アメリカ合衆国のニュース雑誌『タイム』より

日本で新型コロナウイルスの新規感染者数が急減する謎の成功物語

Japan's Plummeting COVID-19 Cases Create Mysterious Success Story - OCTOBER 18, 2021



新規感染者数が連日過去最多を更新していたはずの日本が突如として驚くべき、そして謎の成功物語を見ている。

人口密度の高い東京の新規感染者数は8月中旬のピーク時には6,000人近くに昇ったにもかかわらず現在は100人を下回り11か月ぶりの低水準に戻っている。

酒類を提供する飲食店は人々で溢れ、電車も満員状態、街の空気はお祝い気分だ。もっとも人々も具体的に何が急激な収束に寄与したのかは理解できていない。

日本はヨーロッパや他のアジア諸国とは異なりロックダウンに近い措置は一度も取ってこなかった、やったことと言えば強制力のない非常事態宣言くらいなものである。

日本の成功の要因としてはいくつか考えられる。開始時期は他国と比べると遅れたものの始まってからは極めて迅速に行われたワクチン接種、感染者急増の危機感から夜の街から人を遠ざけようとした試み、パンデミックが起こる前から定着していたマスクを着用する習慣、8月下旬の悪天候のおかげで人々の外出が減ったこともその一つだろう。

しかし正確な答えは誰にも分らない。そして専門家らは感染者数が劇的に減少した理由を正確に把握できないまま感染拡大が起こり易い冬を迎えれば、第5波の時のような病院が重症者で溢れ死亡者が急増する事態が再び起こる可能性があると危惧している、ワクチンで獲得した免疫は徐々に低下することは確かだからだ。



日本の感染者数の急激な収束について国際感染症センターの所長を務める大曲貴夫氏は「難しい質問でありワクチン接種の広がりによる効果を考慮する必要がある」と述べたうえで「人混みや換気が十分でない場所などの感染するリスクが高い環境に身を置く人々はすでに感染しており自然免疫を獲得している可能性がある」と指摘している。

またウイルス学の専門家である東邦大学の立田和弘教授は64歳未満の人々を対象とした日本の迅速かつ集中的なワクチン接種が一時的に集団免疫を獲得したのと同じ状態を作った可能性を指摘する。

実際多くの専門家らが迅速なワクチン接種を評価しており、これまでに日本の人口の約70%が2回のワクチン接種を終えている。またワクチン接種率が急増したタイミングがちょうど感染力の強いデルタ株が急速に広まった7月から9月に重なった点も重要だ。

一方で日本よりも数ヶ月早くワクチン接種が開始された米国や英国などの他の地域ではワクチン接種を完了したにもかかわらず感染するブレークスルー感染が発生しており、ワクチン接種が行われても有効性は徐々に失われるためワクチンだけでは完全に対処することは不可能だと立田氏は警告した。



感染者数の減少はPCR検査の実施数の減少によるものとの見方もあるが、検査数は8月下旬から10月中旬までの間に3分の1に減少したものの陽性率は25%から1%にまで低下していることが東京都のデータで判明しており、東京医師会副会長の猪口正隆氏は陽性率の低下は感染ペースが鈍化していることを示していると述べた。

ヨーロッパなどで実施されたロックダウンは人々の行動を厳格に規制する強制力のある措置だったが日本の非常事態宣言は主に酒類を提供する店舗や飲食店に焦点を当てた「要求」であり、早めの閉店やアルコールを提供しないように求める程度の措置だった。

そのため宣言が出された後も多くの人々は混雑した電車で通勤し続け、ある程度のソーシャル・ディスタンスは確保されていたもののスタジアムでのスポーツイベントなどにも参加し続けた。

非常事態宣言を受け酒類を提供する店舗が閉店した際には若者が路上や公園で飲酒する姿が見られたことから多くの専門家は彼らがウイルスを広めたとして非難していたが、後に調査で40代と50代の多くが夜の繁華街を頻繁に訪れていることが判明、また新型コロナによる重症患者や死亡例の多くは50代以下のワクチン未接種の患者だった。



東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターのセンター長を務める西田淳志氏は「国民のワクチン接種が進んだこと、および歓楽街を訪れる人が減少したことが感染者数の減少に寄与したと思う」と述べた。

3回目となる非常事態宣言は9月30日に解除されたがその間に都心の主要な歓楽街での人出が減少していたことがGPSデータの分析で分かっている。しかし西田氏は緊急事態宣言が解除されるとすぐに歓楽街に人混みが戻ったと述べ、そのことが今後数週間で感染状況に影響を与えるだろうと警告している。

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海外の反応

reddit.comのコメント欄より: ソース


yoyogibair マスクの着用や手洗いや消毒などの基本的な感染予防策の徹底が日本が感染拡大を抑制できている理由の1つであることは間違いない、他の国と比べて病院や老人ホームで感染する人の数が少ないこともそれで説明がつく。

ただそれでも日本とヨーロッパ/北米の感染者数/死亡者数の圧倒的なギャップを説明するには十分じゃない。個人的には、家庭で家族以外の人間と交流する機会が少ないことがXファクターなんじゃないかと思ってる。

swordtech それと基礎疾患を抱える人が少ないのも理由だろう。日本人は国民皆保険が無い、健康保険に入っていても気軽に使えないアメリカとは違ってちゃんと治療を受けることができているからな。それとデブの数が少ないのも理由だろう。

DxGator アメリカはそうかもしれないけどヨーロッパには優れた医療保険制度があるし人々も日本人とほぼ同じくらい健康だぞ。

swordtech ヨーロッパって割とデブが多くなかったっけ?

DxGator アメリカに比べたらはるかに少ないわ!

Grigorie 「はるかに少ない」は言い過ぎだよ。EUは人口の53%が肥満(前肥満/太りぎみが36%、肥満が17%)、米国は人口の73%が肥満(前肥満/太りぎみが31%、肥満が42%)だ。そしてこのEUの数字にはヨーロッパで最も肥満率が高いイギリスを除いた数字だ。過度な肥満の数は米国の方が圧倒的に高いけど。

sonic_stream 日本が感染者数を急速に減少させることができた根本原因を突き止めてくれることを願うよ、感染封じ込めるのに苦労している他のすべての国にとってガイドラインになってくれるかもしれないからね。

ああ、もちろんアメリカを除いてだよw この国じゃまずデマを垂れ流す反ワクチン派をどうにかする必要があるんでね。

kyoto_kinnuku 反ワクチン派は日本にだっている。

jaqueass そうだね、でも日本でワクチンに反対している人たちは一般的に「急造のワクチンなんて接種する気はない、でも感染するのは怖いからよりいっそう感染対策を心掛ける」って人たちだ。

アメリカのワクチンに反対している人たちは「ワクチンを接種するような人間は自分の意見を持たず大勢に従うだけの人間だ、私は主流メディアとバイデンの嘘と戦っているのだ!」とかおっしゃる人たちだ。

kyoto_kinnuku True

dentistwithcavity 謎でも不可解でも何でもない。未だに人々がこのことについて議論している理由が分からない。理由なんてはっきりしている。

日本は早期からCOVID-19がエアロゾル感染で拡散していると判断して全ての人にマスクの着用を推奨していた、人々のコンプライアンスは高かった。欧米とは正反対だ。

検査実施数が少なかったことで感染者数は少なくなったのは確かだが陽性率に重きを置いていたのだから言うまでもなく悪いことではない。検査至上主義の他の国と違い日本は戦略的にコンタクトトレーシングにより力を入れる決定を下した、そしてそれはうまくいったように思える。

飲食店のアルコール提供自粛と午後8時で営業を終了させる要請をした「ソフトロックダウン」はしっかりと科学的根拠に基づいた措置で驚くほどうまく機能した。

Hazzat 君が挙げた理由は日本がパンデミックを上手く対処した理由だ、この記事で言っているのは夏に感染が急増したのに急激に収束したのはなぜかという話だろ? それについては誰もその答えを持っていない。

TofuTofu 感染が急増したのは感染力の強いデルタ株が流行り始めたから。感染が収束したのは60歳以下のワクチン接種が始まり、ワクチン未接種の人々の多くが接種を終えるまで外食や外出を控えていた。それがすべてでしょ。大した謎でもない。

criticalthinkitout 日本より中国の数字の方がよっぽど謎ですわ

TeachinginJapan1986 日本に住んでいる人間からするとマスクは「病気の場合はマスクを着用する」から「マスクを着用しない場合は村八分にされる」へと変化したように感じる。

kyoto_kinnuku 日本の田舎に住んでいるんだけど、駅のプラットホームで電車を待っているときに他の人とかなり離れた場所に立っていたからマスクをしないでいた。そうしたらお婆ちゃんがやって来てなぜマスクをしないのか、ワクチン接種を受けたのかと詰め寄られた。私は電車が来たときにマスクを付けるつもりだと答えた。

ここにはマスク着用に対する社会的圧力が確かにある。

kenspik 電車のホームでマスクを着用するのはもはや常識だろ、どうしてそういう発想になるね?

CyEriton 日本の共同体意識がこの成功に大きな役割を果たしたのは間違いない。他者への配慮、地域社会への配慮は彼らの文化に深く根付いている。でもそれに従うことってそれほど大したことでもないと思う。

RinRin17 日本では感染拡大が基本的に特定のコミュニティ内で収まっていたからだと思う。つまり感染の大半が友人や家族や同僚などの近しい関係の人たちを介して感染したということだ。

日本ではマスク着用に対するコンプライアンスが非常に高い、そのおかげで見ず知らずの他人からの感染、電車内などの不特定多数の人間がいる場所での感染はほとんどなかったように思う。社会の至る所に感染するリスクがあるのではなく場所や状況が限定されていたことが感染者数の急激な低下につながったのだろう。

結論としては人々が公共の場でほぼ100%マスクを着用していた、3〜4か月で人口の75%がワクチン接種を完了した、アルコール提供自粛などのソフトロックダウンで外出する理由が減った、それで十分感染拡大を抑えられるということだろう。

こうして見ると...やっていることはかなり単純だ、しかし欧米ではその程度の事すらできないせいで収拾不可能な大惨事が続くのであった。

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