arigato japan, you mad bastards
(ありがとう日本、このとんでもない野郎め) bastard:"ろくでなし" の意味だが "非常に印象的" といったポジティブなニュアンスで使われることもある

SamSecret ハイライト:私は特にラグビーファンってわけではないけど今大会中に見た試合はどれも楽しめた、特に最初から最後まで見るのが喜びだった日本対スコットランドの試合が大好きだった。本当にいい試合だった。

ローライト:台風で試合が中止になるかもしれないという話になった時のスコットランドの反応。

chymist Japan beating Scotland and Ireland was just amazing.

greatphilosophy ベストトライは南アフリカの決勝での1本目と日本のスコットランド戦での1本だな。

canuckafoot 南アフリカの決勝での2本のトライはまさに頂上決戦に相応しいトライだった。でもやっぱりベストはニュージーランド対ナミビアのTJ・ペレナラのやつだ。台風の後にカナダとナミビアの選手がボランティアに参加した光景は今大会で最も記憶に残る瞬間だった。

KnightOfNie 日本はたぶん今大会最も刺激的なチームだったと思う。その日本に前半やられてこれといった反撃ができなかったアイルランドの試合っぷりが最も失望した瞬間だった。

ID5307934 私にとってのハイライトは大分だった。九州全体がラグビーワールドカップとウェールズ代表をとても歓迎してくれていた。地元の人たちが本当に素晴らしくて冗談抜きに今書いていて目頭が熱くなっている。

別府で地元の子供たちが作ったウェールズ代表を応援するポスターを見た時はグッと来た。

ファンゾーンの盛り上がりも最高だったし駅員が日本代表のユニフォームを着ているのが見ていて楽しかったし主催者の仕事っぷりは見事だった(ウェールズ代表の試合を観に行った後に迷わず帰れるか不安だったがそんな心配は不要だった)。

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