オーストラリアの自動車売買/総合情報サイト『Carsguide.com.au』より

最も高収益な自動車メーカーの地位をスズキがBMWから奪取

Suzuki replaces BMW as most profitable automaker - 2018/08/21

- BMWが直近の四半期で "世界で最も収益性の高い自動車メーカー" の称号をスズキに奪われる -

ドイツメディアの報道によると第2四半期のBMWの "profit margin(利益率)" は11.4%で日本の自動車メーカーのスズキの11.8%に敗れたという。

BMWは2016年にダイムラーに "世界最大の高級車の売り手" の称号を奪われるなどここ数年は苦しい状況に置かれており以来利益率の低下に悩まされていた。

これらの数字の引用元である世界4大会計事務所の一角のアーンスト・アンド・ヤングの調査は、BMWの利益の低下は今も進行中のディーゼル・スキャンダル、そして最近では米国の貿易関税からの損失に起因すると指摘している。



ただしBMWは今のところまだ "通年" では最も収益性の高い自動車メーカーであることは指摘しておくべきだろう。利益率がスズキを下回ったのは直近の四半期が初めてだ。

またドイツの他のライバル企業と比較してもBMWの株価は堅調だ。ドイツのビジネス新聞『Handelsblatt』が今月報じたように、今年のドイツの自動車メーカー各社の株価は前年比でフォルクスワーゲンが-13%、ダイムラーが-16%であるのに対しBMWはー6%にとどまっている。

(※世界の自動車メーカーが主戦場としてきた北米市場は積極的な販促活動により新車需要の多くを先取りしたと言われており各社販売数が軒並み減少している)

ディーゼル・スキャンダルは今もBMWに影響を与えているが、同社はフォルクスワーゲン・グループやダイムラーのように数十万台規模のリコール問題に直面していない。



一方でスズキの利益は中国とインド、発展途上国での需要が好調に推移したため昨年は急騰した。

スズキの主要市場の1つであるインドの前例のない需要増は同社の利益を2018年2月の時点で前年比68%も増加させたと見られている。

インド市場での好調ぶりなどの影響でスズキは直近の4半期でBMWから世界で最も収益性の高い自動車メーカーとしての地位を奪うに至った、同社の5月の営業利益は3,740億円に増加し4~6月期としては純利益が過去最高を更新した。

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ギズモードやライフハッカーなどを抱えるアメリカのオンラインメディア企業ゴーカー・メディア傘下の自動車情報サイト『Jalopnik』より

BMWが "自動車産業で最も収益性の高い企業" の称号をスズキに奪われる

BMW Loses Title to Suzuki for Biggest Profit Margins in the Auto Industry - 2018/08/21

BMWは世界で最も収益性の高い自動車メーカーとしての地位を守り続けその牙城は崩されることはなかった。その無駄のない効率的なドイツのエンジニアリングは真に高い利益率を可能にしていた。

しかし今週火曜のドイツメディアの報道によるとBMWはその称号を失ったという、スズキが直近の四半期でその座を奪ったのだ。

ドイツのビジネス誌『Handelsblatt Global』は世界的なコンサルティング会社であるアーンスト・アンド・ヤングの最新の調査結果に言及しながら以下のようにツイートしている。

「ドイツの自動車メーカーBMWはもはや世界で最も収益性の高い自動車メーカーではなくなった、アーンスト・アンド・ヤングの最新の調査による各社の第2四半期の成績で明らかに。スズキは11.8%の利益率で首位に、BMWは11.4%。」

このニュースを伝えるドイツの月間ビジネス誌『Manager Magazin』の記事は2018年通年で見ればBMWはまだ最も収益性の高い自動車メーカーであり問題はないと指摘している。ただしアーンスト・アンド・ヤングはドイツの自動車産業を取り巻く環境はディーゼルゲート問題の余波、米国と中国の間で過熱する貿易戦争の影響、そして通貨の影響による損失の拡大などで近年厳しくなってきていると指摘している。



さて、スズキが好調であることは喜ばしいことだが、そんな彼らが今しなければならないこととはなんだろうか? スズキはその利益をもって再び米国市場の開拓に取り掛かるべきだと私は考える。

なぜなら、新型ジムニーに続き新型クロスビーなどという、見るからに楽しそうな車が発売されたのにアメリカでは手に入らないなんてあんまりではないか!

Come back, Suzuki.

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海外の反応

twitter, reddit.comのコメント欄より: ソース , ソース


Big Ounce ここアメリカにスズキの新型ジムニーや新型クロスビーが来ないってのは悲しいよな。あの起亜自動車のサブコンパクトカーであるキア・ソウルが何十万台という規模で売れているんだからスズキの車だって同じくらいの規模で売れそうなものなのに...

それにしても高級車メーカーでないスズキがそれらよりも高い収益性を達成していることは本当に驚きだ、しかも自動車メーカーにとって最大の市場である北米で販売していないにもかかわらずだ。

icemilkcoffee 11.8%?!
スズキがここまで健全な利益率を誇っているとは驚きだ。どこも高級セダン、高級SUVをそのラインナップに追加しまくっているのにそれら無しでってんだからなおスゴイ。

ayylelmao 新型ジムニーいいよね...
最高過ぎる...

6Stringtheory ちょっと待って、これってつまりスズキ車の所有者はBMW車の所有者よりも "本来その車が持つ価値よりも高い代金" を支払う可能性が高いことを意味してたりするの?

AKBrian この新型ジムニーのためだったら多少割高になっても欲しいわ... :(

soundman98 ね。i just want a jimny.

pizzaman09 Me too! ってか今販売されているどの新型の車よりもこのジムニーが欲しい。

Costa Rican not Puerto Rican スズキは本当にどうやってあんな小さく非力な、いわゆるお安い大衆車で高い収益性を確保できているんだ? その手の車で高い利益を得ることは不可能だと思っていたんだが、そしてそれはフィアットが長年苦しんでいる理由でもある。

onny Pullen ‏ ちょっと待ってくれ、スズキがどの自動車メーカーよりも収益性で勝っている?!
おかしいね、アメリカの自動車メーカーは小型車は収益性が低いと主張しそれらを作らなくなったのに...
見え透いたウソだとは思っていたけどここまではっきりとそれが間違いである証拠が出てくるとはね。

私はいつも小型車を魅力的に思っていたよ。イグニスやアルト、ジムニー、そのどれにだって乗りたいと思ってる。

Saahil Anant スイフトのような軽量の小型車が高級スポーツサルーンの3シリーズよりも多くの利益を生んでいるのか...

D-Rad 答えはシンプルさ。
現行のスズキ・エスクードは2005年から生産されている。ジムニーは1998年から(新型が出たのは知ってる)、そしてスズキ・APV(※スズキが海外で販売する7、8人乗りのミニバンおよび商用バン)は2004年からだ。

初期に投資した分を回収し終わった後もずっと販売し続けているから利益が増えるのさ。またスズキはプラットフォームを共有することにおいてもかなり優れている企業だ。

mentec 小型車は大きな利益を生まない、なんてのは戯言だったわけだ。スズキはその辺のことを熟知しているんだろうな。

FrankieTheKingpin そもそも小型車=非力なんてのは言ってるのは我々アメリカ人くらいのもんだろ。小型車に対する認識がお粗末なのは我々が重すぎるからだ、私を含めてね。

King_squid 利益率はBMWなんかより空調のエアベント周りをレザー張りにするのに5000ドル取ったり、オプションを追加していったら最終的に15万ドルにもなるコックスター(ボクスターの蔑称)を販売するポルシェが業界でトップだと思ってたんだけど? ポルシェはVWグループの傘下だからフォルクスワーゲンに含まれてるのかね?

Bryce Chessum BMWは車両じゃなくパーツで利益を得ている企業だと思っていたが。

SuedeOxford "その無駄のない効率的なドイツのエンジニアリングは真に高い利益率を可能にしていた。" BMWが高い利益率を誇っていたのは希望小売価格に無駄に上乗せしていたからだと思っていたが...

LTIROCKS 私の走行距離22万マイル(約35万km)のグランドビターラ(スズキ・エスクードのV6・ロングモデル)は今も1年を通してオンロードで、オフロードで活躍し続けているし兄の走行距離30万マイル(約48万km)の同型車も現役バリバリだ。両親のスズキ・キザシ(スズキが製造・発売していたセダン)も相変わらず素晴らしい走りをする。スーパーマンのロゴを貼るのが相応しい車たちだ。本当にアメリカに戻ってきて欲しいよ。

Kinetis アメリカに帰ってきてくれとは言うが、スズキは米国市場を去ってから数年で収益性がより高くなった。両者の間には相関関係がある可能性がある。

KaBoomBOX イグニスが欲しい。
ジムニーが欲しい。
クロスビーが欲しい。

正直言って、スズキの現在のラインナップは米国から撤退する前に販売していたものよりもずっと魅力的に見える...

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