アメリカのグルメ情報サイト「EATER」より

料理人アベ・ヒロキがその精進料理でミシュランの星を獲得





アベ・ヒロキ氏が料理人を務めるミシュランガイド2018で一つ星を獲得したニューヨーク初の精進料理レストラン「Kajitsu(嘉日)」では 精進料理の「五味」「五色」「五法」を用いたビーガン (絶対菜食主義)なお任せコースを提供している。

「五味」とは「塩味・苦味・酸味・甘味・辛味」
「五色」とは「白・黄・赤・青・黒」
「五法」とは「生・煮る・焼く・揚げる・蒸す」

仏教から始まった精進料理は殺生をしない食事、修行の一環として食事をすることを目的としているため野菜や海藻、穀物を主な材料としており「五味」「五色」「五法」そして様々な調味料を使い工夫して色合い豊かに仕上げる料理となっている。


食材はその季節の旬のものを半分は日本から輸入し残り半分はニュージャージー州の契約農家から調達している。





アベ・ヒロキ氏は3年ほど前に客として精進料理レストラン「Kajitsu(嘉日)」を訪れた際にその料理が日本よりも日本らしいと感銘を受け、またアメリカという地で本物の日本文化を発信するその姿勢に憧れ働くことを決意したとのこと。帰国後京都の老舗生麩専門店『ふうか』や茶懐石の名店で修行し再びニューヨークを訪れる。


水ナスの浅漬け





万願寺唐辛子の焼き浸し、冬瓜と溶き芥子(ときがらし)の赤だし、フリーズドライ醤油と刻み大葉をあしらったトマトの炊き込みご飯





南京(なんきん=カボチャ)と奈良県吉野の本葛を使った胡麻豆腐のモナカ





八寸: 季節の盛り合わせ





下に精進風のウスターソースを敷いたトウモロコシのコロッケ





生海苔のソース、チャイブ、むらめ(赤じその芽)をあしらったニュージャージー州産と日本産のきゅうりの浅漬け、日本産のカブを焼いたもの、トマト麩





新玉ねぎの炊き合わせ





手打ちの平打ち蕎麦にトマト、ズッキーニ、パプリカ、万願寺唐辛子、赤紫蘇、ショウガのソースをかけた夏野菜の混ぜ蕎麦





北海道産の大納言小豆を使った水ようかん





生麩田楽(カボチャ麩の上には赤味噌、よもぎ麩の上には白味噌)





京都祇園の和菓子屋「鍵善良房」の干菓子(ひがし)と抹茶

~ミシュランガイド公式ウェブサイトの紹介文より~

viamichelin.com/web/Restaurant/New_York-10016-Kajitsu-2v2mvh9m

現代社会において人は季節の移り変わりを衣装ダンスの中身から感じているが、Kajitsu(嘉日)の食事はそこに変化をもたらす。

この日本のビーガンレストランでは仏教の教えに基づいた精進料理を提供している。もしあなたが街にあふれるステーキハウスでの食事に飽き、解毒剤を必要としているのなら、この店はまさにそんなあなたのために存在する。

伝統的な日本建築風に装飾された2階部分はまさに平和と静けさの聖域といった感じだ。テーブル席とカウンター席が用意されたそこではその雰囲気同様の本格的で魅力的なサービスを楽しめるだろう。



そのキッチンに立つ者が持つ確かなスキルにあなたは魚や肉の不在をすぐに忘れるはずだ。

水菜とジャガイモを使った繊細な味わいの玉ねぎのスープにしろ、山芋から午房まで様々な野菜が盛り付けられた美々しい八寸にしろ、そこにあるのはバランスであり、調和であり、余計な物のないシンプルさであり、素材が持つ風味を最大限に輝かせる技だ。

一つ一つの食材と向き合うゆっくりとした時間とそんな特別な体験を提供してくれた料理人に対する尊敬の念は一歩店の外に出ればその騒がしさに薄れていってしまうかもしれない、だが少なくともその時だけは自然とつながっている自分を感じることができるはずだ。

星:一つ星
予算:$50 ~ $74
住所:ニューヨーク市マンハッタン区イースト・ヴィレッジ、125 E. 39TH ST., NEW YORK 10016
ウェブサイト : http://www.kajitsunyc.com

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海外の反応

Youtubeのコメント欄より: ソース


ronny johan 本当に素晴らしいビーガン料理ってのはこういうのを言うんだろうな、そこらビーガン料理を謳う店が出してる "肉もどき" とはわけが違う。

そもそも肉を食べることが悪いと思っている人間が肉の味を欲しがるとはどういう了見だ? 肉もどきバーガーなんて食わずに素直にベジタブルバーガーでも食ってろってんだ。肉っぽくするためにわざわざパティを赤く染めるとかもうわけがわからんぜよ...

The Cheat ビーガン料理に肉の味を再現したものがあってもいいじゃない。誰もが肉を食べることが悪いと思っているからビーガンになるわけじゃない、人は様々な理由からビーガンになる、だから非ビーガン料理のビーガン版を作ることは何も悪くない。ベトナムとかのビーガンな仏教料理の中にも非ビーガン料理を再現したものがたくさんあるし。

Hoshiru ビーガンでないのに食べてみたくなる、そんな魅力にあふれる料理だった。

Derleth Lovecraft その感覚はなんも間違っちゃいない。肉を使わなかろうが美味いもんは美味いのだ。

The Only Munchkin この料理人の一つ一つの料理に注ぎ込む手間、その献身っぷりはもはや現実のものとは思えない。

The Blind Behavior 完璧さを求めるがゆえだろうけど、どの料理もいったい何行程かけているんだって思わず突っ込みたくなったわ。

Pika Pikaa 本当に手間を重ねて重ねて重ねて作られていく様はただただ驚き。

Mico Alim なによりその手間をかけることを本人が楽しんでいる様子なのがいいじゃない。

David Carrasco 幸運にもこのKajitsu(嘉日)という店で食事を味わうことができた。その経験はまさに比類なきものだったよ。

Ai Lake 私も何度も行ったことがある、お気に入りの店だよ。飯はうめぇし雰囲気も最高、都会のオアシスや。

폭격기팩트 ちなみにおいくらくらい?

Ai Lake 飲み物とかを含めて125ドルってところかな。料理の出るタイミングもいいし数も種類も豊富、その価格に見合った価値が間違いなくある。

RoiGamez 精進料理は殺生をしない食事、であるにもかかわらず鮫皮で生わさびをすりおろしててなんか笑ったw
そこはええのんか。

Tosh T どの料理も美味しそうだけどあのトマトの炊き込みご飯、トウモロコシのコロッケ、そして夏野菜の混ぜ蕎麦は特に美味しそうだった。

Himmel Jungfer まさか単に煮込んだだけの玉ねぎにここまで興味を抱く事になるとは...

Austin Mansoon 料理もいいがあの包丁に美しさは何だ?!

Pedantic Pete あの包丁は極めて美しい...

E S 欲しいっす。

GladRichGirl まず研ぎ方を学ばなきゃならんだろうがな。

Bill B. なんか料理そのものよりもあの丁寧な下準備の方に目を奪われる...
なんか癒されるわぁ...

Ai Lake カウンター席に座ればその繊細な動きを存分に楽しめるぞ、とても価値ある体験だ。

nono シンプルに見えて複雑、そしてなんと美しい。

Gboy 自分が食べる物にこれだけの手間と心が注ぎ込まれていると知ったらそれだけで満足できちゃうな。もちろん味が良ければなお素晴らしい。

Hari Tan 何種類もの食材から作ったソースを使うでもなく、単にその食材に合った適切で丁寧な仕事を重ねることでその食材の真価を引き出すっていうアプローチはまさに日本食が素晴らしいとされる所以だな。

Onyeka Onyebuchukwu 日本人の持つ細部へのこだわり、想像力、苦労を惜しまなず完璧さを求める姿勢はまさに唯一無二。彼等をアジア人の中で唯一尊敬するのはそんなところからだ。

Osman Yaycioglu 他のアジアの人たちにだっていい所あるんだからそっちにも目を向けなさいって。

Gerald Escalante(英会話スクール ステージライン銀座校の先生) ヒロキって仙台出身の?
ステージライン銀座校に通ってた?!
おお、ニューヨークで元気にやっているようで嬉しいよ!
しかもミシュランガイドで星を取ったそうじゃないか、おめでとう!

Antonius Addison この動画に引き込まれた。危うくベジタリアンになるところだったぜ...

Rachel Dobbins 日本食はどうも口に合わない、だがあのコロッケだけは是非とも口にしたい。

UrAvrgAshen1 別にビーガンを嫌っちゃいないが、彼らが食ってるものを見ていると "かわいそう" と思ってきた。でもこの店の料理は見ていて食欲が湧いてくる、ぜひ試してみたいものだ。


BurblingBarbacoa 醤油のボトルがオーブンから出てきたんすけど!

Ispy アジア系のレストランではよくあることです。

Chris Lee オーブンが収納に、食器洗い機が水切りカゴになるのは普通のこと。

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