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ワシントンポスト紙「ウクライナ戦争はロシアがもはや超大国ではないことを証明した」

War proves that Russia is no longer a superpower




米ワシントンポスト紙
「論説:ウクライナ戦争はロシアがもはや超大国ではないことを証明した」

『論説:ウクライナ戦争はロシアがもはや超大国ではないことを証明した - washingtonpost.com』
ロシアのウクライナ侵略が明らかにしたのはロシア軍の強さではなくその衰退だ
twitter.com
- 以下ワシントンポスト紙の記事の要約 -

ロシアによるウクライナの都市への爆撃、建物が瓦礫となり何百万人もの人々が難民となる光景は一見するとロシア軍がその強さを見せつけているように思えるかもしれない。 だがウラジーミル・プーチンの致命的な過ちから3週間たった今、本当に明らかになったのはロシア軍の「強さ」ではなくその「弱さ」だ。

ロシアが機動力を発揮して短期間に敵を圧倒する「電撃戦」に失敗したのは当初その展開を誤ったからだと思われていたが、むしろ「この時代に電撃戦をするにはロシアの軍事力は足りていなかった」可能性が濃厚になってきた。



ウクライナのゼレンスキー政権の対応がロシアにとって誤算であったのも事実だが、ロシアが現在使用している戦術は率直に言って21世紀の軍隊の戦術ではない。

開戦時にロシアが取った戦略は精密誘導ミサイルでウクライナ全土のレーダー/対空砲/滑走路を破壊し相手の目を潰すと共に敵航空戦力を地上に張り付けることで制空権を奪取(第1段階)、その後は空から地上戦力の前進を援護する(第2段階)という1991年の湾岸戦争で米国とその同盟国が取った戦略と同じだ。

ところが実際は第1段階で制空権を奪えず地上部隊の進軍は停滞、ウクライナ側に地雷設置や陣地の強化、待ち伏せを計画する時間を与えてしまった。



なぜロシアは第1段階でつまづいたのか?
1つ興味深いデータがある、それはロシア空軍の戦闘機パイロットの年間飛行時間は推定で年間100時間程度でそれが限界というものだ。1年あたり100時間は平均して1日あたり20分未満になる。 ※米空軍パイロットの年間飛行時間は228~252時間(ソース)。英軍は約200時間、日本の航空自衛隊は約180時間、韓国空軍は約80時間とされる(ソース)

専門家はロシアが大規模な航空作戦を躊躇した理由として「外部の認識するロシア空軍の脅威の化けの皮が剝がれ、実際の能力が露呈してしまう」ことを嫌った可能性があると指摘する。

つまり現代の第5世代ジェット戦闘機に莫大な予算をかけているにもかかわらず、ロシアはそれらを戦争に参加させて練度不足による無能を晒すよりも、威嚇のために駐機させたままにした方が良いと判断したということだ。



最先端兵器を誇示しておきながら実際の戦争では運用できていないものは他にもある、スマート爆弾(精密誘導ミサイル)だ、ロシアではその数が不足していると思われる。

レーザー誘導であれGPS誘導方式であれ現代の戦争においてミサイルとはスマート爆弾のことを指すといっていい。英国でさえ武器庫にあるミサイルのうち無誘導爆弾とスマート爆弾の比率は1対9だと言われている。これがロシアでは逆で無誘導爆弾が9に対しスマート爆弾が1だという。 ※スマート爆弾の時代が訪れたのは冷戦後の90年代半ば以後と言われており、2001年のアフガニスタン戦争では米軍が使用したミサイルのうち8割がスマート爆弾だったという(ソース)

そしてロシアはウクライナ戦争の開戦当初はスマート爆弾を使用していたがそれ以後は「軍事施設のみを目標とした精密爆撃を行っている」などと主張しているが実際に撮影された映像からほぼ無誘導爆弾を使用していることは明らかだ。

さらにこのスマート爆弾の不足は別の弱点を生んでいる。精密誘導爆弾がないことでロシア軍はウクライナの都市への攻撃を比較的低空を飛行する爆撃機と地上の大砲に頼らなければならなくなった。必然的にウクライナの抵抗を受けやすくなり、ロシア兵の犠牲も増加した。



伝えられるところによるとプーチンが中国の習近平に支援を要請したとのことだがそれも不思議ではない。

もしロシア軍が本当に十分な力を持っていたとしたら、我々はこの時点ですでにそれを見せつけられていなくてはならない、なぜなら致命的な過ちを犯したその頭でも、今彼が人生の瀬戸際に立っていることくらいは理解できるはずだからだ。

ロシアの核兵器はロシアを守ってくれるだろう、しかしウクライナでの大失敗はロシアがもはや超大国の地位にいないことを物語っている。

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海外の反応

reddit.comのコメント欄より: ソース , ソース


Admirable-Point2005 かつて共和党のジョン・マケインは「ロシアは超大国を装ったガソリンスタンドだ」と言っていたがまさにその通りだったな

frownyface これだな、実際はもっと辛辣だが "ロシアは国を装ったガソリンスタンドだ。官僚や政治家などの支配階級が民の資金を横領して個人の富と権力を増やす『泥棒政治』が横行する腐敗した国であり、その経済は完全に石油とガスのみに依存している、故に経済制裁は大きな意味を持つ" - 2014年のロシアによるクリミアの併合に対し迅速な制裁を実施すべきだと主張したCNNとのインタビューより

bumblyburg 本当にその通りでしたね

scientist4321 でもそのガソリンスタンド、核兵器を持っているんですけど

loulan 核兵器ならパキスタンだって持ってるぞ

RobotKitten そもそもロシアなんて国はその程度の存在だ。確かにソ連は超大国だったよ、でもロシアは違う

War__and__Peace 超大国というのは世界中の国々の決定に影響を与える力を持つ国の事だ。アメリカはそれができる、そして中国もそれができる、経済的影響力だけでもね。

ソ連だったころと違いロシアにはもはやそれがない。例え核兵器を大量に持っていたとしても、隣国との戦争に勝つことさえできない時点でロシアはあの地域の支配的な存在ではなくなった。

ChronoFish 確かに想像していたよりもちょっとショッキングなレベルで弱かった

cdnccguy これまでロシア軍を恐れていた自分がバカみたいに思えてきましたよ

treynquil 彼らが核兵器を持っていなかったら超大国どころか1流にもなれない2流国家だったろうよ。だってロシアの経済はカナダやイタリアよりも小さいんだぜ?

bartturner そもそもロシアなんてソビエト連邦の崩壊以来、超大国ではなかったでしょ

letdogsvote その実態は規模が大きいだけで訓練も足りなければ兵站も不十分で兵士のやる気もない、装備は古くメンテナンスは不十分でご自慢の最先端兵器も使えないのナイナイづくしの軍隊だったとか誰が想像できただろう。

潤沢なのは核兵器だけかよ

noodlyarms その核兵器だけどサイロの中でサビついてない? 正直この戦争でのロシアの作戦と装備の状態を見ていると、まともに動作するかさえ疑問なんだけど

Freekey 確かにロシアの弱さは今回のウクライナ侵攻で露呈したな。ロシアはもはや中国と同等ではなくなった。米国と並ぶ "唯一の" 超大国という新しい地位を手に入れた中国はきっとご満悦だろう

The_Lombard_Fox 中国はむしろ頼りにしていた友人が想像以上に頼りにならなくて狼狽しているのでは? それにロシアと組んでいるからこそ脅威だったわけで、地政学的にはむしろマイナスでは?

geekphreak まぁ超大国は他の国々に軍事装備をねだったりしないよな、レーションまでねだるとかよっぽどやぞ

itsme-yesitsme 政治評論家のジョージ・ウィルはかつて「ソビエト連邦は地球上で世界で最も軍事的に強力な第三世界の国である」と述べていたけど、今のロシアはただの「第三世界の国」ですわ

GhettoChemist ロシアはあれだ、昔は最高にセクシーだったのに今は「...何があったの?」と思わず聞きたくなっちゃう感じに落ちぶれた高校のアイドル的な

つまりロシアは核兵器を持ったライザ・ミネリ ライザ・ミネリ: その美貌と歌唱力と演技力でブロードウェイとハリウッドの頂点を極めたアメリカを代表するスター女優。1960~1980年代にかけて活躍したが後にアルコール依存症や薬物中毒になり一線を退く。その後はカムバックとリハビリ施設への入院を繰り返している。

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