アメリカ合衆国の経済情報サイト『Business Insider』が運営するデジタル・メディア『Insider』より

日本とアメリカの食習慣の最大の違い9つ

The 9 biggest differences between Japanese and American diets - 2018-04-19

日本とアメリカの食は多くの点で異なっている。
米、魚、野菜、漬物 - これらは日本の食事において不可欠な要素だ。
一方でアメリカ人は肉、ジャガイモ、チーズ、乳製品を愛している。

これは実に対照的だ。また健康面においても日本食はアメリカの食よりもはるかに優れていると言われている。いったい日本とアメリカの食をここまで隔てる要素とは何なのか、それを知るためにも伝統的な日本の食事を構成するものは何なのかをより深く掘り下げてみよう。

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日本食は一食当たりの量が少ない

photo via apeandtaco.wordpress.com
- 日本人は食事を残すことを好まない -

アメリカ人は巨大な料理が好きだ、さらにその残り物をタッパーなどに入れ持ち帰ることはもっと好きだ。しかし日本では通常、食のメインとなるのは小さな椀に入った米であり、そこに魚や豆腐などの植物由来のタンパク質が豊富な食材、スープ、漬物、その他の野菜をベースとしたおかずなどが付随する。

日本人とアメリカ人が望む食事の量の差は大きく、例えば日本とアメリカのマクドナルドのドリンクのカップサイズを比べてみると、日本のLサイズ(700ml)はアメリカのSサイズ(650ml)とほぼ同じであり、その差を明確に示している。

一食当たりの量は日米の食を隔てる極めて大きな要素だ。実際日本人の一日の平均摂取カロリーは2,800カロリー、アメリカ人は3,800カロリーとそこには1,000カロリーも差がある。


日本人は一般的にアメリカ人ほど外食をしない

“20170618190325027 Black Rock Restaurant - Novi (Tradescantia ohiensis) Oakland Co Michigan” by pverdonk is licensed under CC BY 2.0
- 日本人は自宅で調理する傾向にある -

アメリカ合衆国の経営学誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』が2017年9月に発表した報告によるとアメリカ人の90%は料理をすることを楽しんでいないという。45%が料理をすることを嫌い、45%が好きでも嫌でもないと答えており、自宅での料理を好む僅か10%に入っていないアメリカ人は頻繁に外食に頼っている。

また健康に関する研究を発表している『Journal of Environmental and Public Health』の2016年の調査によれば、頻繁な外食と果物/野菜の摂取量の低さ、それに高い肥満度指数の間には関連性が見出されたという。

週に1回以上外食する日本人の割合は16%、アメリカ人の47%とは対照的であり、ここでもまた大きな違いが表れた。

(日本人1人あたりの外食頻度=平均38.5回/年(0.74回/週):外食市場調査(2014年4月〜2015年3月:リクルート より) )

伝統的な日本食はアメリカのものより使う素材が豊富

“20151006海の京都” by https://www.flickr.com/photos/139392114@N03/ is licensed under CC BY 2.0
- 日本人は季節のものをより多く食べる -

2018年2月に日本の食品企業である『味の素』が発表した最新の研究は、伝統的な日本食が持つバランスと多様性の重要性を指摘している。

日本人にとって米は主食だが、魚や野菜もまた日本の食生活の重要な要素となっている。さらにその魚と野菜は季節とともに絶えず変化する。

肉製品や乳製品などの動物性の素材は伝統的な日本の食生活においてあまり大きな役割を果たしておらず、代わりに季節の野菜や植物性タンパク質が豊富な豆、動物性タンパク質でありながら動物の肉と違い血中コレステロールを減らす働きをもつ不飽和脂肪酸を含む魚がメインとなっている。いずれも心臓血管系に対してより優しい食材だ。

日本の食において野菜は大きな部分を占めている


- アメリカ人は十分な野菜を食べれていない傾向にある -

CDC(アメリカ疾病管理予防センター)によると、アメリカ人の約90%が十分な果物や野菜を摂取できていないという。その一方で野菜や果物は平均的な日本の食生活において大きな部分を占めている。

ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(イギリス医師会雑誌)が2016年に発表した75,000人以上を対象にした調査によれば、日本の農水省と厚労省が作成した生活習慣病予防のための健康的な食事の指針『食事バランスガイド』に近い食生活を送った人は早期に死亡する危険性が低くなり、心臓病または脳卒中の危険性も減ったという。

日本人はまた男女共に世界で最も肥満率が低く平均寿命も長いがそれも食生活の影響が大きいとされている。

日本の食は加工食品よりも生鮮食品を扱う傾向にある

photo via in8life.com
- 日本では学校給食改革まで行われている -

料理を一から作ることは、それがどの国であれ利点がある。伝統的な日本の調理法を守ることはより多くの新鮮な食材を摂取できることを意味する。

日本の識者の一部は日本の食の欧米化とそれがもたらす日本の子供の肥満率の上昇を懸念してきた。それを受けて国は学校の給食を伝統的な日本の食生活に従ったものに作り直し、その結果改善が見られたという。

アメリカでも子供の肥満を予防しようと様々な政策がとられており一部地域では改善がみられるものの、2016年のデータによればアメリカの2歳から19歳の子供の肥満率は18.5%と非常に高いままだ。

(アメリカの過体重または肥満の子供(10~17歳)の割合)



日本の食は食べる人間に十分な水分補給を提供する

“miso soup with egg” by Geoff Peters is licensed under CC BY 2.0
- 日本人は食事の際に飲み物をあまり飲まない -

日本ではスープが食事の一部に入っていることが多い。さらに野菜は伝統的な出汁で調理されることが多く、主食である米もその調理の過程で水分を多量に含む。日本食は食べるだけで自然と水分を補給できるというわけだ。

実際に自宅で食事をする際には飲み物を飲まないという日本人は多い。また飲み物を用意するとしても大抵は水やお茶などの健康的なものだ。食事に飲み物が付き物であるアメリカとは大きく違っている。


健康的であってもUMAMIのおかげで美味しく食べれる

“煮物” by Lucy Takakura is licensed under CC BY 2.0
- "うま味" は野菜を味わい深くする -

多くのアメリカ人は野菜の味が好きではない。だが伝統的な日本食は動物性脂肪や肉を使わずとも "うま味" を有効活用することでその野菜の味を良くする。味の素の研究者らは日本食の "うま味" に対する依存が健康的な食事を続けることを容易にする一因であると指摘している。

うま味が豊富な醤油や味噌、出汁は野菜などの健康的な食材をもっと食べたいと思えるものに変えるのだ。


日本人はアメリカ人のように肉や動物性脂肪を大量に食べない

“tofu” by Robert Couse-Baker is licensed under CC BY 2.0
- 日本人はタンパク質を肉よりも魚や植物から摂取する -

タンパク質は人間の健康にとって不可欠な栄養素だ。そして現在、ただ単にタンパク質を摂取するのではなく、脂肪分の少ない食材からそれを摂取することが健康的な食生活を送るうえで極めて重要であるということを人々は知っている。特に大豆は近年の世界的な健康志向の中で脚光を浴びている。

日本では古くから魚や大豆が豊富にあった。今でこそ肉や乳製品は安価に、より手軽に手に入れることができるようになったが、良質なタンパク源として手に入りやすかったという理由からそれらは歴史的に日本料理やその調味料の原材料として中心的役割を果たしてきた。


デザートは甘さ控えめ、また日本ではアメリカほど頻繁には食べない

“Randy's Donuts” by Wally Gobetz is licensed under CC BY 2.0
- 一般的なデザートは新鮮なフルーツ -

もちろんアメリカ人が愛するように、日本人もデザートとお菓子が大好きだ。ただそれらはアメリカのものほど甘くないのが一般的だ。

また元ニューヨーク市民であり現在はフランスに在住する料理本も出版しているフードブロガーであるイトウ・マキコ氏は、日本の食において新鮮な果物は頻繁にデザートの選択肢となると付け加える。高脂肪の焼き菓子が頻繁にデザートの選択肢となるアメリカとは対照的だ。

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