twitter.comより

『反フェミニズム』を掲げる韓国野党「国民の力」の尹錫悦が韓国の新大統領に就任したことに対する海外の反応



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フランスの国際ニュース専門チャンネル『France 24』
『反フェミニストの政治初心者、野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソギョル )が韓国の新大統領に』
france24.com


米Yahoo掲載のアジア系アメリカ人向けメディアNextShark
『ユン・ソギョルが韓国の大統領選挙に当確、韓国の「女性憎悪」運動が勝利』

- ユン・ソギョルが韓国の大統領選挙で当確したことは「韓国の女性はあまりにも優遇されている」と主張する20代と30代の若い反フェミニスト男性が率いる韓国の「女性憎悪」運動の勝利を意味する -
news.yahoo.com


米国のニュース雑誌『タイム』
『いかにしてユン・ソギョルは韓国の反フェミニスト運動を利用して大統領選挙に勝利したか』
time.com


米国のビジネス雑誌『フォーチュン』
『韓国が仮想通貨の「規制緩和」掲げ、少子化の原因はフェミニズムにあると非難する大統領を選出する』
fortune.com


国際連合教育科学文化機関会長 - アショク・スウェイン
誰もがウクライナで忙しい中、韓国は「韓国版ドナルド・トランプ」である尹錫淵を大統領に選出していた!

彼はジェンダー平等に反対しており、北朝鮮の核搭載ミサイルという脅威に米国・日本・インド・オーストラリアが「クアッド(Quad)」という協力体制で対抗しようとする中、韓国が先制打撃能力を確保する以外に方法はないと主張している。
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これがどれほど悪い事態かを説明するにはいくら誇張しても足りないだろう。 ユン・ソギョルは反フェミニストであり、韓国でのTHAADの拡大を望むほか北朝鮮に対する先制攻撃を支持している。

好戦的で外国人排斥主義者、在宅勤務には労働基準法を適用しなくてもよいと発言する危険な労働観を持つ反フェミニスト政権など考えられないほど悪い。
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反フェミニズム、反LGBTQ+、反平等を中心とした政策を掲げ大統領選挙キャンペーンを行っていた男が選挙で勝利した。今後韓国はこの新しい大統領によって大きく変わるだろう、だが我々はユン・ソギョル政権誕生で悪影響を受ける人々にこそ注意を向ける必要がある。
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米国の公共放送ラジオ「ナショナル・パブリック・ラジオ」のホストでジャーナリスト - Elise Hu
韓国はフェミニストを自称することすらタブーとする国であり、先進国でも最悪の男女賃金格差を誇る国である。その国の新大統領に「韓国社会には構造的な性差別など存在しない」と主張する男が就任した。

以下は韓国で弱い立場に立たされている、すでに社会的に無視され追い詰められている女性の現状についてAFP通信社の元ソウル特派員であるHawon Jung氏が解説したスレッドになる
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AFP通信社の元ソウル特派員 - Hawon Jung
韓国の大統領選挙で尹錫悦(ユン・ソッキョル)が当選した。

そして韓国人の全ての目がこの悲観的なニュースに向けられている中、私は韓国のMeToo運動に関する本を出版するにあたり取材した市井の人々、特別な地位や財産などのない世間一般の女性/男性のことを考えずにはいられないでいる。

彼らの日常生活はこの選挙結果によって大きく影響を受けることになるだろう 、特にジェンダー平等の観点において
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1)この選挙結果によって大きく影響を受けるグループの一つが未婚の母親だ。

韓国社会では未婚の母親は軽蔑の対象であり容赦なく差別される存在だ。韓国の未婚の母親は90%以上が出産の前後に仕事を失っている。彼女らは貧困に追いやられたり、しばしば家族からの圧力を受けて赤ちゃんを手放すことを余儀なくされている。

そのような赤ちゃんの多くが海外での養子縁組に出されている、その数は少なくとも12万人にも及ぶ、これは韓国社会で数十年にわたって続いている悪しき慣習だ。

そしてそんな未婚の母親を援助している男女共同参画局の「廃止」を今回の大統領選挙で勝利した右派のユン・ソッキョルは昨年呼びかけていた。



2)また韓国の深刻な社会問題である「盗撮」やリベンジポルノなどのネットを介した性的虐待の被害者も今回の選挙で影響を受けるグループの一つだ。

被害者の相談窓口であり被害者に代わってインターネットからそれらを削除する国営ヘルプセンターは男女共同参画局が設置・出資したものであり、ユン・ソッキョル新大統領の誕生でその存続が危ぶまれている。

関連記事: 韓国で社会問題になっている「盗撮」をBBCが特集(海外の反応)



3)韓国の性暴力被害者が受ける影響も甚大だ。

韓国の名誉毀損に対する罰則と虚偽告発に対する罰則は先進国の中で最も処罰が厳しい。その一方で性的暴行に関しては罪を成立させるための要件が先進国の中で最も厳しいため、性的暴行を受けた被害者が逆に名誉毀損罪・虚偽告訴罪で告発される『リベンジ告発 (revenge accusation)』が頻発している。

性暴力の "加害者" からの「リベンジ告発」や侮辱や圧力を受けるのは被害者だけではない、被害者を支持した両親や友人や同僚にも同様の告発が行われる。

そして今回の大統領選挙で勝利したユン・ソッキョルは選挙公約の目玉として「性的犯罪の虚偽申告の厳罰化」を宣言した。



さらに妊娠中の女性や子供を持つ母親も今回の選挙結果の影響を受けることになる。

韓国企業は妊娠中の女性や母親の雇用に非常に消極的であることで知られており、妊娠発覚と共に解雇される女性や、子供がいることで男性よりも不当に低い評価を付けられる女性求職者は後を絶たない。

韓国のOECDでも最悪の男女賃金格差や「ガラスの天井指数」、世界で最も低い出生率はこのような女性差別の横行が原因だ。

にもかかわらず今回の大統領選挙で勝利したユン・ソッキョルは韓国には「構造的な性差別はない」と述べた。彼の主要な支持母体の1つである韓国の若い男性のあいだで人気を集めたのがこの主張だ。

韓国では過激な「反フェミニスト」運動が若者男性のあいだで活発になっており、近年は政治を動かすほどその勢いを増してている。

ガラスの天井:資質・実績があっても女性やマイノリティを一定の職位以上には昇進させようとしない組織内の障壁



5)今回の選挙結果の影響を受けるのは女性だけではない、働く妻を支える夫もその影響を免れない。

韓国では男性の育児休暇の取得は2010年代半ばまでは「ほとんど考えられない」ものだった。しかし近年は家族との生活を大切にし、父親の世代とは異なる生活を望んでいる「勇敢な父親」も少数ながら増えている。

育児休暇を取得する韓国人男性の数は2015年から2020年にかけて5倍以上に急増、育児休暇全体の25%近くを占めまでに至ったが、これも男女共同参画局がそのような父親に対する支援を積極的に推進したことが一因だ。



もちろん今回の選挙はジェンダー問題だけが争点であったわけではない。経済、雇用、貿易、外交、国防、北朝鮮、そして何より現政権の支持率を大幅に下げた不動産価格の高騰も論争の的となっていた。

しかしフェミニズムがここまで前面に出されることは今までなかった。過去の韓国大統領選挙では様々な問題が政治的スケープゴートとして使用されてきたがフェミニズムがその対象になったこともなかった。

今回の選挙が過去と大きく異なるのがそこだ、そしてそれが多くの女性有権者に大きな恐怖と不安を抱かせている。



ただし女性の多くが今回の最大野党「国民の力」のユン・ソギョルの当選を危惧しているからと言って、現在の与党である「共に民主党」を女性が支持しているかと言ったらそうではない。

今回の大統領選挙では大統領候補2人を含め3人の大物が性的暴行で告発された後に投獄されるか自殺した。さらに多くの党幹部が何年にもわたって性的暴行の犠牲者を執拗に攻撃していたこともあり多くの女性たちが彼らを非難。

「共に民主党」の大統領候補である李在明氏は最近になって性的不祥事のスキャンダルに対する党の対応について謝罪したが、多くの者が「何もないよりはましだが遅すぎる」「女性票を獲得するための土壇場での悪あがき」とこれを一蹴している。



このように「共に民主党」はその偽善ぶりと無能さを広く批判されていた。しかし最大野党「国民の力」のユン・ソギョルが公然と、もはや女性嫌悪としか認識できない反フェミニズムを掲げたことでそれを恐れた多くの女性の支持が「共に民主党」に流れた、ユン・ソギョルの当選を防ぐにはそれしかなかったからだ。

「共に民主党」の李在明氏が性的不祥事のスキャンダルに対する党の対応について謝罪したのもその流れを受けている。そしてユン・ソギョルが掲げる反フェミニスト政策を支持する若い男性を引き込むことが困難であることをようやく認識した「共に民主党」は若い女性を積極的に呼び込む方向に路線変更。

「脅える若い女性」と「再選への希望が今や彼女らの支持にかかっている党」という奇妙な連合が土壇場になって生まれたわけだが結果は知っての通りだ。

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