EU残留支持者で構成されるロビー組織「People's Vote/国民の投票」の若い世代を中心としたグループ「Our Future, Our Choice」の創設者のひとり - Femi Oluwole氏のツイートより

ブレグジット賛成派の意見をお聞きください

Wanna see nationalism in its purest form? - 2019年3月30日

(イギリスのEU離脱の当初の予定日2019年3月29日に行われたブレグジット支持者によるEU離脱が土壇場で延期されたことに対するデモより)

EU残留支持者で構成されるロビー組織「People's Vote/国民の投票」の若い世代を中心としたグループ「Our Future, Our Choice」の創設者のひとり - Femi Oluwole

ナショナリズムここに極まれり、そんな人間が見たかったらこちらをどうぞ」

「動画のフルバージョンではブレグジット賛成派の別の姿が見えてきます。私はある意味では最後に出てくる彼女のような人のために戦っていると言えます」

左の黒い服の男性 「君はこう言いたいのか? もしイギリスがEUから "合意なき離脱" をした場合彼らはもう我々と貿易をしないと?」

Femi Oluwole(右の黒人男性) 「いやそんなことはない、彼らは我々との貿易を続ける」

左の黒い服の男性 「ならいったい何を心配する必要があるというんだ?」

Femi Oluwole(右の黒人男性) 「肝心なことはその貿易が採算の取れるものになるか、収益性が見込めるかだ。例えばそう、もし我々イギリスとその最大のマーケットとの間に貿易障壁ができれば我々は苦しい立場に立たされてしまう」

左のチェック柄シャツの白人男性 「なぜ貿易障壁ができると?」

Femi Oluwole(右の黒人男性) 「(EU加盟国間の貿易には関税がかからなかったが)新たに関税を設ければ、そして規制の違いが生じればそれは障壁になる」

左のチェック柄シャツの白人男性 「なぜ彼らが関税を設けると?」

Femi Oluwole(右の黒人男性) 「そうしなければいけないからだ(WTOのルールでそう決まっている)」

左のチェック柄シャツの白人男性 「なぜだ?」

Femi Oluwole(右の黒人男性) 「特定の製品に関税をかけた場合、それをすべての国に同じく適用しなければならないからだ」

WTOのルールで各国は他のWTO加盟国を平等に扱わなければならず特定の国に対する関税を他の国よりも引き下げてはならないという原則『最恵国待遇の原則』がある。

つまり特定の国に与えた最も有利な貿易条件は全てのWTO加盟国に平等に適用しなければならないということだが、自由貿易協定や関税同盟を結べばこの原則の例外扱いとなり協定参加国の関税を他の国より引き下げることが認められる。

イギリスがEUから離脱しEUとの関税同盟を維持しなかった場合、EUが協定参加国以外に課している関税がそのままイギリスに課せられる。

左の黒い服の男性 「だがイギリスがEUから離脱すれば我々独自の関税を課すことができる」

Femi Oluwole(右の黒人男性) 「そうだが同じことを他の全ての国に対してもしなければならない」

左のチェック柄シャツの白人男性重要なのはそこじゃない、イギリスはEUに輸出する以上にEUから輸入している、EUとの貿易は赤字になっている。つまりEUが我々に関税を課しても彼らの利益にはならないということだ。そしてもし彼らがそうすれば我々は貿易戦争に勝利する、なぜならEUからの輸入が減るからだ

Femi Oluwole(右の黒人男性) 「貿易にとって最大の障壁となりえるのは法律の違い、規制の違いだ」

左のチェック柄シャツの白人男性 「そうじゃない、我々は戦争に勝利する、なぜならEUからの輸入が減るからだ。結論はこうだ、つまり...」

Femi Oluwole(右の黒人男性) 「あなたはイギリスが他の27か国を必要とする以上に、他の27か国がイギリスを必要としているという前提で話をしている」




左のチェック柄シャツの白人男性 「その通り、全く持ってその通りだ」

Femi Oluwole(右の黒人男性) 「それはつまり本質的にイギリスがEUより、他の27か国より優れている、27か国全てを合わせた以上の価値があるということを意味している」




左のチェック柄シャツの白人男性 「正解だ! おめでとう! 本質に気付いたな! 我々は世界で5番目に大きな経済を持つ大国だぞ」




黒い服の中年白人男性We saved Europe in the war, mate!(我々は大戦でヨーロッパを救ったんだぞ、君!)」

We saved Europe in the war, mate!!(我々は大戦でヨーロッパを救ったんだぞ、君!!)」

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海外の反応

twitter.comのコメント欄より: ソース


Shahmir きっついわ~・・・

Angelika 離脱反対に投じた人間だが、動画を見ていて嫌なものがこみ上がてきた。

David Harpham めまいがしてくる。

Graeme Guiney イギリス人じゃないのに見ていて恥ずかしい気分にさせられた。






Tony Gagliardi&bagelNiaC "We saved Europe in the war, mate(我々は大戦でヨーロッパを救ったんだぞ、君)"
誰か彼に「ノルマンディー上陸作戦」を説明してあげてくれ。

JD アメリカやロシア、ヨーロッパ各国のレジスタンスなんかの存在もだな。もちろん第二次世界大戦の終結にはイギリスだって大きく関わっていたさけど、こういう人たちにとってはそこしか重要じゃないんだろうねぇ。

bagelNiaC ヨーロッパ戦線以外でもいろいろ起きていたことを教えてやらなきゃな。

Margaret Innes なんかもうこの言葉に色んなものが集約されているな。

Cat なぜ人々はイギリスがどれだけ成功しているかの尺度に75年も前の第二次世界大戦の出来事を未だに持ち出すのか、本気で理解できない。

jono FA Lic Coach ナショナリズムではない

彼は単に国を誇りに思っているだけだ

両者を混同してはいけない

Femi Oluwole(右の黒人男性) 自分の国が27カ国を合わせたよりも本質的に優れていると考えることは、自分の国を誇りに思う愛国心のラインを超えている。

Mad Business イギリス一国がEUと対等、どころか上だと思ってるとか救いようがないな...

flintcams 🍀 🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿 🍀 実に傲慢な認識としか言いようがないね。我々の国は世界で5番目に大きな経済を持つ国かもしれないが、それは我々がEUに加盟しているおかげかもしれんぞ?

JI ドイツは世界で4番目だし6番目と8番目のフランスとイタリアはイギリスとほとんど同じ、世界で5番目だからなんだというんだ。

Shahmir この傲慢さは白人至上主義、英国の過去の栄光に引きずられ現在の立ち位置を正しく理解できない認知的不協和から来ている。

Just Me どんな歴史教育を受けたらこんな認識になるかね...

Rob Williams そりゃイギリスが誇る公教育でしょう。

EU is Our Future "We would win the war because we import less(我々は(貿易)戦争に勝利する、なぜならEUからの輸入が減るからだ)"

EUに輸出する以上にEUから輸入しているイギリスが、一体どうやってEUへの輸出を増やすのか見ものですな。

Stephen Parker この国の教育の現状が如実に現れている。

Reg もしこれがEU離脱派の典型なのだとしたら、イギリスは詰んでる。

Lin Rowan "もしこれがEU離脱派の典型なのだとしたら"
そやで。

"イギリスは詰んでる"
うん、そやで。

Carmen Mayes 話は聞かせてもらった、英国は滅亡する 🤦‍♀️

sean mountcastle 鳩を相手にチェスをしているようなものだ。

Femi Oluwole
「ナショナリズムここに極まれり、そんな人間が見たかったらこちらをどうぞ」

「動画のフルバージョンではブレグジット賛成派の別の姿が見えてきます。私はある意味では最後に出てくる彼女のような人のために戦っていると言えます」

Femi Oluwole
「さて、では⬆️あちら⬆️と⬇️こちら⬇️を比べてみましょう」

「彼女は立場は違いますが我々EU離脱反対派が手を差し伸べるべき人です。彼女のような立場にある人々のために、その問題を解決しなければ私たちがしていることは価値を失います」

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動画の要約 - インタビューに答えた女性の主張:

彼女は一人親家庭で育ちコンプリヘンシブ・スクール(無試験で入学できる公立中学校)に通った。

彼女が11歳の時に彼女の母親は制服代金が払えないのでグラマースクール(学業優秀な子供を対象とした公立進学校)に通わせることはできないと言った。

貧しい人間はエリートの人間がアクセスできるものにアクセスできない。そのため貧しい人間は貧困層から抜け出せない。

長い緊縮財政のせいでNHS(国民保健サービス)も教育システムも崩壊している。

だが小選挙区制のせいで貧困層の声は無視される。

貧困層の方が子供をつくる傾向にある、そのためやがては貧困層の声の方が大きくなるはず。だがそれはエリート層にとって都合が悪い。だから彼らは小選挙区制の問題に取り組もうとしない。

国会議員はロンドンのことしか気にせず労働階級のことを全く気にかけていない。

そんな状況を変えるためにEU離脱に投票した。そしてここに来て初めて、小選挙区制とは違い有権者の投票が正しく反映される国民投票によって貧困層の意思が反映された。ところがエリートの人間はそれを止めようとしている。だからデモに参加した。

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- 解説 -

小選挙区制:
イギリスはアメリカと同じく小選挙区制 - 1選挙区から1名の議員を選出する選挙制度を採用している。

特徴としては二大政党制になりやすくその意味では政局が安定するが地盤を持つ政治家および大政党に有利に、小政党に不利になる傾向にあり1名以外はすべて落選するので死票が多くなる。

特に死票に関しては2016年アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが大統領選挙人の数で当選したが得票数ではヒラリーが上回ったように、議席数/選挙人数と得票率との間に大きな乖離が生じる問題、有権者の投票/民意が議会の議席数へときちんと反映されない問題が指摘されている。

イギリスの歴史上最も不公平な選挙と言われた2015年イギリス総選挙の各政党の議席数と得票率)
英語版ウィキペディアの「2015年イギリス総選挙」のページより https://en.wikipedia.org/wiki/2015_United_Kingdom_general_election


イギリスの社会保障制度:
イギリスは戦後、政権を担った労働党が 「ゆりかごから墓場まで」のスローガン で知られる社会保障制度を充実させる政策を推し進め福祉国家化を図った。

これは国民全員が無料で医療サービスを受けられる国民保健サービス(NHS)と国民全員が加入する国民保険(NIS)を基幹とするもので後に政権を奪った保守党もその「大きな政府」方針を大枠では受け入れてきた。

しかし1960年代からイギリスの経済の停滞が始まり、この政策が膨大な財政支出をもたらしていたことから1980年代にサッチャー保守党政権は「小さな政府」政策に方向転換、大胆な福祉支出の削減が行われた。

これによりNHSは機能不全に陥り、新自由主義的な改革によって金融業を中心にグローバル化が成功する一方で貧富の格差は拡大、ロンドンを除くイギリス経済は沈滞を続け、財政赤字も解消されなかった。

1997年に政権を奪還した労働党はNHSの立て直すために新たな福祉国家の方向性を打ち出すが、かつての「大きな政府」に戻るわけにもいかず、2010年に政権についた保守党・自由民主党連立政権と共に厳しい緊縮財政/福祉国家の削減を行った。


その影響をもっとも被ったのが貧困層であり、元々は労働者の味方である労働党も「小さな政府」と「新自由主義的な政策」をある程度受け入れてしまい、さらに小選挙区制のせいでスイング・ステート(※)に住んでいない限り選挙で投票しても意味がほぼないことから、置き去りにされた/見捨てられたといった認識が貧困層に広まった。

(スイング・ステート:浮動票が多い州。アメリカの場合は共和党・民主党の支持率が拮抗し選挙の度に勝利政党が変動する州)

ロンドン大学の一部であるロンドンスクールオブエコノミクスの記事によると、 最も裕福な所得グループと最も貧しい所得グループの投票率の差が1987年イギリス総選挙では4%だったのが2010年イギリス総選挙には23%に拡大している。

そしてイギリスのEU離脱を問う2016年の国民投票で離脱派は 「EUを離脱すれば週あたり3億5000万ポンドのEUへの拠出金が浮くので、これをNHS(英国民保健サービス)に回せる」 と主張した。



Anne Wyatt そのイギリス政府に向かうべき抗議がEUに向かってしまったのは残念、いや、悲しいとしか言いようがない。

Shane 彼女の主張は正しい...
が、EUに加盟していることとの関係が全くない。 崩壊してしまったシステムへの抗議が間違った場所で行われてしまった。

Peter Dixon 彼女の主張は小選挙区制によって権利を奪われたと感じている多くの国民の声を代表している。こういった人々の声を取りこぼす小選挙区制を我々はどうにかしなければならないがブレグジットはその解決に全く寄与しない。それどころか大々的な嘘によって利用された彼女らはより苦しい立場に追いやられてしまう。

Ruth Wood 彼女の国民投票はEUへの抗議ではなく党のエリートへの抗議だったわけだ。 キャメロンが引き起こしたイギリスの分割は絶対に許されないものだ、そしてそれを修復することに焦点が当てられないまま3年も過ぎてしまった...

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