ディズニー傘下の米国のスポーツ専門チャンネルESPNの朝のスポーツトークテレビ番組『Get Up!』より

大谷翔平はエンゼルスで最強のMVP候補?

Is Shohei Ohtani the strongest MVP candidate on the Angels? | Get Up - 2021/05/19



ESPNのテレビ番組司会者 - マイク・グリーンバーグ:
「スペシャルプレイヤーといえば大谷翔平ですよ」

「信じられないほど素晴らしい」

「このビデオは口コミで一気に広まりました」

「このホームランを見てください」

「大谷が打ったこの明らかにストライクゾーンから大きく外れた球は聞くところによると地上から高さ4.19フィート(約1.28メートル)離れていたとのことですが、そんなものじゃないですよねこれ、それよりももっと離れているように見えませんか?」

「これはホームラン数でMLB単独首位となる彼のシーズン13本目のホームランでした。おっと、言い忘れましたが彼の投手としての防御率は 2.10で大谷の次に良い防御率を誇っているエンゼルスの先発投手より2ポイントも優れています」

「あらゆる分野のスポーツのスターたちが彼のパフォーマンスを評価しています、昨日明らかにこの試合を見てツイートしただろうNFLのスター選手 - ジャスティン・ジェームズ・ワットを含めてです」



最近大勢の人々が大谷翔平について話しているように感じる、だがそれでも、大谷翔平という存在に対する会話の数としては圧倒的に少なすぎる

彼が野球でやっていることは "insane (常軌を逸ししている/狂っている)"
twitter.com



「では彼も大谷についてもっと話すべきと言っていることですし、私たちもそれに従いましょう」

「ここからは大谷翔平についてバスター・オルニー氏と語っていきます」

「オルニーさん、今の大谷翔平という選手を大局的な視点/野球の歴史的な視点で捉えた場合どのような存在になるでしょう?」

「私たちがここで見ているのは、野球ファンが100年もの間目にすることのなかった、最も優れた投手の1人であると同時に最も優れた打者の1人でもあるという稀有な存在ですが」



ニューヨークタイムズ紙の野球コラムニストでESPNのレギュラーアナリスト - バスター・オルニー:
「私たちは大谷がMLBに来るときに彼は "日本のベーブ・ルースだ" と聞かされましたよね、それは彼が二刀流のスターだったからです」

「ですが今の大谷を見ていると我々はもうその評価の軸を "反転" させる必要があるように私は思います」

"大谷翔平は現代のベーブ・ルース" ではなく "1918年&1919年のベーブ・ルースは大谷翔平だった" と」

「なぜなら大谷が今やっていることは、ベーブ・ルースを含め、未だかつて誰もやったことがないことなのですから」

「大谷は本塁打数13でMLBの首位に立っています、塁打数93でこちらもMLBの首位に立っています」

「防御率は 2.10でこのまま行けば奪三振数は150以上というペースです」

「これははっきり言って信じられない数字です、 "私たちが彼について話さざるを得ない状況" を彼はほとんど毎日作っているようにさえ感じます」



ESPNのテレビ番組司会者 - マイク・グリーンバーグ:
「まさにその通りですね。ではオルニーさん、もし今年のアメリカン・リーグのMVPを勝ち取るのは大谷翔平かマイク・トラウトかという賭けに、あなたの農場を賭けなければならなかったしたらどちらに賭けますか?」

「ちなみにご存じでない方に言っておきますとオルニーさんのご実家はバーモント州の家族経営の農場で彼は実際にそこでお育ちになったそうです」



ニューヨークタイムズ紙の野球コラムニストでESPNのレギュラーアナリスト - バスター・オルニー:
「大谷に賭けるでしょうね」

「NFLのスター選手であるジャスティン・ジェームズ・ワットやNBAのスター選手であるケビン・デュラントが大谷の活躍ぶりについてツイートしたように、多くの著名人が彼について騒ぐことである種の空気が彼の周りに構築されています」

「なので私は大谷に実家の全ての若い雌牛と雄牛と植林地を賭けるでしょうね」

「大谷が今やっていることには信じられないほどの身体能力と技能が必要とされます。私のような人間よりも彼らの方がよっぽど大谷の凄さを理解していることでしょう。その彼らも熱を上げているのですから」



「それも当然です。大谷は二刀流と呼ばれていますがその実態はボー・ジャクソンのような "two sports star(2つの競技でトッププレイヤー)" と呼ぶこともできるでしょう」 ボー・ジャクソン:マルチアスリートの代名詞。MLB選手とNFL選手を長期間兼業した選手で「北米4大プロスポーツリーグのうち2つのオールスターゲームに出場した唯一の選手」として広く知られる

「彼は投手でありながら打者を兼業していますがそもそも投手であることと打者であることは全く別の事です、そして彼はその両方で支配的な選手になっている」

「アメリカン・リーグでMVPを勝ち取るのは大谷だと思います」

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米FOX Sports より

大谷翔平の打者と投手としての偉業は真に素晴らしい

SHOHEI OHTANI'S HITTING AND PITCHING EXPLOITS ARE TRULY INCREDIBLE - 2021/05/15 - By ベン・バーランダー(元デトロイト・タイガースの選手でFOX SportsのMLBアナリスト)

- 大谷翔平は今シーズン、メジャーリーグで100年以上も見られなかったことをしている -



それはベーブ・ルース以来決して見ることができなかったものだ。

大谷はエンゼルスの最高の打者の一人だ。

大谷はまたエンゼルスの最高の投手でもある。

スポーツ界では誰もが大谷翔平について話している。

だがなぜ?

彼を特別な存在にしているものは何なのか? それを元デトロイト・タイガースのプロ野球選手として説明させてもらいたい。



私は高校卒業後にバージニア州のオールドドミニオン大学と契約し野球選手としてのキャリアを継続させていた。私が署名したのはそこが私を二刀流選手として続けさせてくれると言ったからだ。

私は野手としてプレーするためにそこに行った。投手としてプレーするためにそこに行った。

私が異端であることはすぐに明らかになった。他の誰も二刀流をしておらず、アメリカ大学野球のディビジョンI(1~3まであり1が最も上)全体を見回しても投球と打撃の両方を行っている選手は僅かだった。



大学野球でもプロ野球でも、投手と野手の練習は大部分で似通っているもののそれぞれ別々に練習を行う。二刀流選手として続けることが困難になり始めたのはこのころだ。私は自分の時間をどのように割り当てるかを選ばなければならなかった。

どのグループと一緒にジムに行くか、いつバッティング練習をするか。

どの日にブルペンに入り、どの日に他の投手と共に走り込みを行い、どの日に内野/外野としての守備練習を行い、どの日に投手としての守備練習を行うかをその日その日で選ばなければならなかった。

そのすべてが同時に起こるのだ。投手がブルペンで投げている間、野手は打撃練習をしている。

彼らの中で唯一その両方をやろうとしていた私は、ある日自分が手抜きをして、自分が最も重要だと思うものを優先して選ぼうとしていることに気づきた。



投手と野手の両方をこなすということは仕事量が2倍になるということだ。最善だと思うことをしようとして結局あちこちを走り回ることになる。

私は結局どちらも非常に平均的な選手にしかなれなかった。私の大学での最初の2年間は文字通り悪戦苦闘の日々だった。

最初の2年が終わるとヘッドコーチは私にどちらか1つに専念する必要があると判断した。

「二刀流でドラフトされることはないだろう。どちらかを選んですべての時間をそれに捧げるべきだ」と彼は私に言った。

私はそれに従いフルタイムの野手になることに決めた。

私は可能な限り最高の打者になれるよう専念しすべての時間をそのために捧げた。その年は私の人生で最高の年であり私は全米選抜の外野手になることができた。

その後私はデトロイト・タイガースにドラフトで指名されプロ野球で長年過ごすことになる。
大学レベルでさえ打者と投手の両方を行うことはほとんど不可能だ。その両方をエリート選手レベルで、世界最高峰のMLBで行うなどまさに夢のまた夢と言える。

だからこそ、私は本当に、一体どうして大谷翔平が打者と投手の両方をエリート選手レベルでこなせているのか全く理解できない。一体どのようにして時間を配分し一体どのようにしてすべきことをしているのか皆目見当もつかない。

プロの野手になるにしてもプロの投手になるにしてもそれはフルタイムの仕事だ。フルタイムでその両方をやっている? 脳天を撃ち抜かれるかのようだ。

それらを最高レベルで行うなど文字通り不可能であるはずだった。

彼がMLBに来る以前に、1人の選手が打者と投手の両方でオールスターに選ばれるような選手になることができるかと問われていたら不可能だと一笑に付していただろう。



大谷はMLBに来る前の前評判通り本当に「日本のベーブ・ルース」だった。

MLBに来た瞬間から彼が二刀流をハイレベルでプレーできることは明らかだった。実際彼はその年にアメリカン・リーグのルーキーオブザイヤーに選ばれている。

だがもし大谷がアメリカで野球を始めていたとしたら、彼が日本でプロとしてプレーする前にすぐにアメリカに来ていたとしたら、彼は今日のような姿になっていなかったはずだ。

彼が北海道日本ハムファイターズで二刀流のスーパースターになったという事実、その実績がなければ彼がここでそれを試みる機会を与えられなかっただろう。

米国のプロシステムの下で彼は投手か野手に専門するよう求められていたはずだ。

米国の野球ファンの反応も同じだ。大谷が怪我で投手としてマウンドに立つことができなくなると人々は本当にMLBで二刀流を実践することができるのかと疑問に思った。あるいは実践する必要があるのかと。

怪我のリスクを負ってまで投手を兼任するには彼は打者として優れ過ぎていたし、怪我のリスクを負ってまで打者を兼任するには彼は投手として優れ過ぎていた。

しかし今シーズン、我々はベストバージョンの大谷を手に入れることになる。時速100マイル以上の球を投げる先発投手とホームランを連発するスラッガーを完全に兼ねそろえた大谷を。



ベン・バーランダー 「7回まで投手として先発出場していた大谷が直後に右翼手としてプレー。大谷翔平は文字通り "少年野球で最高の選手がリトルリーグでやったことをMLBでやっている (リトルリーグでしかできないことをMLBでやっている)"」

米FOX Sports 「凄い、今夜88球を投げ降板した大谷が今度は野手として試合に残っている」




What we are seeing is special.
(私たちが見ているものは特別だ)

彼がフィールドに出るたびに我々は注意を向けるべきだ。そしてそれが起こっている間、私たちはそれを全力で楽しむべきだ。

私たちがどれくらいの期間大谷が二刀流を披露する瞬間を見ることができるかは誰にも分からない、だがそれが長い時間であることを願ってならない。そして私たちはきっと大谷翔平が野球をする姿を見ていた日々を私たちの子供や孫に聞かせることだろう。

今年の大谷はリーグで最高の打者の一人となっている。本塁打数は10本でMLB3位、OPSは .877で投手としては5回の先発出場で防御率2.10を誇っている (※この記事は大谷が14号ホームランを放つ5日前の記事)。



その舞台裏、彼がこれを実現するために捧げた弛まぬ努力と時間は人々の理解を超えていることだろう。

だからこそ彼がマウンドに立つ度に、そしてホームランを放つ度に私はこれ以上ないくらいに興奮する。なぜなら、彼がこの時点に到達するのがどれほど難しいことだったかを知っているからだ。

もちろん彼は才能に恵まれている。ほとんどの人がこれまで夢見ていたものよりも多くの才能を持っている。しかしそれに費やされた労力と準備の量は賞賛に値するものだ。

彼は通常の2倍の仕事量をこなす日々を何年も続けてきた。片方に専念すればもっと成功できるはずだ、怪我をしないはずだ、キャリアを延ばすことができるはずだと何年にもわたって大勢の人間から言われてきただろう。

だが彼はそれに耳を傾けなかった。

そして彼は今年、それらすべてが間違っていることを証明して見せるだけでなく野球というスポーツを新たな高みへと導いた、彼が見せる二刀流は何よりもエキサイティングだったからだ。

大谷がフィールドに出るたびに、私は鳥肌が立つ。

彼がしていることはまさに多くの人々が夢に思うことしかできなかったことであり、夢はかなえられるのだという希望なのだ。

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